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DeNAと日本ハムのトレード史 1998年Vの中継ぎエースやセーブ王、163キロ左腕など

2022 4/20 11:00林龍也
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野村収は移籍1年目に最多勝、間柴は15連勝で勝率10割

ビッグボス(新庄剛志監督)の就任で盛り上がりを見せる日本ハムと、就任2年目を迎えた三浦大輔監督のもと反撃を目指すDeNA。割と頻繁にトレードを行ってきた印象のある両球団だが、歴史的に見ても交流が盛んなようだ。

日拓から日本ハムになった1974年以降、約50年間で行われたトレードは16件で、36人が移籍した。今回はその中から代表的なものをピックアップしてみよう。

DeNAと日本ハムの主なトレード,ⒸSPAIA


日本ハムが親会社になって大洋との最初のトレードは、1976年の坂井勝二(大洋→日本ハム)と渡辺秀武(日本ハム→大洋)だった。

大毎、ロッテ、大洋で通算164勝を挙げていた坂井だったが、日本ハムでは21試合で2勝止まり。その年限りでユニフォームを脱いだ。日拓・日本ハムでの3年間で116試合、20勝をマークした渡辺は、移籍1年目に41試合に登板するも3勝止まり。翌年も1勝に終わり、ロッテへ移った。

1978年には野村収(日本ハム→大洋)と杉山知隆、間柴茂有(日本ハム→大洋)のトレードを実施。1968年ドラフト1位で大洋に入団し、ロッテ、日本ハムに渡っていた野村にとっては古巣復帰のトレードとなった。

野村は復帰1年目にキャリアハイの17勝を挙げ、最多勝を獲得。阪神に移籍するまでの5年間で47勝を挙げた。阪神移籍後には大洋を相手に白星を挙げ、プロ野球で初めて12球団から勝利を挙げた投手となる。

間柴は左の先発として活躍し、ダイエーに移籍するまでの11年間で3度の二桁勝利を含む66勝をマークした。1981年には15勝0敗の勝率10割で最高勝率のタイトルを受賞。杉山も4年間で25勝を挙げており、双方にとって良い結果をもたらすトレードとなった。

1998年Vの中継ぎエースや移籍1年目に最多セーブの剛腕

1992年には、島田直也(日本ハム→大洋)が石川賢(大洋→日本ハム)とのトレードで移籍。移籍1年目にプロ初勝利を挙げた島田は、1995年には10勝をマーク。1997年には最優秀中継ぎ投手に輝くと、1998年にも中継ぎエースとして54試合で防御率2.36の好成績を残し、横浜の優勝に大きく貢献した。一方、石川は2年間で1勝に止まった。

2003年オフには、横山道哉(横浜→日本ハム)と野中信吾(日本ハム→横浜)をトレード。移籍前は登板数を落としていた横山だったが、日本ハムでは抑えに君臨。58試合で28セーブをマークし、最多セーブに輝いた。翌年も48試合に登板したが、2006年は一軍登板なく終え、古巣に復帰した。

プロ入りわずか2年での移籍となった野中は、2007年には79試合で15盗塁をマークするなど、俊足を武器に活躍。2011年にオリックスへ移籍するまで7年間横浜でプレーした。

2010年代だけで6件13人が移籍

2010年代には6件ものトレードが行われた。1番の大型トレードとなったのが、加藤武治、松家卓弘、関口雄大(横浜→日本ハム)と、稲田直人、坂元弥太郎、松山傑(日本ハム→横浜)の3対3のトレードだ。

加藤は入団から5年間で250試合に登板した変則サイド右腕。移籍前の2年間は登板数を落とし、移籍1年目は21試合に登板したが、翌年限りで引退した。史上5人目の東京大出身プロ野球選手となった松家、育成出身として初めてトレードを経験した関口は、一軍での出場は少なかった。

ちなみに、加藤は東京学芸大、関口は滋賀大出身と、3人ともプロ野球では珍しい国立大出身であり、文武両道の3選手としても話題になった。

日本ハムでは3年連続65試合以上に出場していた稲田は、移籍2年目に61試合に出場するも、戦力外通告を受けて楽天へと移籍した。坂元は移籍1年目、29試合で防御率3.03と好投も、オフにトレードで西武へと移った。日本ハムでは一軍登板なしだった松山は、横浜で一軍デビューを果たす。しかし結果を残せず、翌年限りで自由契約となった。

2010年シーズン途中に行った石井裕也(横浜→日本ハム)と江尻慎太郎(日本ハム→横浜)のトレードは双方にとって中継ぎの補強となった。

中日から移籍し2年間で63試合に登板していた石井は、日本ハムでも中継ぎ左腕として9年間で216試合に登板。一方の江尻は移籍後の2年間で119試合に登板、3年目は2試合登板に止まり、ソフトバンクへと移籍した。

近年で最もDeNAにとって大きな戦力となっているのが、2017年に黒羽根利規とのトレードで獲得したエスコバーだろう。

来日1年目での移籍となったエスコバーは、日本ハムでは14試合で防御率5.64だったのに対し、DeNAに移籍後は27試合で防御率3.44と好投。その後も4年連続で53試合以上に登板し、2021年にはNPB左腕史上最速の163キロを計測するなど、DeNAのブルペンに欠かせない存在となった。

DeNAでは正捕手候補だった黒羽根だが、移籍後は3年間でわずか25試合出場に終わった。

現時点ではこのトレードが最後になっているが、そろそろ次のトレードがあってもおかしくない頃だ。「ビッグボスが仕掛けるトレード」とは、いったいどんなものになるのだろうか。

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