「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

田中正義と佐々木千隼に5球団競合した2016年ドラフトの答え合わせ、外れ1位の成績は?

2023 12/7 07:00SPAIA編集部
ロッテの佐々木千隼、巨人の吉川尚輝、阪神の大山悠輔,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

作新学院が優勝した2016年ドラフト

夏の甲子園で作新学院が優勝した2016年。秋のドラフトで「一番人気」だったのは創価大の右腕・田中正義だった。

5球団競合の末に当たりくじを引いたのがソフトバンク。さらに外れ1位でも桜美林大の右腕・佐々木千隼に5球団競合し、ロッテが引き当てた。12球団の1巡目指名選手とプロ入り後の成績を振り返る。

2016年ドラフト1巡目指名選手の通算成績


「高校BIG4」藤平尚真は楽天、寺島成輝はヤクルト

オリックスは東京ガス・山岡泰輔を単独指名した。瀬戸内高3年夏の広島大会決勝で広島新庄高の左腕・田口麗斗(現ヤクルト)と延長15回引き分け再試合の熱闘を演じた右腕は、プロ1年目から8勝をマーク。2019年には13勝4敗で最高勝率に輝いた。通算157試合で43勝45敗3セーブ13ホールドをマークしている。

中日はDeNAと2球団競合した明治大の右腕・柳裕也を引き当てた。東京六大学リーグ通算23勝、史上15人目となる300奪三振の実績を引っ提げてプロ入りし、3年目の2019年に11勝をマーク。2021年には最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得するなど通算44勝(51敗)を挙げている。

ドラフト前に注目されていたのが履正社高・寺島成輝、横浜高・藤平尚真、作新学院高・今井達也、花咲徳栄高・高橋昂也の「高校BIG4」だった。楽天はそのうちの1人、藤平を1位指名。1年目に3勝、2年目に4勝を挙げたがその後は伸び悩み、通算45試合で10勝16敗にとどまっている。

寺島成輝はヤクルトが指名した。左腕から投げ込む力強いストレートに期待は高かったが、プロ入り後は2020年にようやくプロ初勝利を挙げたのみ。通算1勝1敗で2022年に引退した。

西武は今井達也、阪神は大山悠輔を単独指名

「高校BIG4」で最もプロで実績を残しているのが今井達也だ。作新学院高で全国制覇した右腕は西武が単独指名。2年目にプロ初勝利を挙げると、2023年に自身初の2桁となる10勝を挙げるなど、通算38勝をマークしている。

阪神は白鷗大で通算16本塁打を放ったスラッガー大山悠輔を単独指名した。1年目から7本、11本、14本と着実に成績を伸ばし、2020年は28本塁打、85打点。2023年はリーグ最多の99四球を選んで最高出塁率に輝き、優勝に貢献した。通算打率.270、123本塁打、483打点。生え抜きでは1985年以来の掛布雅之、岡田彰布以来となる30本塁打を期待されている。

ロッテは田中正義を外したものの、佐々木千隼を引き当てた。1年目は15試合に登板して4勝7敗。その後はケガもあって低迷していたが、2021年には8勝1敗1セーブ26ホールドをマーク。通算106試合で16勝12敗1セーブ27ホールドの成績を残している。

DeNAは柳裕也、佐々木千隼と連続して抽選で外し、外れ外れ1位で地元・神奈川大の左腕・濱口遥大を指名した。1年目から開幕一軍入りして先発ローテーションの一角を担い、球団では川村丈夫以来20年ぶりの2桁となる10勝をマーク。通算では124試合登板、42勝42敗2ホールドとなっている。

巨人は外れ外れ1位で吉川尚輝

5球団競合の田中正義を引き当てたのはソフトバンクだった。しかし、プロ入り後はケガに苦しみ、2022年オフにFA移籍した近藤健介の人的補償として日本ハムに移籍。2023年はプロ初勝利を含む2勝3敗25セーブ8ホールドをマークした。

巨人は田中正義、佐々木千隼を外し、外れ外れ1位で中京学院大・吉川尚輝を指名した。2年目の2018年に92試合に出場して打率.253、11盗塁、2022年には132試合に出場して打率.277、7本塁打、16盗塁をマーク。通算では592試合に出場して打率.270、31本塁打、156打点、51盗塁の成績を残している。

日本ハムは田中正義と佐々木千隼を外して広島新庄高の左腕・堀瑞輝を指名した。2018年にプロ初勝利を挙げると、翌2019年には53試合に登板、2021年には60試合に登板して3勝2敗39ホールドで最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。2023年は左肩痛で5試合登板にとどまり、復活を期している。

広島は田中正義と佐々木千隼を外して慶応義塾大で24勝をマークした右腕・矢崎拓也(旧姓加藤)を指名した。1年目の4月7日の初登板であわやノーヒットノーランの好投を見せて初勝利を挙げ、2023年には4勝2敗24セーブ10ホールドとクローザーとしても活躍。通算123試合、7勝5敗25セーブ27ホールドをマークしている。

2巡目以下では日本大・京田陽太が中日2位、東邦高・藤嶋健人が中日5位、花咲徳栄高・高橋昂也が広島2位、中部学院大・床田寛樹が広島3位、日大三高・坂倉将吾が広島4位、トヨタ自動車・源田壮亮が西武3位、都城高・山本由伸がオリックス4位、敦賀気比高・山﨑颯一郎がオリックス6位、八戸工大一高・種市篤暉がロッテ6位、明治大・佐野恵太がDeNA9位で入団している。

※成績は2023年終了時点

【関連記事】
プロ野球現役ドラフトの答え合わせ 2023年に覚醒した選手と補強できた球団は?
根尾昂に4球団競合した2018年ドラフトの答え合わせ、外れ1位の成績は?
佐々木朗希に4球団競合した2019年ドラフトの答え合わせ、外れ1位の成績は?