近鉄、中日、日本ハム、横浜、巨人、オリックス、ヤクルトが福留指名
PL学園の福留孝介が甲子園で活躍した1995年。秋のドラフトでは、巨人か中日を希望していたスラッガーに何球団が競合するか注目が集まっていた。
当時は大学生と社会人を対象にした逆指名制度があり、1球団2人まで獲得可能なルール。逆指名できない高校生を欲しい球団は抽選を覚悟で指名する必要があったが、それでも蓋を開けると近鉄、中日、日本ハム、横浜、巨人、オリックス、ヤクルトの7球団が福留を指名した。
外れ1位も含め、各球団1位指名選手のプロ入り後の成績を振り返る。
福留は近鉄入団拒否、中日は外れ外れ1位で荒木雅博
福留を引き当てたのは近鉄・佐々木恭介監督だった。その瞬間「よっしゃぁ!」と歓喜の雄叫びを上げたが、福留は入団拒否。初志貫徹して日本生命に入社し、1996年のアトランタ五輪出場を経て3年後の1998年ドラフトで中日に逆指名入団した。
阪神はNKKの右腕・舩木聖士を逆指名で獲得。1年目に6勝を挙げたが、その後はケガに泣き、ロッテ移籍後の2004年にユニフォームを脱いだ。通算101試合登板で9勝24敗の成績を残している。
ダイエーは南京都高(現京都廣学館高)の右腕・斉藤和巳を指名。2003年に20勝3敗、2006年に18勝5敗で最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得するなど、2013年に引退するまで通算79勝23敗の成績を残した。
中日は福留を外すと、巨人と競合した東海大相模高・原俊介も外し、熊本工・荒木雅博を外れ外れ1位で指名した。井端弘和と鉄壁の二遊間コンビを組むなど攻守に活躍し、2018年に引退。通算2220試合出場で2045安打、378盗塁をマークしている。
日本ハムは中村豊、巨人は原俊介を外れ1位
日本ハムは福留を外し、明治大・中村豊を指名。阪神移籍後の2007年に引退するまで176安打、8本塁打の成績を残した。現在は阪神の二軍外野守備走塁コーチを務めている。
横浜は同志社大で関西学生リーグ通算18勝を挙げていた右腕・細見和史を逆指名で獲得。しかし、ケガもあって西武、阪神と移籍した末、2004年に戦力外となった。通算56試合登板で5勝9敗だった。
西武は慶応義塾大・高木大成を逆指名で獲得。2005年に引退するまで通算720試合出場で599安打、56本塁打の成績を残した。
巨人は福留を外し、東海大相模高・原俊介を指名。強肩強打の捕手として期待されたが、レギュラー獲得には至らず2006年オフに戦力外となった。通算68試合出場で19安打、3本塁打の成績だった。