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プロ野球のFA権取得は選手にとって大きな勲章だ。権利を行使して移籍することは野球人生においてターニングポイントになり得る重大な決断である一方、出ていかれる球団にとっては戦力ダウンとなり痛手であることも確かだ。
これまでFAで最も多く流出した球団は19人の西武。FA選手を4人獲得したヤクルトは、逆に8人が流出している。今回はヤクルトからFA移籍した選手を振り返ってみたい。
移籍した内訳は国内が5人、海外が3人。国内他球団に移籍したのは下記の通りだ。
1994年オフ 広沢克己 →巨人
2000年オフ 川崎憲次郎 →中日
2004年オフ 稲葉篤紀 →日本ハム
2007年オフ 石井一久 →西武
2014年オフ 相川亮二 →巨人
ヤクルトから初めてメジャー挑戦したのは1997年オフの吉井理人だった。
箕島高から1983年ドラフト2位で近鉄入りした吉井は、1988年に10勝24セーブを挙げて最優秀救援投手に輝くなど主にリリーフとして活躍し、1995年に西村龍次とのトレードでヤクルトに移籍。先発として3年連続2桁勝利を挙げ、1995年と1997年の優勝に貢献した。
1997年オフにFA宣言し、メッツと契約。日本球界初のFAによるメジャー移籍となった。ロッキーズ、エクスポズと移り、計5シーズンでMLB通算32勝をマーク。2003年からオリックスに移籍した。ロッテに移籍した2007年に引退するまで、日米通算121勝129敗62セーブ1ホールドの成績を残した。現在はロッテの投手コーチを務めている。
現ヤクルト監督の高津臣吾は亜細亜大から1990年ドラフト3位でヤクルトに入団し、シンカーを武器に最優秀救援投手のタイトルを4度獲得。2003年オフにFA宣言し、ホワイトソックス入りした。
1年目は59試合に登板して6勝4敗19セーブ4ホールドをマーク。2年目の2005年シーズン中にメッツに移籍し、2006年からヤクルトに復帰した。MLB通算成績は8勝6敗27セーブ8ホールド。日米通算では44勝313セーブで名球会入りしている。
2007年にヤクルトを退団後も韓国や台湾、BCリーグの新潟などでプレーし、2012年に引退。2020年からヤクルト監督を務めている。
敬愛学園高から1997年ドラフト2位でヤクルト入りした五十嵐亮太は、2004年に当時プロ野球最速の158キロをマークするなど本格派右腕として活躍。2009年オフにFA宣言し、メッツに移籍した。
パイレーツ、ブルージェイズ、ヤンキースと渡り歩き、MLB通算83試合登板で5勝2敗4ホールドの成績を残し、2012年オフにソフトバンク移籍。2019年からヤクルトに復帰して史上4人目の日米通算900試合登板を達成するなど、41歳の現在も現役を続けている。
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