ドラフト2位の太田龍が二軍で最多勝を獲得
今シーズンの巨人はセ・リーグを制し2連覇を飾った。中心は2000本安打を達成した坂本勇人やエースの菅野智之であることは間違いない。一方で次代のチームを背負っていくことを期待されて入団したルーキーたちは、どのような結果を残していたのだろうか。振り返ってみたい。
巨人は2019年のドラフトにおいて、合計6人(支配下)を指名している。そのなかで投手はドラフト1位の堀田賢慎(青森山田高)、同2位の太田龍(JR東日本)、そして4位の井上温大(前橋商)の3人。
今年の成績を振り返ると、堀田はシーズン開幕前にトミー・ジョン手術を受けた影響で一軍・二軍とも登板はなくリハビリを行ってきた。来シーズンもリハビリを継続することが既定路線。そのため、このオフに育成での再契約を前提とした自由契約になっている。
太田は9月に一軍登録されたものの登板がないまま抹消され、一軍デビューは果たせなかった。しかし二軍ではチーム最多の15試合(登板は17試合)に先発し、90.1回を投げ5勝をマーク。防御率4.08と圧倒的な成績を残すことはできなかったものの、最多勝に輝いている。来シーズンは一軍での先発ローテーション争いに加わることが求められそうだ。
一軍での登板は0だった井上も、二軍では9試合に登板している。防御率4.80という数字だけ見ると、パッとしないが10月は5試合の登板で20.2回を投げ防御率2.18と安定した成績を残した。とくに最後の2試合では合計12回無失点と好投。みやざきで行われていたフェニックス・リーグでも11月23日の中日戦で8回2失点とベールを脱ぎつつある。
今シーズン高卒2年目の横川凱が一軍デビューを果たしたこともあり、井上にも来シーズン中の一軍デビューが期待される。
山瀬はチーム最多の42試合でマスクをかぶる
野手ではドラフト3位の菊田拡和(常総学院高)、5位の山瀬慎之助(星稜高)、6位の伊藤海斗(酒田南高)の3人を指名した。高卒野手ということもあり、いずれも一軍での試合出場はなく、二軍で汗を流した。
菊田と山瀬は同じ44試合の出場で打率1割台、OPSも.500を下回り打撃面で苦戦。一方、伊藤は若干出場数は少ないものの、打率.234、OPS.505と2人を上回っている。しかし、3人とも規定打席には到達しておらず、大きな差はないと言っていい。
ポジションは山瀬が捕手、菊田は一塁と三塁、そして伊藤が一塁と外野で起用されてきた。なかでも42試合でマスクをかぶっている山瀬は、チーム最多の出場数。捕手としての出場数が2位だった田中貴也(36試合)が楽天へと移籍した影響もあるが、期待されていることがよくわかる。来シーズンは二軍で正捕手となり、一軍昇格への道筋をつけることとなりそうだ。
チームの先輩に坂本という規格外の選手はいるが、高卒2年目から一軍で出場し結果を残すのは至難の業。いまやチームの4番となった岡本和真も高卒1年目は17試合に出場したものの、2年目はわずか3試合だった。3人は来シーズンも二軍で鍛錬を積むことになりそうだ。
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