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菅野智之を日本ハムが強行指名した2011年ドラフトの答え合わせ、一番出世は?

2023 12/12 06:30SPAIA編集部
中日・高橋周平と広島・野村祐輔,ⒸSPAIA
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菅野智之、藤岡貴裕、野村祐輔が「大学BIG3」

2011年のドラフト会議では「大学BIG3」と呼ばれた東海大・菅野智之、東洋大・藤岡貴裕、明治大・野村祐輔が目玉だった。

中でも原辰徳監督の甥で、東海大相模高、東海大の後輩にあたる菅野は巨人入りを熱望しており、巨人も1位指名を公言していたことから単独指名されると見られていた。しかし、蓋を開ければ日本ハムと競合。抽選の結果、日本ハムが交渉権を獲得するという予想外の展開となった。

また藤岡はロッテ、横浜、楽天の3球団競合、野村は広島が一本釣りした。

2011年のドラフト1巡目指名選手の成績


外れ1位も含め、12球団の1巡目指名選手のプロ入り後の成績を振り返る。

ロッテは藤岡貴裕、横浜は北方悠誠、楽天は武藤好貴

ロッテは西村徳文監督が見事に藤岡を引き当てた。桐生一高から東洋大に進み、東都リーグで通算27勝をマーク。背番号18を背負ったロッテでは、1年目の2012年4月1日楽天戦で初先発初勝利を飾る最高のスタートを切った。2014年まで3年連続6勝を挙げたが、その後は下降線を辿り、日本ハム、巨人と移籍。2020年限りでユニフォームを脱いだ。通算178試合登板で21勝32敗16ホールドの成績を残している。

横浜は藤岡を外した後、巨人と競合した英明高・松本竜也も外し、唐津商の右腕・北方悠誠を外れ外れ1位で指名。150キロを超えるストレートに期待は高かったが、一軍出場を果たせないまま、ソフトバンクに移籍した2015年に戦力外となった。その後も独立リーグや米マイナーリーグでプレーした。

藤岡を外した楽天はJR北海道の右腕・武藤好貴を指名した。札幌藻岩高から中京大を経て入社したJR北海道では都市対抗や社会人日本選手権に出場。楽天では2015年にプロ初勝利を含む4勝を挙げたが、2018年オフに戦力外となった。通算85試合登板で4勝4敗1セーブ8ホールドの成績を残している。

広陵高時代に夏の甲子園で準優勝し、明治大では東京六大学リーグ通算30勝をマークした野村祐輔は広島が単独指名。2016年には16勝3敗で最多勝と最高勝率に輝き、25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。これまで通算80勝63敗、防御率3.54の成績を残している。

阪神は伊藤隼太、菅野を外した巨人は松本竜也

オリックスは3球団競合となった東海大甲府高の高橋周平を外し、東芝の安達了一を指名した。群馬・榛名高から上武大を経て、東芝では都市対抗優勝に貢献。オリックスでは堅守のショートして通算1152試合に出場し、打率.245、898安打、36本塁打の成績を残している。2024年は選手兼任で内野守備走塁コーチを務める。

阪神は慶応義塾大・伊藤隼太を単独指名した。中京大中京高時代に通算29本塁打を放ち、大学4年春のリーグ戦では打率.405をマーク。スター候補として期待されたが阪神ではレギュラーをつかめず、2020年オフに戦力外となった。通算成績は365試合で打率.240、154安打、10本塁打の成績を残している。

西武はJR東日本の右腕・十亀剣を単独指名。愛工大名電高時代にセンバツ優勝し、日本大を経て社会人時代は都市対抗で優勝した。プロ入り後は2015年に初の2桁となる11勝を挙げるなど、通算259試合登板で53勝50敗3セーブ21ホールドをマークしたが、2022年に引退した。

菅野を外した巨人は、外れ1位で横浜と競合した英明高の左腕・松本竜也を引き当てた。190センチの長身左腕は素質を高評価されていたが、2015年、野球賭博に関わっていたことが発覚し、一軍出場を果たせないままユニフォームを脱いだ。

ソフトバンクは武田翔太、中日は高橋周平

日本ハムは菅野智之の交渉権を獲得したものの本人の巨人への思いを覆すことはできず、2012年3月に獲得を断念。菅野は社会人には進まず浪人し、2012年ドラフトで1年越しの恋を実らせた。

ヤクルトは高橋周平を外して光星学院高(現八戸学院光星高)の川上竜平を指名。夏の甲子園で3本塁打を放って準優勝し、池山隆寛や川端慎吾が背負った「36」を与えられたが、一軍出場は果たせず2016年に戦力外となった。

ソフトバンクは「九州のダルビッシュ」と呼ばれた宮崎日大高の右腕・武田翔太を単独指名した。2015年に13勝、翌2016年に14勝を挙げるなど通算66勝48敗2セーブ11ホールドの成績を残している。

中日は3球団競合した高校通算71本塁打の東海大甲府高・高橋周平を引き当てた。入団1年目にプロ初本塁打を放って素質の高さを示し、2020年には自身初の3割となる打率.305をマーク。ここまで通算989試合出場で802安打、55本塁打、349打点の成績を残している。

2位以下では中京学院大・菊池涼介が広島2位、東洋大・鈴木大地がロッテ3位、関西国際大・益田直也がロッテ4位、帝京高・松本剛が日本ハム2位、横浜高・近藤健介が日本ハム4位、専大松戸高・上沢直之が日本ハム6位、明治大・島内宏明が楽天6位でプロ入りしている。

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