中継ぎの一角として活躍見せた伊勢大夢
今年もドラフト会議が終わり、各球団が指名選手と仮契約を結んだニュースが続々と報じられている。来年からプロの世界に飛び込んでくる新入団選手への注目はもちろんだが、昨年のドラフトで入団した選手たちの1年目はどうだったか。球団別に今季のルーキーの活躍ぶりを振り返ってみたい。
DeNAはドラフト3位の伊勢大夢が、中継ぎ陣の一角として奮闘を見せた。坂本裕哉、蝦名達夫ら大卒勢が大器の片鱗を見せるなか、シーズン終盤に昇格したドラフト1位の森敬斗が思い切りの良いプレーを披露。来季以降へ期待を持たせる活躍を見せた。
セ・リーグのルーキー最多となる33試合に登板するなど、中継ぎ投手として「即戦力」の活躍を見せたのが、ドラフト3位で入団した伊勢大夢だ。35回を投げて39三振で奪三振率は10.03、投手個人の能力を図る指標として使われるK/BBでは3.25をマークした。
夏場に1ヵ月ほど一軍を離れたが、シーズンを通して安定した投球を見せ、登板が増える中継ぎ陣を支えた。明治大時代は同期のエース・森下暢仁(広島)に次ぐ2番手投手という位置づけだったが、その森下にも負けない輝きを放ったプロ1年目だった。
ドラフト2位で入団した坂本裕哉は10試合に登板して4勝1敗も、防御率5.67と満足のいくシーズンではなかった。開幕ローテーション入りを果たすと、開幕6戦目で6回1安打無失点の好投を見せ、プロ初登板初勝利をマーク。しかしその試合で右足首を捻挫すると、復帰は9月まで長引いた。その後は勝ち星こそつくものの打ち込まれる試合が続き、チームの期待に応えることはできなかった。来季はシーズンを通して安定したピッチングを見せることが課題となる。
初安打初本塁打の蝦名達夫に、初打席初安打の森敬斗
伊勢、坂本と同じ大卒で入団した蝦名達夫は、開幕一軍入りを果たすも早々に登録抹消され、その後はファームで経験を積んだ。8月下旬から9月にかけて4戦連発、6戦連続マルチ安打とアピールして一軍に復帰すると、代打でプロ初安打となるホームランを放ってみせた。今シーズンの安打はこの一発を含めて3本にとどまったが、強烈なインパクトを残したシーズンだった。
球団では筒香嘉智(現・レイズ)以来の高卒野手のドラフト1位となった森敬斗。シーズン序盤からファームの遊撃レギュラーを掴むと、イースタン・リーグで58試合に出場、207打席で規定打席をクリアした。規定打席到達者の中で下から2番目となる打率.210、2本塁打、13打点と苦しんだものの、夏場以降にOPSを急上昇させるなど、徐々にアジャストしてみせた。
シーズン終盤には一軍昇格を果たし、10月27日の巨人戦に代打で初出場し、ビエイラの154キロ速球をフルスイング。あわやホームランというレフトフェンス直撃のツーベースとなり、鮮烈なデビューを果たした。その後は初スタメンも経験し、思い切りの良いプレーを見せ続けた。
ドラフト4位の東妻純平、5位の田部隼人、7位の浅田将汰は1年間じっくりファームで腕を磨いた。東妻は69打席で打率.070、守備でも5失策と苦しんだが、捕手ではチームで2番目に多い32試合に出場するなど順調に実戦経験を積んだ。田部は三塁・二塁・遊撃で44試合に出場。138打席でOPS.547とまずまずの成績を残した。浅田は11試合に登板し、高卒新人ではオリックスの宮城大弥に次ぐ50.2回を投げて3勝2敗、防御率4.09と、こちらも多くの経験を積んだ1年となった。
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