早稲田実・斎藤佑樹は大学進学を表明
楽天に復帰した田中将大がキャンプに合流し、一挙手一投足が注目されている。マスコミやファンの視線を集めたというだけでも楽天はもちろん、日本球界全体への貢献度は高いと言える。
田中がプロ入りしたのは2006年の高校生ドラフト。駒大苫小牧のエースとして甲子園決勝で投げ合った早稲田実・斎藤佑樹が早稲田大進学を表明したため、田中には4球団が競合し、楽天が当たりくじを引いた。
では、当時の他球団1巡目指名やプロ入り後の成績はどうだったのか。振り返ってみよう。
当時は「高校生ドラフト」と「大学生・社会人ドラフト」の分離開催。希望入団枠を使用した球団は高校生2巡目指名をできないなど現在とは違うルールだったが、1巡目指名は現在と同じで重複した場合は抽選だった。
広島はPL学園の前田健太を一本釣り
横浜は田中を抽選で外して小松工(石川)の北篤を指名した。甲子園とは無縁ながら投げては最速145キロ、打っては高校通算32本塁打のセンスを評価されて入団したものの、投手としては芽が出ず野手転向。2010年に一軍初出場したが、2012年オフに日本ハムにトレードされ、巨人移籍後の2017年限りで現役引退した。通算56試合出場で93打数23安打、打率.247の成績を残している。
田中将大を引き当てた楽天とともに大成功だったのが広島だ。PL学園の右腕・前田健太(現ツインズ)を一本釣り。その後の活躍はご存知の通り、同期では田中に次ぐ日米通算150勝を挙げている。
オリックスは田中を抽選で外し、瀬戸内高(広島)の左腕・延江大輔を指名。184センチの長身だったことから「瀬戸内のランディ・ジョンソン」と呼ばれたが、一軍出場できないままユニフォームを脱いだ。
巨人は堂上直倫の外れ1位で坂本勇人獲得
田中と並んで注目を集めていたのは愛工大名電のスラッガー・堂上直倫だ。父も兄もプロ野球選手というサラブレッドで、2年春のセンバツで優勝。高校通算55本塁打をマークしていた。
その堂上を抽選で外した巨人は、外れ1位で光星学院(現八戸学院光星)の坂本勇人を指名。昨季、歴代2番目の若さで通算2000安打を達成するなど、球界を代表する打者に成長した。
石垣島にある八重山商工のエースとして春夏連続で甲子園出場した大嶺祐太も注目の好投手だった。ソフトバンクと2球団競合の末にロッテが引き当て、ここまで通算28勝を挙げている。
さらにもう一人の注目右腕が鷲宮高(埼玉)の増渕竜義。甲子園出場はならなかったが、150キロの速球が魅力で、ヤクルトと西武の2球団が競合した。ヤクルトが当たりくじを引いたが、プロ入り後は通算15勝にとどまり、日本ハム移籍後の2015年限りで引退した。
大嶺を外したソフトバンクは多摩大聖ヶ丘高(東京)の福田秀平を指名した。2019年オフにFA宣言してロッテ入りしたのは記憶に新しい。ここまで758試合に出場して299安打、打率.232の成績を残している。