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ロッテは優勝争い経験した佐藤都志也らの飛躍に期待【12球団ルーキー通信簿】

2020 12/2 06:00浜田哲男
【ロッテ】ルーキー野手成績ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

勝負強さを見せた佐藤都志也

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今季はシーズン途中までソフトバンクと優勝争いを展開し、パ・リーグを大いに盛り上げたロッテ。安田尚憲や藤原恭大ら若手の成長も著しく、チームには世代交代の波が押し寄せている。

次代のエースとして期待されるドラフト1位ルーキーの佐々木朗希は、シーズンを通じて1軍に帯同したものの登板機会はなかった。だが、ドラフト2位ルーキーの佐藤都志也を筆頭に1軍の緊迫した試合をルーキーたちが経験できたのは大きな財産だ。

佐藤は1軍で先発出場は限られたものの、代打を主として60試合に出場。打率.228、2本塁打、12打点と数字は振るわなかったものの、前評判通りの非凡な打撃センスを随所で発揮した。6月27日のオリックス戦では、同点で迎えた延長10回裏に代打で登場し、プロ初安打となるサヨナラ適時打を放つなど勝負強さも見せた。

代打での打率は.310(29打数9安打5打点)をマークし、安打数と打点の代打成績はチームトップ。新型コロナウイルスで主力が大量に離脱した際には、DHでスタメンに抜擢されるなど打撃面で存在感を発揮した。

捕手で先発出場した9月3日の西武戦では攻守に活躍。2回にプロ初本塁打となるソロ本塁打をライトスタンドに運んで先制点をもたらすと、5-2の5回1死一、二塁の好機では左翼手の頭を越える適時二塁打を放つなど、3打数2安打3打点と活躍。守っては6回の守備から田村龍弘と交代したものの、先発の岩下大輝をリードし、強力西武打線を相手に5回を2失点に抑えた。

ソフトバンクと対戦したクライマックスシリーズ(CS)では、9回2死満塁の場面に代打で登場。一打同点のチャンスだったが守護神の森唯斗に打ち取られ、涙を流した。シーズン終盤は特に出場機会が減少し、CSの出場機会もこの1打席のみだったが、1軍に帯同し、優勝争いやCS進出争い、CSの緊迫した戦いを経験できたことは大きな糧となるだろう。

走攻守でアピールした髙部瑛斗

ドラフト3位ルーキーの髙部瑛斗は2軍で67試合に出場し、打率.344、14盗塁と走攻守で期待通りの活躍を見せた。外野手の層が厚く1軍での出場機会がなかなか得られなかったものの、新型コロナウイルス感染で主力外野手が大量に離脱した後に1軍に緊急昇格。

昇格直後は1軍投手の球威とキレに押されて結果が出なかったものの、10月9日のソフトバンク戦に代打で登場すると、高橋礼の直球を逆方向へ鮮やかに運び、プロ初安打をマークした。

東都大学リーグ2部では歴代最多129安打をマークしたヒットメーカー。来季以降は走攻守でのレベルアップと外野のレギュラー定着が期待される。

福田光輝は豪快なスイング魅力

ドラフト5位ルーキーの福田光輝は1軍で15試合に出場。オープン戦では広いナゴヤドームで左右に本塁打を打ち分けるなどインパクトと一定の結果を残して開幕1軍入りしたものの、打率.087と苦しみ、序盤以降はシーズンの大半を2軍で過ごした。

2軍では61試合に出場し、打率.211、2本塁打、17打点。52三振を喫するなど苦しんだが、豪快なスイングからの強打は魅力。内野の複数ポジションを守れることもあり、来季以降は手薄な内野陣のレギュラー争いに加わりたいところだ。

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サイドスロー横山陸人は二軍で11試合登板

【ロッテ】ルーキー投手成績ⒸSPAIA


サイドスローから繰り出される140km台後半の直球が魅力のドラフト4位ル-キーの横山陸人は、11試合(15イニング)に登板し、防御率6.00。強い腕の振りからスライダー、カーブ、チェンジアップを投げ分ける。貴重なサイドスローであるとともに、打者の胸元をつく強気の投球も特徴で、将来が楽しみな投手だ。

投打で世代交代が進む近年のロッテ。今季は2位と躍進したが、本当の意味で強いチームになるためには若手の成長が欠かせない。

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