日本一を争うライバル同士のトレードは減少傾向
セントラル・リーグ2連覇中の読売ジャイアンツと、その巨人を破って日本シリーズ4連覇中の福岡ソフトバンクホークス。ともに積極的な補強と、叩き上げの生え抜き選手を上手に組み合わせて厚い選手層を誇るチームだ。トレードにも積極的な両球団だが、意外と言うべきか、当然と言うべきか、両球団間のトレードは多くない。
しかし、多くない中にも球界やファンを騒がせた印象的なトレードもある。今回は巨人とソフトバンクにおける主なトレードを振り返ってみよう。
セントラル・リーグ2連覇中の読売ジャイアンツと、その巨人を破って日本シリーズ4連覇中の福岡ソフトバンクホークス。ともに積極的な補強と、叩き上げの生え抜き選手を上手に組み合わせて厚い選手層を誇るチームだ。トレードにも積極的な両球団だが、意外と言うべきか、当然と言うべきか、両球団間のトレードは多くない。
しかし、多くない中にも球界やファンを騒がせた印象的なトレードもある。今回は巨人とソフトバンクにおける主なトレードを振り返ってみよう。
巨人とソフトバンクが行った直近のトレードは、2012年にまでさかのぼる。シーズン中の6月に、ロメロ・福元淳史(巨人→ソフトバンク)と久米勇紀・立岡宗一郎(ソフトバンク→巨人)の2対2のトレードを実施した。
当時プロ入り4年目で、ソフトバンクでは1試合出場にとどまっていた立岡だったが、巨人移籍後は出場機会を増やした。2015年には自己最多の91試合に出場し、打率.304(339打数103安打)、14打点、16盗塁とキャリアハイをマーク。その後もコンスタントに出場し続け、一軍の戦力としてチームに貢献している。
巨人では支配下登録を掴みながら一軍出場はならなかった福元は、ソフトバンクで一軍初出場。移籍2年目にはプロ初安打も放った。久米とロメロは移籍した年のオフに自由契約となっている。
2003年11月、プロ野球界に衝撃が走った。阪神との日本シリーズを制し、優勝パレードを終えたばかりのダイエー(当時)が、チームの大黒柱である小久保裕紀の無償トレードを発表したのだ。
会見ではその理由は一切明かされず、同席した中内正オーナーの涙がただ事ではないことを物語っていた。選手たちはその後、優勝旅行をボイコット。多くの主力選手たちが球団への不信感を露わにした。
この年の小久保は、オープン戦の本塁クロスプレーで右ひざを負傷。前十字靭帯断裂などの大ケガを負い、一、二軍とも試合に出場することはできなかった。後年、このときの治療費が球団から支払われなかったことなどから、元々抱えていたフロントへの不信感を強め、自ら自由契約を希望していたことを明かしている。
翌年から巨人でプレーした小久保は、在籍3年間で355試合に出場し、打率.287(1294打数371安打)、84本塁打、238打点をマーク。3年目の2006年には、移籍選手としては初の主将に就任。巨人でも絶大なキャプテンシーを発揮した。
同年オフにはFA宣言でソフトバンクに復帰。ケガに悩まされながらも2012年の引退まで主力としてプレーし続けた。
小久保と入れ替わるように、2006年オフには大ベテランの大道典嘉が、やはり無償トレードでソフトバンクから巨人へ移籍した。南海最後のドラフトとなった1987年に4位で入団し、19年間ダイエー・ソフトバンクでプレーした選手だけに、その衝撃は小さくなかった。
元々は、プレーオフ敗退後に戦力外通告を受けていた大道。しかし、病気療養中だった王貞治監督に現役へのこだわりを伝え、巨人への移籍が決まったのだ。巨人では主に代打で出場し、4年間で144試合、打率.268(138打数37安打)、3本塁打、20打点と勝負強さを発揮し、リーグ3連覇に貢献。2010年限りで現役を引退した。
このように、数は少ないながらも印象的なトレードの多い両球団。近年はその機会も少なくなってしまったが、そろそろ、世間を驚かせるようなトレードがある頃かもしれない。
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