高校生の目玉不在で抽選なし
シドニー五輪が開催された2000年。秋のドラフトでは立命館大の右腕・山田秋親や中央大の捕手・阿部慎之助らに注目が集まっていた。
当時は大学生と社会人を対象にした逆指名制度があり、1球団2人まで獲得可能。2巡目までは指名が重複した場合は抽選だった。従って上位指名確実な高校生を欲しい球団は逆指名での獲得を1人以下にし、競合覚悟で指名する必要があった。
ただ、この年は高校生の目玉が不在。結果的には12球団とも1人は逆指名で獲得し、重複による抽選もなかった。
各球団1巡目指名選手のプロ入り後の成績を振り返ってみたい。
阪神は藤田太陽を逆指名で獲得、ロッテは田中良平を指名
近鉄は星稜高時代に夏の甲子園で準優勝し、慶応義塾大で東京六大学リーグ通算21勝を挙げた山本省吾を逆指名で獲得。プロ入り後は球団合併したオリックス、横浜、ソフトバンクと移籍し、2013年オフにユニフォームを脱ぐまで通算287試合登板で40勝42敗2セーブ11ホールドの成績を残した。
阪神は川崎製鉄千葉の藤田太陽を逆指名で獲得。重い球質に期待は高かったが、西武、ヤクルトと移籍して通算13勝14敗4セーブ24ホールドにとどまり、2013年オフに戦力外となった。
ロッテは加賀高(石川)の右腕・田中良平を指名。敦賀気比・内海哲也(後に巨人入団)、七尾工・森大輔(後に横浜入団)とともに「北陸三羽ガラス」と呼ばれたが、プロでは1勝も挙げることができず2008年オフに戦力外となった。
広島は戸畑高(福岡)の右腕・横松寿一を指名。一軍では1試合に登板したのみで未勝利のまま2004年オフに戦力外となった。
オリックスは内海哲也を強行指名も入団拒否
オリックスは巨人を熱望していた敦賀気比高の左腕・内海哲也を強行指名。仰木彬監督が説得したものの翻意させることはできず、内海は東京ガスに入社した。3年後、自由獲得枠で巨人入りしている。
ヤクルトは立命館大の右腕・平本学を逆指名で獲得。一軍で12試合に登板したが白星を挙げることはできず、2006年オフに戦力外となった。
日本ハムは富士重工の右腕・井場友和を逆指名で獲得。1年目から40試合、2年目に45試合に登板するなど中継ぎ、抑えとして活躍したが、2006年オフに戦力外となった。通算149試合登板で8勝7敗15セーブ2ホールドの成績を残している。
横浜は大分工で高校通算43本塁打を放っていた内川聖一を指名した。ソフトバンク時代も含めて首位打者に2度輝くなど通算2171安打、196本塁打、957打点をマーク。今季からヤクルトでプレーしている。