本塁打数は2位のヤクルト村上宗隆がIsoPは1位
前半戦のセ・リーグで大きな話題になったのが阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明だった。近畿大時代に関西学生リーグ新記録の通算14本塁打をマークしたパワーで20本塁打を放った。
では、スラッガー目白押しのセ・リーグで最高のパワーヒッターは誰なのだろうか。日本では長打率が多く用いられているが、「塁打」から計算されるためシングルヒットも含んでおり、厳密にパワーヒッターを測る尺度としては違う部分がある。IsoPは「長打率-打率」で求められ、二塁打以上(長打)を打つ能力が反映される。よりパワーに特化した指標と言える。
セ・リーグ前半戦のIsoPランキングが下の表だ。
1位はヤクルト・村上宗隆の.309。本塁打数は26本でリーグ2位だが、IsoPではライバル岡本和真(巨人)を抑えて堂々のトップに立っている。
本塁打を1本打つまでにかかる打数を示す「AB/HR」も11.2でリーグ1位。平均すると約11打数に1本の割合で本塁打を放っており、ヤクルト打線の不動の4番として飛ばす能力を証明している。侍ジャパンにも選出されており、東京五輪での活躍も期待される。
2位は岡本和真、3位は山田哲人、佐藤輝明は5位
2位は巨人の主砲・岡本和真で.303。前半だけで27本塁打を放って4年連続30発をほぼ確実にしており、自身初の40発にも期待がかかる。AB/HRも11.6と村上と遜色ない数字で、後半戦はタイトル争いが楽しみだ。
3位はヤクルトの山田哲人。3度のトリプルスリーを達成したセ界屈指の強打者にしては打率が.268、盗塁が3個と少ないものの、本塁打はリーグ3位の25本を放っている。まだ29歳と老け込む年齢ではないが、加齢とともに、スピードからパワーにシフトチェンジしているのかも知れない。
4位がDeNAのオースティンで.289。コロナ渦の影響で一軍登録が4月13日と遅れたものの、ここまで19本塁打、49打点。7月は調子を落としたが、それでも打率.314をマークしている。AB/HRもリーグ4位の12.7と、飛ばす能力は外国人も含めて日本球界屈指だろう。
阪神・佐藤輝明は.260で5位にランクインしている。12球団で唯一3桁の121三振を喫しているが、それに目を瞑ってでも打たせたいパワーは、球団の枠を超えて「球界の宝」と言っても過言ではない。AB/HRもリーグ5位の15.6。初めてのシーズンで疲れが溜まるルーキーにとって、五輪休みはプラスに働く可能性も十分あるだけに、チームの優勝に向けて後半戦も佐藤のバットに期待がかかる。
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