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楽天・早川隆久、ロッテ・鈴木昭汰もOP戦好結果で先発ローテ当確?【ドラ1大卒左腕の1年目成績】

2021 3/4 17:00勝田聡
楽天・早川隆久ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

2012年以降のドラ1大卒左腕では東克樹が新人王を獲得

今年もっとも注目されている新人投手は、早川隆久(早稲田大→楽天)だろう。昨年のドラフト会議で4球団が競合した左腕であり、春季キャンプでも一軍スタートだった。実戦デビューとなった2月20日の日本ハム戦(練習試合)では、2回1安打無失点。中田翔や西川遥輝といった球界を代表する打者から三振も奪った。

もうひとりのドラフト1位の大卒左腕である鈴木昭汰(法政大→ロッテ)も、2月25日のソフトバンク戦(練習試合)で3回無失点と好投。早川に負けじと上々の滑り出しを見せた。

この早川と鈴木はともにドラフト1位で入団した大卒左腕だが、彼らと同じく即戦力候補として入団した、過去の「ドラ1大卒左腕」たちは、1年目のオープン戦や公式戦でどのような成績を残したのだろうか。2011年のドラフト以降に入団した投手たちを振り返ってみたい。

2011年のドラフト以降で1位指名された大卒の左腕は、早川と鈴木で計12人となる。この2人を除く過去10人のサウスポーの中で新人王に輝いたのは、東克樹(立命館大→DeNA)のみだ。

ちなみに、今年の早川と鈴木はともにパ・リーグの球団に入団したが、パ・リーグで「大卒左腕×ドラフト1位」の新人王は、2006年の八木智哉(創価大→日本ハム希望枠)が最後となっている。

オープン戦で登板することが戦力となる第一条件

ドラフト1位の大卒左腕の1年目のオープン戦と公式戦の成績は下記のようになる。

大卒ドラフト1位投手(左腕)の1年目成績ⒸSPAIA


オープン戦で登板がなかったのは松葉貴大(大阪体育大→オリックス)、岩貞祐太(横浜商科大→阪神)、上原健太(明治大→日本ハム)の3人。そのうち岩貞と上原は公式戦の登板も10試合にとどかず、1年目に即戦力としての働きをすることはできなかった。

上原はチームが優勝争いを繰り広げていたこともあり、シーズン最終戦の9月30日が初登板だった。チームが優勝を決めた翌日にデビューし、1回を無失点に抑えているものの、ポストシーズンでの登板はなかった。松葉は主に先発として17試合に登板し4勝をマークしたが、防御率は4点台と少し苦しんだ。

オープン戦で登板したにもかかわらず、結果を残せなかったのが齊藤大将(明治大→西武)だ。3試合の登板全てで失点し防御率は11.37。開幕のおよそ1週間前に開幕二軍スタートが決定した。公式戦では主に中継ぎとして16試合に登板するも、防御率7.02と打ち込まれた。

髙橋優貴、藤岡貴裕もまずまずの成績

オープン戦で結果を残した左腕の多くは、公式戦でも好成績を残している。東と濱口遥大(神奈川大→DeNA)は2桁勝利をマークし、今永昇太(駒沢大→DeNA)も8勝と先発ローテーションを担った。

藤岡貴裕(東洋大→ロッテ)と髙橋優貴(八戸学院大→巨人)も負け越してはいるものの、防御率は3点台前半と大崩れはしていない。DeNAの3人には見劣りするのは確かだが、1年目としてはまずまずの数字と言っていいだろう。

山﨑福也(明治大→オリックス)はルーキーながら開幕3戦目の先発を任されたが、3回途中3失点でノックアウトされた。その後は打ち込まれる試合もあったが、6月に初勝利をマーク。その後は中継ぎも経験し夏場以降は再び先発に戻るなど、一軍で経験を積んだ。

このように近年の大卒ドラ1左腕はオープン戦で登板し、なおかつ好結果を残すことができれば、公式戦でも最低限の成績を残すことができている。早川や鈴木も先人たちと同じようにオープン戦、そして公式戦での好結果に期待がかかる。

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