ロッテはリーグ最多384得点
パ・リーグは前半戦を終了してオリックスが首位を快走している。2位・楽天と3位・ロッテがAクラスを形成し、日本シリーズ4連覇中のソフトバンクは4位に低迷。5位・西武、6位・日本ハムの順だが、首位から最下位まで10ゲーム差しかない。首位・阪神と4位・中日が12ゲーム離れているセ・リーグに比べると、かなりの混戦模様だ。
チーム成績を比較すると最多得点を挙げているのがロッテ(384点)。チーム打率(.253)やチーム本塁打数(81本)はオリックスに次いでリーグ2位、チーム安打数(673本)はリーグ5位、四球数(330個)は楽天に次いで2位など、飛び抜けた数値はない。その中でリーグトップを記録しているのが盗塁数(74個)と犠飛数(29個、西武と1位タイ)だ。
パ・リーグの今季前半戦の犠飛ランキングが下の表。ベスト5に中村奨吾、レアード、角中勝也とロッテ選手が3人も入っている。
リーグトップの6犠飛を記録している中村奨吾はリーグ4位の打率.305、同5位の91安打、同2位タイの二塁打22本、同7位の50打点、同6位の48四球、同11位の6盗塁など、本塁打を除くほぼ全ての項目で上位にランクイン。3番打者としてポイントゲッターの役割と4、5番を打つマーティン、レアードの強力助っ人につなぐ役割を両方こなしている。
最多犠飛はハイスペックな29歳のひとつの勲章と言ってもいいのではないだろうか。タイトルではないが、シーズン最後までトップを守れれば、それもチームへの立派な貢献だ。
レアード、T-岡田、中村晃が2位タイ
外野フライで三塁走者を生還させるには一定の飛距離が必要なため、犠飛ランキングには長打力のある大物打ちが多い。昨季9犠飛でトップだった日本ハム・中田翔の名前がないのは寂しいが、2位には中村の同僚レアードと、オリックスのT-岡田、ソフトバンク・中村晃が5本で並んでいる。
日本ハム時代の2016年に39本塁打でタイトルを獲得したレアードは、今季前半戦だけで18本塁打と好調だ。ロッテのリーグ最多得点に大きく貢献している。
2010年に本塁打王に輝いたT-岡田もプロ16年目、33歳になった。吉田正尚や杉本裕太郎に押され気味だが、打率.263、10本塁打、43打点の成績は悪くない。チーム25年ぶりの優勝に向け、後半戦も期待される。
中村晃は打率.253、3本塁打、37打点という成績に納得はしていないだろうが、5犠飛はチャンスできっちり仕事をしている証だ。後半戦でソフトバンクが巻き返すには、さらなる活躍が欠かせないだろう。
きっちり仕事するベテラン角中勝也は4犠飛
5位には4本の5人が並んだ。西武・山川穂高は前半戦、打率.222、13本塁打、35打点とやや苦しんだ。後半戦でチームが巻き返すためには山川の復調は必須条件だ。
ロッテの角中勝也はランキングの中では異色と言ってもいいかも知れない。本塁打0本が示すように長距離砲ではないし、規定打席にも達していない。しかし、4犠飛はいずれもスタメンで起用された試合で記録しており、ベンチの期待に応えている。首位打者に2度輝いたベテランも15年目。後半戦も渋い働きが期待される。
首位争いを演じる楽天は浅村栄斗と島内宏明の2人が4犠飛。昨季の本塁打王・浅村は前半戦で10本塁打と減らしているが、打率はリーグ8位の.293をマークしており、後半戦はさらなる上昇を期待してもいいだろう。
島内は前半戦リーグトップの66打点をマーク。初めて出場したオールスターでは第2戦でMVPに輝いた。逆転優勝には浅村とともに島内のバットが不可欠だ。
昨季ブレイクしたソフトバンクの栗原陵矢は今季も好調だ。前半戦は打率.278、10本塁打、42打点。チームが後半戦に巻き返すためには欠かせない一人だろう。
脚光を浴びることの少ない犠飛だが、チームの勝敗を左右することもあり、貢献度は決して低くない。本塁打の打ち損じが外野フライになることもあれば、安打の延長が犠飛になることもある。後半戦でランキングがどのように変動するか、チーム成績への影響も含めて注目したい。
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