松井は日本ハム、DeNA、ソフトバンク、中日、楽天の5球団競合
夏の甲子園で2年生エース髙橋光成(現西武)を擁する前橋育英が優勝した2013年。ドラフトの目玉は夏の甲子園の今治西戦で22奪三振の新記録をマークした桐光学園の左腕・松井裕樹だった。
当時は1巡目で重複した場合は抽選、2巡目以降はウェーバーというルール。松井には日本ハム、DeNA、ソフトバンク、中日、楽天の5球団が競合したほか、九州共立大の右腕・大瀬良大地はヤクルト、広島、阪神の3球団、東京ガスの右腕・石川歩はロッテと巨人の2球団が競合した。
各球団1位指名選手のプロ入り後の成績を振り返る(成績は2023年終了時点)。
日本ハムは外れ外れ外れ1位で渡邉諒、ヤクルトは外れ1位で杉浦稔大
日本ハムは松井を外した後もことごとく抽選で外した。日本生命の右腕・柿田裕太、横浜商科大の左腕・岩貞祐太を外し、外れ外れ外れ1位で東海大甲府高の渡邉諒を指名。プロ入り後は強打の内野手として力をつけ、2019年には132試合に出場して11本塁打。2022年オフに江越大賀、齋藤友貴哉とのトレードで髙濱祐仁とともに阪神に移籍した。通算506試合出場で386安打、30本塁打をマークしている。
ヤクルトは大瀬良を外して、外れ1位でソフトバンクと競合した国学院大の右腕・杉浦稔大を指名。2017年に日本ハムに移籍し、2021年はクローザーとして28セーブをマークした。通算163試合登板で25勝27敗29セーブ。
オリックスはJR東日本の右腕・吉田一将を指名。主に中継ぎとして活躍し、通算226試合登板で18勝20敗2セーブ55ホールドをマークしたが、2021年に戦力外となった。
DeNAは松井を外して、日本ハム、阪神と外れ1位で3球団競合した日本生命・柿田裕太を引き当てた。キレのいいストレートと多彩な変化球に期待は高かったが、一軍登板を果たせないまま2017年に戦力外となった。
ロッテは石川歩、広島は大瀬良大地を引き当てる
ソフトバンクは松井、杉浦を外し、外れ外れ1位でJR九州の右腕・加治屋蓮を指名。2018年に72試合に登板して4勝31ホールドを挙げたが、2020年オフに戦力外となり阪神入り。2023年は51試合に登板して1勝5敗1セーブ16ホールドをマークし、優勝に貢献した。通算では209試合で9勝13敗1セーブ61ホールドの成績を残している。
中日は松井を外して聖隷クリストファー高の右腕・鈴木翔太を指名。2017年に5勝を挙げたが、2020年に戦力外となり、育成契約で阪神に移籍したものの2021年にユニフォームを脱いだ。
ロッテは巨人と2球団競合した東京ガス・石川歩を引き当てた。1年目に10勝8敗、防御率3.43をマークして新人王。2016年には14勝5敗、防御率2.16で最優秀防御率に輝くなど、通算192試合登板で76勝65敗5ホールドの成績を残しているが、2023年は登板がなく戦力外となり、育成契約打診が報じられている。
広島は3球団競合の九州共立大・大瀬良大地を引き当てた。1年目に10勝(8敗)を挙げて新人王。2018年には15勝7敗、防御率2.62の好成績で優勝に貢献し、最多勝と最高勝率に輝いた。通算251試合登板で81勝64敗2セーブ24ホールドの成績を残している。
西武は森友哉を単独指名、巨人は外れ1位で小林誠司
西武は大阪桐蔭高の捕手・森友哉を単独指名。高校通算41本塁打の強打で、高卒1年目から41試合に出場して6本塁打を放つと、2019年には打率.329で首位打者のタイトルを獲得した。2022年オフにFA宣言してオリックスに移籍。通算1036試合出場で打率.289、1022安打、120本塁打をマークしている。
阪神は大瀬良、柿田を外し、外れ外れ1位で日本ハムと競合した横浜商科大・岩貞祐太を指名。2016年には先発で10勝(9敗)を挙げ、2020年から中継ぎに転向した。通算272試合登板で40勝42敗55ホールドを挙げている。
5球団競合の松井裕樹を引き当てたのは楽天だった。2年目からクローザーとして3年連続30セーブ以上を挙げ、2020年に先発転向を試みたが、シーズン途中からクローザーに復帰。2023年は39セーブで2年連続3度目の最多セーブに輝き、オフにメジャー移籍を前提にFA宣言している。通算501試合登板で25勝46敗236セーブ76ホールド。
巨人は石川を外して日本生命の捕手・小林誠司を指名。広陵高時代に野村祐輔(現広島)とのバッテリーで夏の甲子園準優勝に輝いた強肩で、2016年から3年連続100試合以上に出場した。通算766試合出場で打率.208、359安打、15本塁打の成績を残している。
2巡目以下では法政大・西浦直亨がヤクルト2位、三菱自動車倉敷オーシャンズ・森唯斗がソフトバンク2位、仙台育英高・上林誠知がソフトバンク4位、亜細亜大・九里亜蓮が広島2位、JR東日本・田中広輔が広島3位、富士大・山川穂高が西武2位、広島新庄高・田口麗斗が巨人3位、福岡大・梅野隆太郎が阪神4位、国士舘大・岩崎優が阪神6位で入団している。
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