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田口麗斗と廣岡大志が4例目 巨人とヤクルトの交換トレード史

2021 7/17 06:00勝田聡
交換トレードで移籍した現ヤクルトの田口麗斗と巨人の廣岡大志,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

田口麗斗と廣岡大志のトレードが開幕1ヶ月前に成立

今年は2月1日のキャンプイン後に、金銭トレードも含めて7件のトレードが成立している。なかでも衝撃が大きかったのが、3月1日に行われた田口麗斗(巨人→ヤクルト)と廣岡大志(ヤクルト→巨人)の交換トレードだろう。

春季キャンプも終了し開幕まで1ヶ月を切ったこの時期に、主力クラスのトレードは珍しく様々な反響を呼んだ。このトレードを含め、過去の巨人とヤクルトにおける交換トレードを振り返ってみたい。

交換トレードは倉田誠と浅野啓司以来44年ぶり

巨人とヤクルトの交換トレード,ⒸSPAIA


田口と廣岡の前に両チーム間でトレードが行われたのは28年前のこと。1993年に長嶋一茂がヤクルトから巨人へ金銭トレードによって移籍した。交換トレードでは1977年の倉田誠(巨人→ヤクルト)と浅野啓司(ヤクルト→巨人)の投手同士によるトレードまで遡ることになる。

倉田は巨人では275試合に登板し47勝34敗、9セーブの成績を残していた右腕で、1973年には18勝9敗、勝率.667で最高勝率のタイトルを獲得していたタイトルホルダーでもあった。

移籍初年度の1977年こそ15試合の登板にとどまるも、1978年は43試合の登板で5勝2敗、4セーブの成績を残し、チームの初優勝に大きく貢献している。1980年に現役を引退するが、ヤクルトでは99試合に登板し8勝3敗、4セーブとまずまずの成績を残した。

一方の浅野は、ヤクルト時代に10年間で2度の2ケタ勝利を記録するなど70勝を挙げており、倉田同様に実績ある投手だった。巨人へ移籍した後も主に中継ぎとして8年間に渡って170試合に登板し、16勝17敗という結果を残している。

両選手とも移籍後は主に中継ぎ投手としてチームを支え、戦力となった。

国鉄時代には2件の交換トレードが成立

国鉄時代の1960年代には2件の交換トレードが成立していた。

1961年に土屋正孝(巨人→ヤクルト)と土居章助(ヤクルト→巨人)の内野手同士のトレードが行われた。移籍前、5年連続で100試合以上に出場していた土屋は、移籍初年度の1961年にはキャリアハイとなる打率.269(491打数132安打)を記録。その後も1963年まで3年連続で110試合以上に出場し、立派な戦力となった。

一方の土居はヤクルトで2年連続100試合以上に出場していたものの、移籍初年度の1961年はわずか33試合の出場で打率.070(43打数3安打)。結果を残せず、1年限りで大毎へ移籍している。土屋とは対照的に、移籍先の巨人では戦力となることができなかった。

1963年は高林恒夫と宮本敏雄の両外野手が巨人からヤクルトに移籍し、右腕の北川芳男がヤクルトから巨人へ移籍している。宮本は2度打点王を獲得した強打者。一方の北川も1959年に18勝を挙げており、実績者が複数絡む大型トレードとなった。

移籍初年度からレギュラーとして活躍した高林と宮本だったが、高林は1965年、宮本は1964年に現役を引退しており、移籍後の実働年数自体は短かった。北川は移籍初年度の1964年は35試合に登板し、11勝を挙げるなど結果を残した。1966年限りで現役を引退しているが、最後の1年は一軍出場がなかった。

このトレードでは、短い期間ながらも移籍先で全員が結果を残したといえるだろう。

田口と廣岡は今後次第か

ここで、田口と廣岡の前半戦を振り返ってみる。田口は開幕ローテーションに入り15試合に登板し、4勝6敗、防御率3.95とまずまずの成績。2つの負け越しはあるものの、ここまでチームで唯一先発ローテーションを守っている貴重な存在といえる。昨年の最下位から上位争いに加わることができるようになった大きな要因だ。

廣岡は打率.194(67打数13安打)、2本塁打と打撃面では苦戦している。だが、内野全ポジションに加えて左翼の守備にもつくユーティリティープレーヤーとして、47試合に出場。正遊撃手の坂本勇人が離脱している間は、遊撃でのスタメン起用もあった。

まだトレード成立から4ケ月しか経っておらず成果を語るには早すぎるが、現段階では両チームにとって悪くない結果といえそうだ。これまで両チーム間で行われた交換トレードでは、ほぼ全員が移籍先で結果を残していたことからも、田口と廣岡には期待がかかる。

※数字は2021年7月14日終了時点

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