糸井のトレードに絡んだ5人全員が移籍前に規定到達の実績あり
2013年1月23日。春季キャンプを目前に控えた時期に、糸井嘉男と八木智哉が日本ハムからオリックスへ、木佐貫洋と大引啓次そして赤田将吾の3人がオリックスから日本ハムへ移籍した。
2012年の糸井は4年連続となる打率3割を記録し、2年連続で最高出塁率のタイトルも獲得。また、4年連続ゴールデングラブ賞、2年連続ベストナインも受賞しており、押しも押されもせぬトッププレーヤーだった。そんな糸井のトレードには大きな衝撃が走った。
糸井とともにオリックスへ移籍した八木は2006年の新人王。以降は伸び悩んだ時期もあったが、2012年は6勝3敗、防御率3.38とまずまずの成績だった。先発ローテーションの一角として計算されていたはずだ。
オリックスから日本ハムへ移籍した木佐貫も巨人時代の2003年に新人王を獲得。2012年も24試合(先発21試合)に登板し5勝9敗と4つの負け越しながら、防御率2.60と優秀な数字を残していた。大引は2007年から故障離脱の期間もあったが、ほぼ正遊撃手としてプレー。赤田は2012年こそ26試合の出場だったが、当時32歳で通算848試合に出場した経験があった。
つい糸井の華やかさに目を奪われてしまうが、他の選手たちも豪華だったといえるこのトレード。通常、両球団が複数人を放出する場合、一軍実績のない選手が移籍することが多い。だがこのトレードの場合は、全員に一軍で規定打席もしくは規定投球回に到達した実績があった。
NPBにおいて大型トレードは少ない。2010年代以降、タイトルホルダークラスの選手が複数人絡んだものは、このトレードを最後に成立していない。その両球団(前身含む)は過去にも大型トレードを行っていた。そのトレードを振り返ってみたい。