有原はDeNA、広島、日本ハム、阪神が指名、済美高・安樂智大には2球団競合
夏の甲子園決勝で大阪桐蔭が三重を破って4度目の優勝を飾った2014年。秋のドラフトでは早稲田大で東京六大学通算19勝をマークした右腕・有原航平に注目が集まっていた。
1巡目指名のみ重複した場合は抽選、2巡目以降はウェーバー方式で行われ、有原にはDeNA、広島、日本ハム、阪神の4球団が競合。済美高の剛腕・安樂智大にはヤクルトと楽天の2球団が競合した。
外れ1位も含め、各球団1位指名選手のプロ入り後の成績を振り返る(成績は日米通算、2023年終了時点)。
DeNAは外れ1位で山崎康晃、西武は髙橋光成を単独指名
ヤクルトは安樂を外し、ヤマハの左腕・竹下真吾を指名。2年目に一軍で1試合に登板したが、勝ち星は挙げられず、3年目の2017年オフに戦力外となった。0勝0敗、防御率13.50の成績が残っている。
楽天は済美高2年春のセンバツで準優勝した右腕・安樂智大を引き当てた。186センチの長身から投げ下ろす剛球を武器に主に中継ぎとして活躍し、2021年から3年連続50試合以上に登板するなど通算231試合登板で18勝21敗3セーブ50ホールド。しかし、2023年シーズン終了後、パワーハラスメント行為があったとして自由契約になった。
DeNAは有原を外し、外れ1位で阪神と競合した亜細亜大の右腕・山崎康晃を指名。1年目からクローザーとして活躍し、2018、19年に最多セーブに輝くなど通算508試合登板で19勝31敗227セーブ82ホールドの成績を残している。
西武は前年2013年の夏の甲子園で優勝投手となった前橋育英高の右腕・髙橋光成を単独指名。2019年に10勝、2021年から3年連続2桁勝利を挙げ、通算では157試合登板で65勝57敗をマークしている。
ロッテは中村奨吾、広島は野間峻祥、有原は日本ハムへ
中日は三菱日立パワーシステムズ横浜の右腕・野村亮介を指名。エースナンバー「20」を背負うなど期待は高かったが、一軍では3試合に登板しただけで1勝も挙げられないまま、2017年に戦力外となった。
ロッテは早稲田大の三拍子揃った内野手・中村奨吾を指名した。1年目から111試合に出場し、2018年から4年連続フル出場。通算1128試合で打率.251、85本塁打、426打点をマークしており、2024年から選手会長を務めることになった。
広島は有原を外し、中部学院大の俊足強肩の外野手・野間峻祥を指名。2018年には負傷離脱した丸佳浩の代役としてチャンスをつかみ、126試合に出場して打率.286をマーク、リーグ3連覇に貢献した。通算832試合出場で打率.274、541安打、10本塁打の成績を残している。
日本ハムは早稲田大の本格派右腕・有原航平を引き当てた。2019年には15勝8敗で最多勝に輝き、2020年オフにポスティングシステムでMLBレンジャーズに移籍。メジャーでは通算3勝(7敗)にとどまり、2023年からソフトバンクに移籍して日本球界に復帰した。日米通算73勝62敗2セーブ1ホールド。
オリックスは山﨑福也、巨人は岡本和真を単独指名
阪神は有原に続いて、DeNAと競合した山崎も外し、外れ外れ1位で新日鉄住金鹿島の左腕・横山雄哉を指名。チームメイトの2位・石崎剛とともに期待されたが、ケガの影響もあって2020年オフに戦力外通告を受けた。通算9試合登板で3勝2敗だった。
オリックスは明治大・山﨑福也を指名した。東京六大学通算20勝をマークした左腕は、1年目から開幕一軍入りして3勝6敗。2023年は初の2桁となる11勝(5敗)を挙げてリーグ3連覇に貢献し、オフにFA宣言して日本ハム移籍が決まった。通算176試合登板で39勝45敗3ホールド。
巨人は智弁学園高のスラッガー・岡本和真を単独指名した。高校通算73本塁打の長距離砲はプロ入り後も順調に成長し、3度の本塁打王に輝くなど2018年から6年連続30本塁打以上をマーク。通算862試合出場で打率.272、206本塁打、585打点と数字を伸ばし続けている。
ソフトバンクは盛岡大付高の右腕・松本裕樹を指名した。恵まれた体格から投げ込む力強いストレートを武器に主に中継ぎとして活躍。通算184試合登板で14勝14敗50ホールドの成績を残している。
2巡目以下では、亜細亜大の右腕・薮田和樹が広島2位、横浜隼人高・宗佑磨がオリックス2位、春江工高・栗原陵矢がソフトバンク2位、日本新薬・倉本寿彦がDeNA3位、富士大・外崎修汰が西武3位、駒澤大・江越大賀が阪神3位で入団している。
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