ソフトバンクとしては珍しい大卒・社会人野手の指名
今年もドラフト会議が終わり、各球団が指名選手と仮契約を結んだニュースが続々と報じられている。来年からプロの世界に飛び込んでくる新入団選手への注目はもちろんだが、昨年のドラフトで入団した選手たちの1年目はどうだったか。球団別に今季のルーキーの活躍ぶりを振り返ってみたい。
ソフトバンクは2019年ドラフトで支配下5名、育成7名を獲得。支配下5名のうち投手は3位の大卒右腕・津森宥紀のみで、社会人の佐藤直樹(1位)、大卒捕手の海野隆司(2位)、高卒内野手の小林珠維(4位)、大卒外野手の柳町達(5位)は野手指名だった。
近年、野手は高卒選手を中心に指名しているソフトバンク。支配下で大卒野手を指名したのは2012年の髙田知季以来、社会人出身野手に至っては2005年の本多雄一(現コーチ)以来だ。1位の競合指名で石川昂弥(中日)の抽選を外したという事情もあるが、ソフトバンクとしては珍しい形の指名だった。
ドラ1・佐藤直樹はウエスタン盗塁王

1位の佐藤は一軍で出番がなかったものの、二軍では20盗塁で盗塁王を獲得。機動力はすでに高いレベルにあることを示した。しかし打率.229、3本塁打と打力はまだ物足りず、主力となるには打力が課題となりそうだ。
2位の海野は一軍では5試合の出場だったが、ベテラン捕手の髙谷裕亮の離脱があり、クライマックスシリーズ、日本シリーズではベンチ入りした。ルーキーの捕手としては順調なスタートと言っていいだろう。
5位の柳町は下位指名ながら、同じ外野手の佐藤よりも先に一軍で出番を掴んだ。ウエスタンリーグでは196打席で打率.295、4本塁打35打点、OPS.817の好成績を残し、一軍でプロ初ヒットも達成している。
一軍の主力野手陣は高齢化が進んでいるとはいえ、日本シリーズで中村晃が大活躍したようにベテラン陣もまだまだ力は健在であり、彼らがレギュラー争いに参戦してくるのはもう少し先になるかもしれない。まずはバックアップとして一軍での立ち位置を掴みたい。
