ドラ1石川ら3人の野手はいずれも一軍で安打を記録
今シーズンの中日は2012年以来、8年ぶりにAクラス入りを果たした。投手陣ではエースの大野雄大や福敬登、祖父江大輔、R.マルティネスの中継ぎ陣が奮闘。野手陣では木下拓哉が正捕手の座を掴みつつあり、キャプテンの高橋周平が引っ張った。
来シーズン以降、また強い中日が戻ってくる可能性も大いにありそうだ。その屋台骨を担うことが期待されるルーキーたちの1年目を振り返ってみたい。
2019年のドラフト会議で中日は支配下6名、育成1名の合計7名を指名した。そのうち野手は1位の石川昂弥(東邦高)、4位の郡司裕也(慶応大)、そして高校時代は二刀流として活躍しドラフト時も投手して指名されていたのだが、入団後は外野手に専念している6位の岡林勇希(菰野高)の3名で、いずれも一軍デビューを勝ち取っている。
この中でもっとも早く一軍デビューした郡司は、開幕一軍入り4試合目にして代打でプロ初出場を果たし安打を記録。その2日後には初のスタメン出場を掴むも4打数ノーヒット。第1打席から3打席連続三振とプロの壁にぶち当たった。
7月頭に登録を抹消されたものの、およそ1カ月で一軍に復帰。その後は最後まで降格することなくシーズンを戦い抜いている。しかし打率は1割台に終わり、東京六大学で三冠王に輝いた郡司も打撃面で大きく苦しんだ格好。
3球団競合ということもあり大注目だった石川は二軍スタートだったが、開幕から1カ月としない7月12日に一軍へ昇格。即日スタメン起用されると郡司同様に初打席で安打(二塁打)を放つ大物ぶりを発揮。
その後は16打席連続無安打とあたりが出なかったが、7月22日の巨人戦でプロ初打席以来となる安打を放つと、コツを掴んだのか打撃が上向いた。結局、7月30日の登録抹消までの41打席で打率.222(36打数8安打)、OPS.578を記録。いずれの数字も打席機会がほぼ同等の郡司(46打席)を上回っており、超高校級の片鱗を見せた。
その後はシーズン終了まで二軍戦に出場。打率.278(205打数57安打)、3本塁打と高卒1年目としては文句ない数字を残している。
岡林は一軍で6試合に出場。7打席と打席機会は少なかったものの、初安打を記録している。二軍では本塁打こそないものの、打率.285(214打数61安打)と石川を凌ぐ数字を残した。