勝負強さを見せた佐藤都志也
今季はシーズン途中までソフトバンクと優勝争いを展開し、パ・リーグを大いに盛り上げたロッテ。安田尚憲や藤原恭大ら若手の成長も著しく、チームには世代交代の波が押し寄せている。
次代のエースとして期待されるドラフト1位ルーキーの佐々木朗希は、シーズンを通じて1軍に帯同したものの登板機会はなかった。だが、ドラフト2位ルーキーの佐藤都志也を筆頭に1軍の緊迫した試合をルーキーたちが経験できたのは大きな財産だ。
佐藤は1軍で先発出場は限られたものの、代打を主として60試合に出場。打率.228、2本塁打、12打点と数字は振るわなかったものの、前評判通りの非凡な打撃センスを随所で発揮した。6月27日のオリックス戦では、同点で迎えた延長10回裏に代打で登場し、プロ初安打となるサヨナラ適時打を放つなど勝負強さも見せた。
代打での打率は.310(29打数9安打5打点)をマークし、安打数と打点の代打成績はチームトップ。新型コロナウイルスで主力が大量に離脱した際には、DHでスタメンに抜擢されるなど打撃面で存在感を発揮した。
捕手で先発出場した9月3日の西武戦では攻守に活躍。2回にプロ初本塁打となるソロ本塁打をライトスタンドに運んで先制点をもたらすと、5-2の5回1死一、二塁の好機では左翼手の頭を越える適時二塁打を放つなど、3打数2安打3打点と活躍。守っては6回の守備から田村龍弘と交代したものの、先発の岩下大輝をリードし、強力西武打線を相手に5回を2失点に抑えた。
ソフトバンクと対戦したクライマックスシリーズ(CS)では、9回2死満塁の場面に代打で登場。一打同点のチャンスだったが守護神の森唯斗に打ち取られ、涙を流した。シーズン終盤は特に出場機会が減少し、CSの出場機会もこの1打席のみだったが、1軍に帯同し、優勝争いやCS進出争い、CSの緊迫した戦いを経験できたことは大きな糧となるだろう。