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川崎憲次郎に2球団競合した1988年ドラフトの答え合わせ、外れ1位の成績は?

2021 4/15 06:00SPAIA編集部
川崎憲次郎Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ヤクルトと巨人が川崎を指名、酒井勉と中島輝士も2球団競合

夏の甲子園決勝で広島商が、エース前田幸長と4番・山之内健一を擁する福岡第一を破って優勝した1988年。秋のドラフトは甲子園で春夏連続ベスト8入りした津久見高のエース川崎憲次郎や江の川高(現石見智翠館高)の捕手・谷繁元信らに注目が集まっていた。

当時は指名が重複した場合は抽選、外れた場合はウェーバーというルール。川崎はヤクルトと巨人、日立製作所の右腕・酒井勉はロッテとオリックス、プリンスホテル・中島輝士はダイエーと日本ハムが競合した。

1988年ドラフト1巡目指名選手の成績


外れ1位も含め、各球団1巡目指名選手のプロ入り後の成績を振り返る。

阪神は中込伸、ロッテは前田幸長、ダイエーは篠田淳

阪神は甲府工高のエースとして甲子園に出場し、神崎工高に編入していた右腕・中込伸を指名。1992年に9勝8敗、防御率2.42でチームの2位躍進に貢献するなど、通算41勝62敗2セーブの成績を残した。2001年に阪神を退団後は台湾でもプレーした。

ロッテは酒井勉を外して甲子園準優勝左腕の前田幸長を指名。高卒1年目から17試合に登板して2勝を挙げ、その後も主に先発として活躍した。中日、巨人と移籍し、2008年には米球界に挑戦したもののメジャー昇格は果たせずに引退。通算78勝110敗9セーブ12ホールドの成績を残している。

本格派右腕・川崎憲次郎はヤクルトが引き当てた。2年目の1990年から3年連続2桁勝利をマークし、1998年には17勝で最多勝。2000年にFA宣言して中日移籍したものの、ケガのため1勝も挙げられず2004年に引退した。通算88勝81敗2セーブだった。

ダイエーは中島輝士を外して大垣商高の左腕・篠田淳を指名。夏の甲子園3回戦で津久見・川崎と投げ合って0-1の投手戦を演じた左腕に期待は高かったが、ケガもあって一軍出場を果たせないまま1991年に戦力外となった。

大洋は谷繁元信、広島は野村謙二郎

大洋は夏の甲子園でベスト8進出し、準々決勝で福岡第一に敗れた江の川の捕手・谷繁元信を指名した。高校通算42本塁打のパンチ力と強肩で高卒1年目から80試合に出場。FAで中日に移籍した後も長く現役を続け、実働27年で歴代最多の3021試合に出場し、2108安打、229本塁打、1040打点の成績を残した。

オリックスは日立製作所の右腕・酒井勉を引き当てた。1年目に9勝7敗9セーブで新人王に輝き、1996年に引退するまで通算33勝31敗14セーブをマーク。現在はオリックスのメンタルコーチを務めている。

広島は駒澤大で東都通算103安打をマークし、ソウル五輪にも出場した野村謙二郎を指名。1995年には打率.315、32本塁打、30盗塁のトリプルスリーを達成するなど、広島の中心選手として活躍した。通算2020安打、169本塁打、250盗塁の成績を残して2005年に引退。2010年から5年間、広島の監督を務めた。

日本ハムはソウル五輪で日本代表の4番を務めたプリンスホテル・中島輝士を引き当てた。1年目の開幕戦でサヨナラ本塁打を放つ衝撃デビューを飾り、1992年には115試合に出場して打率.290、13本塁打、66打点をマーク。近鉄移籍後の1998年に引退するまで通算453安打、52本塁打の成績を残した。

巨人は吉田修司、中日は今中慎二、西武は渡辺智男

巨人は川崎を外して北海道拓殖銀行の左腕・吉田修司を指名。主に中継ぎとして活躍し、ダイエー、オリックスと移籍して2007年に戦力外となった。通算533試合登板で37勝32敗23セーブ10ホールドの成績を残している。

近鉄はソウル五輪に出場した日本生命・米崎薫臣を指名。三拍子揃ったショートとして期待されたが、レギュラー獲得には至らず阪神移籍後の1998年に引退した。通算196試合に出場して75安打、4本塁打だった。

中日は大阪桐蔭高の左腕・今中慎二を指名。キレのいいストレートと大きなカーブを武器に1993年に17勝で最多勝のタイトルを獲得するなど、山本昌と並ぶ左腕エースとして活躍した。2001年に引退するまで通算91勝69敗5セーブをマークしている。

西武はNTT四国の右腕・渡辺智男を指名した。伊野商高時代、センバツのPL学園戦で清原和博から3三振を奪った快速球を武器に1年目から10勝をマーク。3年目の1991年には防御率2.35でタイトル獲得した。1994年からダイエーに移籍し、西武に復帰した1998年に引退。通算45勝40敗2セーブの成績を残している。

谷繁、野村と後に名球会入りする選手を輩出した1988年組。2巡目以下では、2位指名で5球団競合した高知商高・岡幸俊がヤクルト2位、中央大・笘篠賢治がヤクルト3位、プリンスホテル・小川博文がオリックス2位、名古屋商科大・大豊泰昭が中日2位、プリンスホテル・石井丈裕が西武2位、東芝府中・初芝清がロッテ4位、愛知工大・平井光親がロッテ6位、静岡高・赤堀元之が近鉄4位、福岡第一高・山之内健一がダイエー5位、関東高(現聖徳学園高)・江藤智が広島5位で入団している。

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