オリックスは山岡泰輔を単独指名
今年のプロ野球ドラフト会議は10月11日に行われる。明桜高・風間球打、市和歌山・小園健太、高知高・森木大智の高校生投手が注目されているが、大学生も粒揃いで直前まで水面下で各球団の駆け引きが続くだろう。
ただ、アマチュア時代の評価とプロでの成績は必ずしも一致しないのがドラフトの難しいところ。秘めた素質が開花する場合もあれば、ケガで実力を発揮できない場合もあり、未来のことは誰にも分からない。
2016年ドラフトで「一番人気」だったのは創価大の右腕・田中正義だった。5球団競合の末に当たりくじを引いたのがソフトバンク。さらに外れ1位でも桜美林大の右腕・佐々木千隼に5球団競合し、ロッテが引き当てた。
12球団の1巡目指名選手とプロ入り後の成績を振り返る。

オリックスは東京ガス・山岡泰輔を単独指名した。瀬戸内高3年夏の広島大会決勝で広島新庄高の左腕・田口麗斗(現ヤクルト)と延長15回引き分け再試合の熱闘を演じた右腕は、プロ1年目から8勝をマーク。2019年には13勝4敗で最高勝率に輝いた。今季は3勝を挙げていたが、9月に右肘クリーニング手術を受けている。
明治大・柳裕也は中日入り、「高校BIG4」では今井達也が一番出世
中日はDeNAと2球団競合した明治大の右腕・柳裕也を引き当てた。東京六大学リーグ通算23勝、史上15人目となる300奪三振の実績を引っ提げてプロ入りし、3年目の2019年に11勝をマーク。今季も防御率と奪三振でリーグトップを走っており、初タイトルを狙う。
ドラフト前に注目されていたのが履正社高・寺島成輝、横浜高・藤平尚真、作新学院高・今井達也、花咲徳栄高・高橋昂也の「高校BIG4」だった。楽天はそのうちの1人、藤平を1位指名。1年目に3勝、2年目に4勝を挙げたが、今季は1試合も登板していない。
寺島成輝はヤクルトが指名した。左腕から投げ込む力強いストレートに期待は高かったが、プロ入り後は2020年にようやくプロ初勝利を挙げたのみ。今季は開幕一軍入りしたものの1試合登板しただけで二軍落ちしている。
「高校BIG4」で最もプロで実績を残しているのが今井達也だ。作新学院高で全国制覇した右腕は西武が単独指名。2年目にプロ初勝利を挙げると、今季も7勝を挙げるなど、通算22勝をマークしている。
阪神は大山悠輔を単独指名、DeNAは外れ外れ1位で濱口遥大
阪神は白鷗大で通算16本塁打を放ったスラッガー大山悠輔を単独指名した。1年目から7本、11本、14本と着実に成績を伸ばし、2020年は28本塁打、85打点。今季は生え抜き選手では1985年以来の掛布雅之、岡田彰布以来となる30本塁打を期待されたが、ここまで16本塁打にとどまっている。
ロッテは田中正義を外したものの、佐々木千隼を引き当てた。1年目は15試合に登板して4勝7敗。その後はケガもあって低迷していたが、今季は中継ぎとして8勝1セーブ20ホールドと大活躍している。
DeNAは柳裕也、佐々木千隼と連続して抽選で外し、外れ外れ1位で地元・神奈川大の左腕・濱口遥大を指名した。1年目から開幕一軍入りして先発ローテーションの一角を担い、球団では川村丈夫以来20年ぶりの2桁となる10勝をマーク。今季は自身初の開幕投手を務めたが、ここまで5勝にとどまっている。
5球団競合の田中正義を引き当てたのはソフトバンクだった。しかし、プロ入り後はケガに苦しみ、2018年にプロ初登板。今季も中継ぎとして起用されているが、いまだ白星は挙げていない。