吉田正尚のPA/Kは驚異の19.32
プロ野球は約1カ月の五輪休みに入った。パ・リーグは大方の予想を覆してオリックスが首位。宮城大弥や杉本裕太郎ら新戦力の台頭が著しいが、その中で不動の主軸として活躍しているのが、昨季の首位打者・吉田正尚だ。
青山学院大からドラフト1位で入団して6年目の今季、侍ジャパンにも選出されるなどリーグを代表する強打者となり、「球界で最も三振しない男」としても有名になった。
前半戦終了時点でわずか19三振、三振をひとつ喫するまでにかかる打席数を示す「PA/K」は12球団でぶっちぎりの19.32を記録している。セ・リーグトップの阪神・近本光司が12.59だから、いかにずば抜けて三振が少ないか、よく分かるだろう。
今季は打率.343で前半戦首位打者、108安打で前半戦最多安打、.431で前半戦最高出塁率、.989で前半戦最高OPSなど、数々の数値でリーグトップに立っている。その中でも飛び抜けているのがPA/Kだ。
ストライクゾーンを9分割したSPAIAのゾーン別データでは、外角低めを除いて全てのゾーンが打率3割以上を示す赤に染まっている。外角低めでも50打数14安打の打率.280だから決して悪くない。それだけ穴のない打者であることが証明されている。
1996年以来、12球団で最長ブランクの25年も優勝から遠ざかっているオリックス。後半戦も吉田のバットが湿らないことは、悲願への必須条件と言えるだろう。まずは東京五輪での大活躍が期待される。
吉田の同僚・宗佑磨は3位
パ・リーグのPA/Kランキング2位は楽天・鈴木大地。打率は.269だが、31三振しか喫しておらず、PA/Kは12.48と高い。浅村栄斗、島内宏明につなぐ2番打者としてチームに貢献している。
3位は吉田のチームメート、宗佑磨。横浜隼人高から入団して7年目の今季は84試合に出場して打率.262、5本塁打、22打点。前半戦わずか30三振で、PA/Kは10.27と高い。さらに守備や走塁でも高い身体能力を証明しており、12死球は12球団トップ。まさに体を張って、中嶋聡監督の期待に応えている。
4位はロッテの荻野貴司で8.79。打率はリーグ3位の.307、安打数は吉田に次いでリーグ2位の104本、二塁打はリーグ4位タイの21本、盗塁はリーグ4位の6個など、ロッテ打線のトップバッターとして申し分のない働きだ。
5位はソフトバンクの中村晃で8.11。2014年に最多安打のタイトルを獲得したバットコントロールは14年目の今季もまだまだ錆びついていない。後半戦でチーム順位とともに、PA/Kランキングがどれだけ変動するか注目だ。
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