3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は12日(土)に阪神競馬場で行われる阪神牝馬Sについて、下記3つのファクターを組み合わせるコンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった15頭を検討対象とし、1400m開催だった2015年も含めた過去10年のデータを使用する。
今回は12日(土)に阪神競馬場で行われる阪神牝馬Sについて、下記3つのファクターを組み合わせるコンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった15頭を検討対象とし、1400m開催だった2015年も含めた過去10年のデータを使用する。
阪神牝馬Sは牝馬限定戦ということもあり、レース全体の単勝回収率が92%、複勝回収率が103%と荒れやすい重賞だ。
そんな中で注目したいのが、前走着順別成績。前走1着馬が【5-3-3-14】単勝回収率109%、複勝回収率131%を誇っている一方、前走で二桁着順に敗れている馬も【3-4-1-37】単勝回収率209%、複勝回収率102%となっている。1着か二桁着順かという両極端な前走成績の馬が好走する傾向にある。
ちなみに、前走で2~9着だった馬は【2-3-6-54】単勝回収率6%、複勝回収率93%という成績に。人気が予想される馬ではボンドガールやビヨンドザヴァレーが割引データに該当する。
【前走1着or二桁着順の出走予定馬】
<前走1着>
・アルジーヌ
・タガノエルピーダ
<前走二桁着順>
・イフェイオン
・キミノナハマリア
・ドゥアイズ
・ドナベティ
・ヒルノローザンヌ
ドゥアイズの前走は京都金杯(11着)。今年の京都金杯は前半4Fが46.2秒、後半4Fが47.3秒の前傾0.9秒で、ややハイペース寄りのミドルペースといった流れだった。
ドゥアイズは大外枠を引いていたこともあり、いつもよりも後ろのポジションで、道中は11番手あたりを追走。最終コーナーは外を回す形になったが、走りのバランスが悪く手応えもよくなかった。騎乗した武豊騎手もレース後に何が原因かわからないと語った通り、前走はそれまでのドゥアイズの走りとは全く異なっていた。
二桁着順は2000mの秋華賞以来で、マイルの距離でこれほど崩れたのは初めて。血統傾向からも明け5歳で衰えるようなタイプではない。
これまで牝馬限定戦を続けて使われ、前走は久々の牡馬混合戦。今回はまた牝馬限定戦に戻り、本来の実力を発揮できれば十分勝ち負けできるメンバー構成だ。
・ドゥアイズ
日本での牝祖は祖母サミットヴィル。現役時はメイヒルS(GⅢ・芝8F)を勝利した実績馬で、ヨーロッパ血脈の一族だが、父Grand Lodgeに母の父Shirley Heightsと比較的スピード性能の高い血を持っている。
ドゥアイズの近親を見ると、日本では従兄弟のルークズネスト(父モーリス)が2021年にファルコンSを制し、叔父のシンギュラリティ(父ダノンシャンティ)はJRAで4勝を挙げている。
本馬はルーラーシップ×ディープインパクトというキセキやドルチェモアと同じタイプの組み合わせだが、ファミリーの距離適性が短いので、ストライドの大きいマイラーに出ている。父ルーラーシップで本格化は遅め。明け5歳となった今も充実期と言えるだろう。
直線が長いコースのマイル戦で最も良さが出る馬で、阪神ではGⅠの阪神JFや桜花賞を含めてOP以上のクラスで4度走っているが、掲示板を外したことは一度もない。ベスト舞台での巻き返しに期待したい。
今回のCアナライズではドゥアイズを推奨する。
前走は不可解な負け方をしてしまったが、今回は得意の阪神コースに替わり、牝馬限定戦となる。本来の実力を発揮できれば、メンバー構成を考えても十分に勝ち負けできる実力がある。
前走の大敗で人気が下がるのであれば、“荒れるレース”ということも加味してドゥアイズから入ってみたい。
《ライタープロフィール》
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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