今季は10本塁打どまりの浅村、後半戦の課題?
走者のいる場面で併殺打に終わると球場は溜息に包まれ、押せ押せムードも萎む。できるだけ併殺が出ないようにベンチは打順を入れ替えたり、エンドランを仕掛けたり、送りバントをすることもある。
それでも併殺をゼロにすることは不可能だ。今季前半戦のパ・リーグで併殺打の多かった打者は下の表の通りとなっている。
セ・リーグ同様、右打ちの長距離砲が多い。やはり盗塁の少ない、いわゆる鈍足選手ほど併殺が多い傾向にある。
不名誉な1位は14併殺打を記録している楽天の浅村栄斗。西武時代の2018年から3年連続30発を放ち、昨季は本塁打王に輝いたが、今季前半戦は10本塁打、43打点にとどまっている。
もっとも昨季も15併殺打、2019年も12併殺打を記録しているため、個人記録としてはそこまで気にする必要はないかも知れない。ただ、逆転優勝を狙うチームとしては対策が必要だろう。いずれにせよ、後半戦での打棒爆発が期待される。
鈴木大地は左打者で唯一のランクイン
2位はオリックスの杉本裕太郎で12併殺打。JR西日本から入団6年目の今季は打率.297、18本塁打、54打点と大ブレイク。中嶋聡監督の期待に応えている。
ただ、ストライクソーンを9分割したSPAIAのゾーン別データでは、高打率を記録しているのはベルトラインより上。内外角を問わず、低めの球は数字を残せておらず、併殺打の多さにつながっている可能性がある。25年ぶりの優勝に向け、後半戦の課題だろう。
3位は11併殺打のロッテ・レアード。今季は打率.284、18本塁打、55打点と好成績を残している。一発長打の魅力があるため、多少の併殺打には目を瞑ってでも期待したくなるが、精度を上げることができればさらに怖い打者になる。
4位には10併殺打の3人が並んだ。日本ハム・渡邉諒は今季前半戦の打率.251、2本塁打、26打点。5番や6番で起用されることが多く、チャンスで打順が巡ってくることも多いため、チームが浮上するためにも後半戦の課題と言えそうだ。
楽天・鈴木大地はランキングで唯一の左打者。昨季も18併殺打、ロッテ時代の2019年も11併殺打と元々多いタイプだ。クリーンアップにつなぐ2番として起用されることが多いだけに、解消する必要があるだろう。
ソフトバンクの松田宣浩も10併殺打を記録している。今季は打率.233、10本塁打、33打点。通算300本塁打まであと3本に迫っているが、すでに38歳と年齢的な衰えが懸念される。