「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

西武はドラ1宮川哲が救援で奮闘、未来の遊撃手候補は浅村超えの成績残す【12球団ルーキー通信簿】

2020 12/7 06:00SPAIA編集部
埼玉西武ライオンズルーキー投手成績インフォグラフィック,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

ドラ1、ドラ2が期待通り即戦力に

リーグ連覇を成し遂げた西武は、悲願の日本一を目標に2020年シーズンをスタート。しかし、年間通して投打が中々かみ合わず、何とか3位に滑り込む形で今季を終えた。ただ、そんな苦しいシーズンの中でも、今季加入した新人たちは各々が持ち味を発揮していた。そんなルーキーたちの活躍を振り返ってみたい。

埼玉西武ライオンズルーキー投手成績インフォグラフィック,ⒸSPAIAⒸSPAIA


まず投手では、上位で指名された社会人出身の2人が即戦力としての期待に応える活躍を見せた。

ドラフト1位の宮川哲は開幕一軍入りをはたすと、シーズンを通して一軍に帯同。中継ぎとして49試合に登板し、2勝1敗13ホールド、防御率3.83の成績を残した。ワンポイントや回またぎ、ロングリリーフと、中継ぎの役割を一通りこなすなどフル回転の働き。即戦力として期待以上のタフネスさで、救援陣の一翼を担った。

また、K%(奪三振/対戦打者)は22.3%、被本塁打はわずかに1本と、その投球内容も非常に優れたものだった。BB%(与四球/対戦打者)が14.4%と四球が多かったのを改善できれば、来季はさらなる活躍が期待できそうだ。

2位の浜屋将太も開幕当初は中継ぎとしての起用だったが、シーズン終盤に先発へ配置転換。8試合に登板し、3勝を挙げるなど左腕不足の先発陣に新風を吹き込んだ。武器となったのはチェンジアップ。打者の左右を問わず投じることができ、奪空振り率は20.9%をマークした。

一方で、投球の半分以上の割合を占めたストレートの被打率/奪空振り率が.250/4.5%、チェンジアップの対となるスライダーも.421/8.6%と、チェンジアップ以外の球種は通用しなかった。このあたりの課題をこのオフに解消し、来季は開幕から先発ローテに食い込みたいところだ。

【西武】ルーキー投手成績ⒸSPAIA

柘植世那が捕手層に厚みもたらす、二軍では将来の遊撃手候補が躍動

埼玉西武ライオンズルーキー野手成績インフォグラフィックⒸSPAIA


野手陣では、捕手の柘植世那が1年目から一軍戦力として活躍した。シーズン当初は第3捕手として帯同するも出場機会に恵まれず、7月27日に二軍落ち。それでも、正捕手・森友哉の不調から8月に再登録されると、27日の日本ハム戦で初先発マスクをかぶり、プロ1号本塁打を放つなど大活躍。9月は9試合にスタメン出場するなど、ルーキーながら渋い働きでチームに貢献した。

チーム内には森友哉、岡田雅利と二人の実力者がおり、正捕手への道のりは険しいが、攻守ともに一軍で通用する実力を示せた1年となった。

二軍ながら好成績を残したのが、九州学院からドラフト4位で入団した川野涼多。高卒&ショート&スイッチヒッターと、現二軍監督で獅子のレジェンドでもある松井稼頭央と共通項が多く、入団時から多くの期待を寄せられている19歳だ。

全75試合中58試合に出場、176打席に立ち、打率/出塁率/長打率は.242/.333/.349と、高卒遊撃手としては優秀な数字が並ぶ。同じく高卒遊撃手として西武に入団した浅村栄斗(現楽天)の1年目成績(.219/.280/.300)を上回っており、期待に違わぬ実力を1年目から示してみせた。

K%(三振/打席)が24.4%と三振が少し多めなのは要改善だが、BB%(四球/打席)が11.9%と四球を選べており、アプローチ面でも高卒としては十分プロの球に対応できたと言えるだろう。稼頭央2世の期待を背負う未来の正遊撃手候補が、今後どのような成長曲線を描いていくのか注目だ。

【西武】ルーキー野手成績ⒸSPAIA


【関連記事】
巨人は太田龍が二軍で最多勝獲得【ルーキー通信簿】
阪神は井上広大がウエスタンリーグ2位の9本塁打【ルーキー通信簿】
ホークスのドラ1佐藤直樹は二軍盗塁王、3位津森宥紀は最強投手陣の中でも存在感【ルーキー通信簿】
ロッテは優勝争い経験した佐藤都志也らの飛躍に期待【12球団ルーキー通信簿】
中日はドラ1石川昂弥が初打席で二塁打を記録【ルーキー通信簿】
DeNAは伊勢大夢が安定した投球披露、森敬斗も輝き放つ【12球団ルーキー通信簿】
広島はドラ1森下暢仁がエースの活躍 ドラ2宇草孔基も13試合に出場【12球団ルーキー通信簿】
楽天は即戦力の小深田大翔らが期待通りの活躍【12球団ルーキー通信簿】
ヤクルト・奥川恭伸は二軍で無双も一軍でプロの洗礼浴びる【12球団ルーキー通信簿】
日本ハムのドラ1河野は課題残る1年目、育成2位・樋口は球団初の育成指名から支配下【12球団ルーキー通信簿】
オリックスは即戦力不在も高卒の宮城大弥と紅林弘太郎が順調スタート【12球団ルーキー通信簿】
西武・増田達至がFA宣言して残留、生涯ライオンズと日本一誓う