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セ・リーグ最少三振ランキング、阪神・近本光司は大幅に進化

2021 7/19 06:00SPAIA編集部
阪神・近本光司,ⒸSPAIA
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本塁打は岡本和真、打率は佐野恵太がトップ

五輪休みに入ったプロ野球。セ・リーグは阪神が首位を走り、巨人とヤクルトが追いかける展開となっており、個人タイトル争いでは本塁打王が巨人・岡本和真が27本塁打でトップ、村上宗隆(26本)と山田哲人(25本)のヤクルト勢が続き、前半戦の大きな話題となった阪神・佐藤輝明が20本塁打でリーグ4位につけている。

打率はDeNA佐野恵太が.328でトップ。巨人ウィーラーが.319で2位、DeNA桑原将志が.318で3位となっている。

ただ、当然ながら選手の能力やチームへの貢献度はタイトル争いだけでは測れない。そこでタイトルや表彰の対象ではない部門のランキングを見てみよう。

近本光司のPA/Kは5.82➝8.51➝12.59

「PA/K」という指標は、三振をひとつ喫するまでにかかる打席数を示す。下表は規定打席以上に立った打者のセ・リーグ今季前半戦のランキングで、数字が大きいほど三振が少ないことを示している。

セ・リーグ最少三振ランキング


1位は阪神の切り込み隊長・近本光司で12.59。平均すると12~13打席に1回しか三振しない計算だ。

近本は昨季のPA/Kがリーグ4位の8.51、新人王に輝いた2019年はリーグ19位の5.82だったから、3年目の今季は大幅に改善していることが分かる。

打率は.292と昨季(.293)とほとんど変わらないが、長打率はリーグ7位の.417で4番の大山悠輔(.415)を上回っている。リーグ2位の100安打だけでなく、二塁打17本(リーグ7位)、三塁打4本(リーグ3位)と長打で塁を奪えることは大きな強みだ。

加えてリーグトップタイの17盗塁をマークしている俊足があるため、相手投手からすれば嫌な存在だろう。阪神が首位に立っている一因はこんなところにも垣間見えるのだ。

DeNA宮﨑敏郎、ヤクルト青木宣親が続く

2位はDeNAの宮﨑敏郎で12.43。2017年の首位打者のバットコントロールは折り紙付きで、昨季は15.86で、2位・大島洋平(中日)の10.29を大きく引き離していた。

3位はヤクルトのベテラン青木宣親で12.14。開幕直後に登録抹消されていたこともあって出場試合数は65とやや少ないものの、日米通算2538安打を放っている技術は伊達ではない。

しかも、打率は.253だが出塁率は.333で近本を上回っているのだ。3番・山田哲人、4番・村上宗隆の前を打つ2番打者として、数字以上にチームへの貢献度は高いと言えるだろう。

4位はやや開きがあるが、9.54のDeNA佐野恵太。首位打者に輝いた昨季に比べると、今季の開幕直後は低調だったが、じわじわと打率を上げ、気付けばリーグトップ。PA/Kも昨季の7.78より良化しており、後半戦に楽しみが広がる。

5位は中日の大島洋平で9.53。昨季まで2年連続最多安打のタイトルを獲得した35歳は今季も健在だ。

PA/Kベスト5のうち、宮﨑を除く4人が左打者。打率ベスト5は佐野恵太を除いて、ウィーラー(巨人)、桑原将志(DeNA)、オースティン(DeNA)、鈴木誠也(広島)と4人が右打者なのと対照的だ。先発投手に右投げが多いことも影響しているのかも知れない。

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