唯一の大学生・小川一平が21試合に登板
2017年以来、3年ぶりに2位でシーズンを終えた阪神。しかし、優勝した巨人とは7.5ゲーム差もある。主砲の大山悠輔やエースの西勇輝を中心に戦力を整えていくことが当面の課題となる。
そんな阪神の将来を支えるべく2019年ドラフト組は、1年目にどのような成績を残したのだろう。ルーキーたちの1年目を振り返ってみたい。
阪神は2019年のドラフト会議で6名の選手を支配下で指名した。1位の西純矢(創志学園高)から5位の藤田健斗(中京学院大中京高)までの5名が高校生で、大学生以上は6位の小川一平(東海大九州キャンパス)ただひとりと、明らかに先を見据えての指名だった。
投手にはドラフト1位の西純矢(創志学園高)、3位の及川雅貴(横浜高)、6位の小川一平の3人を指名しており、一軍デビューを果たしたのは唯一の大学生である小川のみだった。
小川は、自身初登板となった6月20日の巨人戦で0.2回5失点(自責点1)と打ち込まれ、26日のDeNA戦でも序盤で1回5失点とつまずいた。その後、2度の登録抹消があったものの中継ぎとして21試合に登板し、防御率4.71と1年を通してみるとまずまずの成績を残している。また、9月5日以降は7試合連続無失点といい形でシーズンを終えたのも好印象。
高卒組の西と及川は一軍での登板はなく、二軍でシーズンを終えた。西はチーム3位の8試合に先発し、4位の45回を投げている。K/9は5.40、BB/9も同じく5.40と数字的には目を見張るものはない。しかしフェニックス・リーグでは11月22日の楽天戦で自己最長となる7回を投げ2失点、8奪三振の好投。成長ぶりを見せている。
及川もK/9は3.00、BB/9は3.55となっており、奪三振よりも与四球のほうが多く制球面での課題が見える。
井上広大が一軍デビュー、二軍ではリーグ2位の9本塁打
野手にはドラフト2位の井上広大(履正社高)、4位の遠藤成(東海大相模高)、5位の藤田健斗(中京学院大中京高)の3人を指名。
このなかで唯一、一軍での出番を勝ち取ったのは井上。右の大砲候補としての期待度が大きい井上は10月14日に一軍昇格を果たし6試合に出場。本塁打こそ生まれなかったが、プロ初安打、初打点を記録しその片鱗を見せた。
また、二軍では69試合に出場し打率.226(248打数56安打)、9本塁打、36打点と結果を残した。ちなみに9本塁打はリチャード(ソフトバンク)についでウエスタン・リーグ2位タイの数字となっている。フェニックス・リーグでも4番で起用されながら本塁打を放っており、来シーズンに向け期待が膨らむ。
遠藤と藤田は一軍での出場はなく、二軍でシーズンを過ごした。ともに打率は1割台、OPS.500を下回っており打撃面で苦戦している。守備面を見ると遠藤は一塁(1試合)、二塁(18試合)、三塁(19試合)、遊撃(27試合)と内野の全ポジションについた。適正を見ながら、起用法が決められることになりそうだ。
藤田は捕手で27試合の出場。そのなかでリーグワーストの5捕逸となっており課題が残った。またシーズン終了後に「左手有鉤骨の骨部分切除術」を受けており、当面はリハビリに務めることとなる。
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