アトランタ五輪代表の井口資仁や今岡誠らがプロ入り
夏の甲子園で松山商が優勝し、「奇跡のバックホーム」と語り継がれる名シーンが生まれた1996年。秋のドラフトはアトランタ五輪で銀メダルを獲得した青山学院大・井口資仁や東洋大・今岡誠に注目が集まっていた。
当時は大学生と社会人対象の逆指名制度があり、2巡目までは指名が重複した場合は抽選というルール。高校生に大物がいなかったこともあって結果的に競合することはなく、無抽選となった。
各球団1巡目指名選手のプロ入り後の成績を振り返る。
夏の甲子園で松山商が優勝し、「奇跡のバックホーム」と語り継がれる名シーンが生まれた1996年。秋のドラフトはアトランタ五輪で銀メダルを獲得した青山学院大・井口資仁や東洋大・今岡誠に注目が集まっていた。
当時は大学生と社会人対象の逆指名制度があり、2巡目までは指名が重複した場合は抽選というルール。高校生に大物がいなかったこともあって結果的に競合することはなく、無抽選となった。
各球団1巡目指名選手のプロ入り後の成績を振り返る。
阪神は東洋大・今岡誠を逆指名で獲得した。2003年に打率.340で首位打者、2005年には147打点でタイトル獲得して、いずれも優勝に貢献。ロッテ移籍後の2012年に引退するまで通算1284安打、122本塁打をマークした。現在はロッテの一軍ヘッドコーチを務めている。
ダイエーは青山学院大・井口資仁を逆指名で獲得。東都通算24本塁打を放った井口は、2001年に30本塁打、44盗塁をマークするなど「ダイハード打線」と呼ばれた強力打線の中軸を担った。ホワイトソックスではワールドシリーズ優勝に貢献するなどメジャーでも活躍し、ロッテ移籍後の2017年に引退。日米通算2254安打、295本塁打、224盗塁をマークした。現在はロッテの監督を務めている。
横浜はアトランタ五輪代表だった日本石油の右腕・川村丈夫を逆指名で獲得。横浜ひと筋で2008年に引退するまで71勝64敗4セーブ60ホールドの成績を残した。
ロッテは青山学院大で井口のチームメートだった捕手・清水将海を逆指名で獲得した。中日、ソフトバンクと移籍し、2011年に引退。通算683試合出場で314安打、9本塁打の成績を残している。
ヤクルトは山梨学院大付高の左腕・伊藤彰を指名。ケガの影響もあって一軍登板を果たせないまま、わずか4年で戦力外となった。
近鉄はPL学園高の左腕・前川克彦を指名。2001年に12勝を挙げて優勝に貢献し、阪神、オリックスと移籍して通算31勝45敗1ホールドの成績を残した。
広島は青山学院大の右腕・澤崎俊和を逆指名で獲得。井口、清水とともに青学から3人が1位指名された。1年目から12勝を挙げて新人王に輝くなど通算24勝17敗15セーブをマーク。現在は広島の三軍投手コーチ強化担当を務めている。
西武は神戸弘陵高・玉野宏昌を指名。中日移籍後の2005年に戦力外となるまで通算123試合出場で54安打、4本塁打だった。
中日は明野高の右腕・小山伸一郎を指名。2004年オフに楽天に移籍すると中継ぎ、抑えとして活躍し、2015年に引退するまで28勝36敗36セーブ84ホールドの成績を残した。
日本ハムは帝京第五高の右腕・矢野諭を指名。全国制覇した松山商に夏の愛媛大会決勝で敗れた矢野は、高卒1年目にいきなり初登板・初先発・初勝利を挙げる衝撃デビューを飾ったが、その後伸び悩み、2006年に戦力外となった。通算39試合登板で2勝3敗2ホールドだった。
巨人は本田技研の右腕・入来祐作を逆指名で獲得。2001年に13勝をマークするなど活躍し、日本ハム移籍後は米球界にも挑戦した。メジャーには昇格できず、横浜移籍後の2008年に戦力外となった。通算35勝35敗3セーブ。現在はオリックスの投手コーチを務めている。
オリックスは筑波大の右腕・杉本友を逆指名で獲得。国立大学出身初のドラフト1位選手となった杉本は、横浜、ヤクルトと移籍し、2005年に引退した。通算12勝23敗1セーブの成績を残している。
アトランタ五輪代表がプロ入りした1996年ドラフトは2巡目以下も豪華メンバーだった。新日鉄君津・松中信彦がダイエー2位、宇和島東高・岩村明憲がヤクルト2位、日本通運・大塚晶文が近鉄2位、三菱重工広島・礒部公一が近鉄3位、専修大・黒田博樹が広島2位、新日鉄君津・森慎二が西武2位、神戸製鋼・和田一浩が西武4位、東海大相模高・森野将彦が中日2位、日本石油・小野仁が巨人2位、早稲田大・三澤興一が巨人3位、三菱自動車岡崎・谷佳知がオリックス2位、NTT関東・小笠原道大が日本ハム3位、春日部共栄高・小林宏之がロッテ4位、JR東日本東北・小坂誠がロッテ5位で入団している。
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