辻内崇伸、平田良介、岡田貴弘、鶴直人が目玉
2005年の高校生ドラフトは「浪速の四天王」が目玉だった。夏の甲子園でベスト4入りした大阪桐蔭の左腕エース・辻内崇伸、同校の主砲で高校通算70本塁打をマークしていた平田良介、高校通算55本塁打を放ちながら最後の夏は大阪大会準決勝で大阪桐蔭に敗れた履正社・岡田貴弘、最速151キロ右腕の近大付・鶴直人の4人だ。
「高校生」と「大学生・社会人」が分離開催され、「自由獲得枠」は「希望入団枠」と名称変更。高校生1巡目の指名が重複した場合は抽選、外れた球団はウェーバー方式で、希望枠を使用しなかった球団のみ高校生2巡目を指名できるなど複雑なルールだった。
蓋を開ければ「四天王」で重複したのは辻内崇伸のみ。現在は外れ1位も抽選だが、この年はくじを外すとウェーバー順だったため、リスクを避けて単独指名を狙う球団も多かった。
広島は鈴木将光、楽天は片山博視、日本ハムは陽仲壽
広島は楽天と競合した報徳学園・片山博視を外し、遊学館の鈴木将光を指名した。7年目の2012年に一軍初出場を果たしたが、結局通算6試合出場しただけで2015年オフに戦力外となった。
楽天は報徳学園2年時に春夏連続で甲子園出場した左腕・片山博視を引き当てた。3年目の2008年に完封でプロ初勝利を挙げると、その後セットアッパーとして活躍したが、左肘痛もあって2015年に野手転向。2017年オフに戦力外となるまで通算206試合の登板で8勝16敗48ホールドの成績を残している。
注目の辻内を引き当てたのは巨人だった。オリックスの中村勝広GMが当たりくじと勘違いして一度はオリックスと発表されるハプニングもあったが、巨人と訂正された瞬間、辻内は破顔一笑。しかし、プロ入り後はケガもあって一軍登板を果たせないまま2013年オフに戦力外通告された。
日本ハムはソフトバンクと競合した福岡第一の陽仲壽(現在は陽岱鋼)を引き当てた。2010年にレギュラーに定着すると2013年には47盗塁でタイトル獲得。2016年オフにFA宣言して巨人に移籍し、通算1315試合出場で1163安打、105本塁打、141盗塁をマークしている。
ヤクルト村中恭兵、横浜は山口俊、西武は炭谷銀仁朗
ヤクルトは東海大甲府の左腕・村中恭兵を単独指名した。2010年に11勝、2012年に10勝を挙げるなど活躍したが、2019年オフに戦力外通告。通算199試合登板で46勝55敗6ホールドの成績を残している。
オリックスは辻内を外し、「四天王」の一人、履正社のスラッガー・岡田貴弘を指名。登録名をT-岡田に変更して臨んだ2010年、33本塁打を放ち、22歳で本塁打王に輝いた。その後もオリックスの主軸として通算1188試合に出場し、1086安打、186本塁打、638打点をマークしている。
横浜は柳ヶ浦の右腕・山口俊を単独指名。高卒1年目に初勝利を挙げると、2009年からクローザーとして活躍した。2016年オフにFA宣言して巨人に移籍し、2019年オフにはポスティングシステムでMLBブルージェイズ移籍。今季からジャイアンツと契約した。これまで日米通算444試合登板で66勝62敗112セーブ26ホールドの成績を残している。
西武は高校通算48本塁打をマークしていた平安(現龍谷大平安)の捕手・炭谷銀仁朗を単独指名した。1年目から54試合に出場し、8シーズンで100試合以上に出場。森友哉の台頭で出番が減った2018年オフにFA宣言して巨人に移籍した。通算1283試合出場で704安打、38本塁打を放っている。