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野田浩司、平野恵一、桑原謙太朗……移籍後の活躍例が多い阪神とオリックスのトレード史

2021 8/14 06:00勝田聡
阪神の桑原謙太朗,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

トレード多い2球団、今季は小林慶祐が阪神で戦力に

今季はセ・リーグでは阪神、パ・リーグではオリックスが首位で前半戦を折り返した。この2チームは関西圏に本拠地を置いているということも影響しているのか、これまでにトレードが頻繁に行われている。

昨季もシーズン途中に飯田優也(阪神→オリックス)と小林慶祐(オリックス→阪神)のトレードが成立した。阪神に移籍した小林は2年目の今季開幕一軍入りを果たすと、18試合に登板し防御率2.81と中継ぎ陣を支える存在となっている。セ・パ交流戦中に右足を負傷し離脱したものの、エキシビションマッチで復帰済み。後半戦では再び一軍で優勝争いに必要な戦力となりそうだ。

一方の飯田は今季一軍での登板はない。しかし二軍では21試合に登板し、防御率2.95と結果を出している。また奪三振率10.97と三振を奪う能力にも長けており、一軍に呼ばれる可能性は十分にありそうだ。

さて、この2球団の間ではその他にどのような交換トレードが成立していたのだろうか。球団がオリックスとなった1989年以降で振り返ってみたい。

阪神とオリックスの交換トレード,ⒸSPAIA

平野恵一と濱中治を軸とした2対2の大型トレード

阪神とオリックス間での大型トレードと言えば、2007年オフに成立した濱中治・吉野誠(阪神→オリックス)と、平野恵一・阿部健太(オリックス→阪神)の2対2のトレードがあった。

濱中は2007年こそ62試合の出場で打率.193(145打数28安打)、6本塁打と不振だったものの、2006年は打率.302(486打数147安打)、20本塁打とレギュラーとして活躍していた。吉野も2007年は7試合の登板にとどまっていたが、8年間で190試合に登板していた中継ぎ左腕だ。阪神は低迷していた主力2人をトレード要員に選択したのである。

しかし、濱中はオリックスで復活することができず、わずか3年で自由契約となっている。一方の吉野はオリックスに所属した6年で3度、40試合以上に登板。中継ぎ左腕として戦力になった。

一方、阪神に加入した平野も2006年、2007年と故障があり不本意な成績に終わっていた。だが阪神に加入後は5年連続で規定打席に到達。2010年には打率.350(492打数172安打)のハイアベレージを記録し、ベストナインを受賞しチームを支えた。その後、2012年オフに国内FA権を行使し、古巣オリックスへと復帰している。

阿部は2007年に一軍登板がなかったものの、移籍1年目となる2008年から32試合に登板。翌年も19試合に登板したが、以降は一軍での登板がなく2011年シーズン終えたところで戦力外通告を受けている。

直近の成績が奮わなかった選手を軸としたトレードだったが、濱中を除く3人が一軍の戦力となった。なかでも平野の活躍がずば抜けている。

1993年には野田浩司と松永浩美のトレード

この両球団は1993年にも大物同士のトレードを成立させている。阪神は先発ローテーション投手の野田浩司を交換要員とし、打率3割を7度記録していた松永浩美を獲得したのだ。

松永は前年も打率.298(473打数141安打)を記録しており、34二塁打はリーグ最多だった。阪神でも主軸と期待されるも移籍1年目は故障もあり、80試合の出場にとどまる。そしてシーズンオフに導入されたばかりのFA権を行使。わずか1年の在籍でダイエーへと移籍した。

一方の野田は移籍1年目から17勝を挙げ最多勝を獲得すると、そこから3年連続で2桁勝利をマークした。結果的にではあるが、阪神は松永の1年と引き換えにタイトルホルダーとなる投手を放出する形になってしまった。

中継ぎ投手の活躍目立つ

その他では2015年の白仁田寛和(阪神→オリックス)と桑原謙太朗(オリックス→阪神)のトレードがある。白仁田は2007年大学生・社会人ドラフト1巡目指名と期待されていた右腕。阪神ではわずか6試合の登板にとどまっていたが、移籍1年目に中継ぎとしてキャリアハイの43試合に登板し開花した。しかし翌年は故障の影響で7試合の登板にとどまり、そのまま戦力外となった。

一方の桑原も2007年大学生・社会人ドラフト3巡目で横浜に入団。1年目の8月に初完封勝利を飾るなど、先発と中継ぎ合わせて30試合に登板し、将来を嘱望されていた。だが、中々一軍に定着できず、2010年オフに交換トレードでオリックスへ移籍。しかし、オリックスでも4年間で22試合の登板のみと、不本意なシーズンを送っていたところ、2度目のトレードで阪神への移籍が決まった。

これが転機となる。移籍3年目となる2017年に開幕一軍入りを果たすと、4月5日ヤクルト戦で見事な火消しを見せ、2558日ぶりの白星を手に入れた。首脳陣の信頼を勝ち取ると、セットアッパーの座を射止め自身最多の67試合に登板。39ホールド、防御率1.51の好成績で最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。

翌2018年もセットアッパーとして62試合に登板して32ホールドを挙げるなど、阪神ブルペン陣の柱として獅子奮迅の活躍を見せた。しかし以降は故障もあり、精彩を欠くシーズンが続いている。

また、1993年オフには渡辺伸彦(阪神→オリックス)と古溝克之(オリックス→阪神)のトレードもあった。中継ぎ同士のトレードだったが、古溝は移籍1年目からリーグ最多の61試合に登板し、18セーブをマークするなど4年連続35試合以上に登板している。渡辺も4年間で121試合に登板。両チームともに戦力アップしたトレードとなった。

このように阪神とオリックスのトレードでは、移籍後に一軍の戦力となった選手が数多くいた。移籍前の実績が少なくても、あるいは不振だったとしても、である。これからも両球団の交換トレードには注目したい。

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