2位もソフトバンクの甲斐拓也
緻密なセ・リーグの野球に比べると、パ・リーグは豪快なイメージがあるが、犠打数を比較すると、今季前半戦はセ・リーグ6球団の合計292犠打に対し、パ・リーグは計318犠打を記録している。
犠打数だけで一概には言えないが、パ・リーグも走者を進める最も確実な手段を使っているのだ。
その中で最も多くの犠打を決めているのが、現役最多の通算323犠打を記録しているソフトバンクの今宮健太だ。
今季はスタメンを外れることもあり、78試合に出場しているものの規定打席には到達していない。打率.207、3本塁打、24打点と数字的には不本意かも知れないが、19犠打は12球団トップときっちり役割を果たしている。
2位もソフトバンクの甲斐拓也で14犠打を記録している。前半戦は打率.237、8本塁打、32打点とキャリアハイの11本塁打(2019年と2020年)を上回る勢い。犠打数も2017年から昨季まで4年連続20犠打以上を記録しており、強肩とともに打撃面でも貢献している。
ロッテ藤岡裕大と楽天・小深田大翔は13犠打
3位は13犠打のロッテ・藤岡裕大。トヨタ自動車から入団4年目の今季は打率.263、2本塁打、15打点。軽快なショートの守備も含め、後半戦も渋い働きが期待される。
同じく13犠打で並んだのが楽天の小深田大翔。2年目の今季は打率.248、2本塁打、10打点、5盗塁。打率.288、17盗塁をマークして新人王候補にも挙がった昨季に比べると成績を落としているが、主に一番として起用され、楽天打線の切り込み隊長を務めている。
12犠打の5位は楽天の太田光。規定打席には達していないものの、今季前半戦は72試合に出場して打率.194、3本塁打、19打点。入団3年目で、すでに自身シーズン最多出場を更新しており、貴重な経験を積んでいる。7月5日に巨人から炭谷銀仁朗がトレードで加入しただけに、ベテランから多くのことを吸収したい。
前半戦はオリックスが首位を走り、日本シリーズ4連覇中のソフトバンクが4位という予想外の展開。それでも首位から最下位・日本ハムまで10ゲーム差と接近しており、ペナントの行方はまだまだ分からない。勝負を分ける犠打をいつ誰が決めるか。そんな視点でも見ていきたい。
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