県岐阜商・高橋純平に3球団、仙台育英・平沢大河は2球団競合
夏の甲子園で東海大相模が東北勢初優勝を狙った仙台育英を10-6で下し、春夏計4度目の全国制覇を果たした2015年。
秋のドラフトでは、その東海大相模の左腕エース小笠原慎之介や準優勝した仙台育英の平沢大河、ベスト4進出した関東一高のオコエ瑠偉、センバツ8強入りした県岐阜商の右腕・高橋純平らの高校生と、駒澤大・今永昇太、立命館大・桜井俊貴、大阪商業大・岡田明丈、明治大・髙山俊、青山学院大・吉田正尚らの大学生が注目を集めていた。
その中で高橋は中日、日本ハム、ソフトバンクの3球団、平沢は楽天、ロッテの2球団、高山は阪神、ヤクルトの2球団競合。1巡目が重複した場合は抽選、2巡目以降はウェーバー方式で行われた。

外れ1位も含め、1巡目指名選手のプロ入り後の成績を振り返る(2021年6月16日現在)。
楽天はオコエ瑠偉、DeNAは今永昇太、オリックスは吉田正尚
楽天は地元・仙台のスター候補・平沢大河を指名したが、抽選で外し、俊足強打のオコエ瑠偉を指名。夏の甲子園ベスト4の原動力となった高い身体能力に期待は高かったが、プロ入り後は伸び悩み、通算188試合出場で打率.219、16盗塁にとどまっている。今年2月に左手首の手術を受け、今季は1試合も出場していない。
DeNAは駒澤大の左腕・今永昇太を指名した。2017年と2019年に2桁勝利を挙げるなど、通算42勝38敗。昨年10月に左肩の手術を受けたが、今年5月に一軍復帰してすでに4試合に登板(1勝1敗)している。
オリックスは青学大・吉田正尚を指名。ソフトバンク・柳田悠岐を彷彿とさせるフルスイングで2019年には29本塁打を放ち、昨季は打率.350で初タイトルとなる首位打者に輝いた。今季もリーグトップの打率.340をマークしており、リーグを代表する打者の1人として活躍している。
中日は県岐阜商・高橋純平を外し、外れ1位で日本ハムと競合した小笠原慎之介を引き当てた。東海大相模の優勝投手は1年目から15試合に登板して2勝6敗。今季はすでに4勝(2敗)を挙げており、通算20勝26敗をマークしている。
西武は多和田真三郎、広島は岡田明丈を指名
西武は富士大の右腕・多和田真三郎を指名。2018年に16勝5敗で最多勝に輝くなど通算29勝(21敗)を挙げている。しかし、自律神経失調症を患い、現在は育成契約となっている。
広島は大商大の岡田明丈を指名した。関西六大学通算15勝を挙げた右腕は、2年目の2017年に12勝(5敗)をマーク。通算24勝17敗2ホールドの成績を残しているが、昨季から一軍登板を果たせていない。
ロッテは楽天と競合した平沢大河を引き当てた。強肩強打に俊足と三拍子そろったセンスあふれる内野手として期待されたものの、2018年の112試合出場が最多で、レギュラー奪取には至っていない。通算236試合出場で打率.197。今後の成長が期待される。
阪神はヤクルトと競合した明治大・髙山俊を引き当てた。日大三高時代に夏の甲子園で優勝し、大学時代は東京六大学通算131安打の新記録を樹立するなど輝かしいアマチュア実績を引っ提げてプロ入り。1年目に134試合出場で136安打、打率.275をマークして新人王に輝いた。通算429試合で320安打、打率.253の成績を残しているが、2年目以降は出番が減り、今季は二軍暮らしが続いている。