砂田は10代の育成出身投手で初勝利
今年のプロ野球ドラフト会議は10月11日に開催される。指名を待つアマチュア選手にとっては野球人生を左右する運命の1日だが、プロ入り後は結果が全ての実力社会。指名順位には関係なく、横一線からのスタートだ。
近年は育成から這い上がり、一軍でバリバリ活躍する選手も少なくない。そこで育成でプロ入りした選手がどんな成績を残しているのか調べてみた。2013年の育成ドラフトを振り返る。
オリックスは四国アイランドリーグ徳島の内野手・東弘明を指名したが、一軍に上がることなくわずか1年で戦力外となった。
DeNAは1巡目で明桜高の左腕・砂田毅樹を指名。甲子園には出場できなかったものの3年夏の秋田大会では25回で40三振を奪って注目を集めた。2015年に支配下登録され、7月には一軍初勝利。当時19歳で、10代の育成出身投手では史上初の公式戦勝利だった。
同年に3勝、翌2016年にも2勝を挙げると、2017年には62試合に登板して25ホールド、2018年も70試合に登板して24ホールドを挙げる活躍を見せた。今季も貴重な中継ぎ左腕として活躍している。
2巡目ではクラブチームのミキハウスREDSの右腕・萬谷康平を指名。1年目に支配下登録され、6月にプロ初勝利を挙げるなど、26試合に登板して1勝1敗4ホールドの成績を残した。しかし、2年目は4試合登板にとどまり、3年目の2016年オフに戦力外通告を受けた。
石川柊太は2020年に最多勝と最高勝率
ソフトバンクは4選手を指名した。1巡目は創価大の右腕・石川柊太。2016年に支配下登録され、2017年に開幕一軍入りすると5月に初勝利を挙げるなど8勝をマークした。さらに2018年には13勝、2020年には11勝3敗で最多勝と最高勝率に輝いた。鋭く曲がるパワーカーブで今季も先発ローテーションの一角を担っている。
2巡目では浜田商高の右腕・東方伸友を指名。1年目に右肘のトミー・ジョン手術を受けるなどケガに泣き、一軍登板することなく2017年に戦力外となった。
3巡目では京都国際高の曽根海成を指名した。2017年に支配下登録され、一軍で2試合に出場。2018年7月に美間優槻とのトレードで広島に移籍すると、8月にプロ初安打を放つなど11試合に出場した。今季も持ち前の俊足と強肩で内外野ともに守れるユーティリティープレーヤーとして活躍している。
4巡目では佛教大の捕手・張本優大を指名。2016年にはフレッシュオールスターに出場し、支配下登録されたが、一軍出場は果たせないまま2019年オフに戦力外となった。
巨人は3選手指名も一軍出場なし
中日は1巡目で敦賀気比高の右腕・岸本淳希を指名。2016年にメキシコで開催されたU-23ワールドカップの日本代表として優勝に貢献し、帰国後に支配下登録されたものの、一軍のマウンドに立つ機会は訪れず、2017年オフに戦力外となった。
2巡目では大阪商業大の内野手・橋爪大佑を指名したが、2年で戦力外となった。
ロッテは北条高(兵庫)で通算46本塁打の肘井竜蔵を指名。2015年に支配下登録されると、本拠地開幕戦で日本ハム・斎藤佑樹から初安打初打点をマークした。2017年には自己最多の16試合に出場したが、2018年オフに戦力外となった。
巨人は3選手を指名した。1巡目は日本大の外野手・青山誠。2017年に支配下登録されたが、一軍出場はできないまま2018年オフに戦力外となった。
2巡目は大阪経済大の長江翔太。金光大阪高時代に陽川尚将(現阪神)とともにセンバツ出場した右腕は、2014年9月に野手転向したものの一軍出場は果たせず2016年オフに戦力外通告を受けた。3巡目の秀岳館高・北之園隆生も3年で戦力外となった。
同年の通常ドラフトでは桐光学園高・松井裕樹に5球団、九州共立大・大瀬良大地に3球団、東京ガス・石川歩に2球団競合するなど投手が豊作の年だった。今年はどんなスター候補がプロの門を叩くだろうか。楽しみに待ちたい。
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