3月19日開幕
第92回選抜高校野球大会の選考委員会が1月24日開かれ、21世紀枠3校、明治神宮大会枠1校を含む計32校が決定した。
組み合わせ抽選は3月13日に行われ、開幕は同19日。今大会から「1週間で500球」の球数制限が導入され、準々決勝翌日と準決勝翌日に休養日が設けられる。決勝は31日の予定。
第92回選抜高校野球大会の選考委員会が1月24日開かれ、21世紀枠3校、明治神宮大会枠1校を含む計32校が決定した。
組み合わせ抽選は3月13日に行われ、開幕は同19日。今大会から「1週間で500球」の球数制限が導入され、準々決勝翌日と準決勝翌日に休養日が設けられる。決勝は31日の予定。
北海道は秋季大会を強打で制した白樺学園が初出場となった。北海道大会決勝で札幌日大に12-8で打ち勝つなど、チーム打率は4割を超える。
夏の甲子園には2006、2011、2015年と3度出場しているが、春は初めて。2015年春に東海大四、2016年夏に北海が準優勝するなど、最近は北海道勢の躍進が目立つだけに白樺学園にも期待がかかる。
東北は東北大会決勝に進出した仙台育英(宮城)と鶴岡東(山形)が順当に選出された。仙台育英は3年ぶり13回目、鶴岡東は前身の鶴商学園時代以来41年ぶり2回目の出場となる。
東北王者の仙台育英は昨夏の甲子園で8強入りした時のメンバーが多く残っており、経験は何よりの武器。春夏合わせて3度の準優勝を誇るだけに、東北勢としても悲願の全国制覇なるか注目される。
鶴岡東も昨夏の甲子園で高松商、習志野を破って3回戦進出しただけに、41年ぶりの選抜でモチベーションは高い。
関東は関東大会ベスト4入りした4校と、準々決勝敗退した4校の中から花咲徳栄(埼玉)が選出された。
初めて秋の関東大会を制した健大高崎(群馬)は明治神宮大会でも準優勝し、3年ぶり4回目の選抜。投手力を含めた固い守りで、過去最高のベスト4(2012年)超えを目指す。
山梨学院は2年連続4回目。昨夏も出場しており、3季連続の甲子園となった。甲子園では春夏とも2回戦が最高成績だけに、そろそろ上位進出を狙いたい。
神奈川大会を制した東海大相模は2年ぶり11回目の選抜。昨夏の甲子園経験者が多く残っており、切れ目のない打線は脅威だ。関東大会でも初戦の駿台甲府戦を14-2、2回戦の習志野戦を12-6と大勝しており、猛打で2011年以来9年ぶりの頂点を狙う。
秋季群馬大会優勝の桐生第一は4年ぶり6回目。1999年夏に正田樹を擁して全国制覇した強豪が、総合力で上位をうかがう。
注目されていた関東・東京6枠の最後のイスは花咲徳栄(埼玉)だった。昨秋の関東大会は準々決勝で山梨学院に惜敗したが、同じく関東大会8強の西武台を埼玉大会決勝で下しており、東京大会準優勝の帝京も含めた3校の中から最後の1枠に滑り込んだ。2017年夏に全国制覇した花咲徳栄は4年ぶり5回目の選抜。
東京は秋季大会を制した国士館が順当に選ばれ、2年連続10回目の甲子園となった。東京大会では全6試合で2桁安打を放った強打線と、3試合で完封勝利した投手力のバランスが取れている。東京勢の選抜優勝は1992年の帝京以来遠ざかっており、オリンピックイヤーの快進撃に期待がかかる。
東海は決勝進出の中京大中京(愛知)と県岐阜商に加え、明治神宮大会枠の恩恵を受けて加藤学園(静岡)が選ばれた。中京大中京は意外にも10年ぶりの選抜(31回目)。明治神宮大会を制した実力で、昨年の東邦に続く2年連続愛知県勢の優勝を狙う。
秀岳館(熊本)を3季連続で甲子園4強に導いた鍛治舎監督率いる県岐阜商は5年ぶり29回目の選抜。伝統のユニフォームを一新した「新生県岐商」が頂点に立てば、1940年の第17回大会以来80年ぶりとなる。
加藤学園は春夏通じて初めての甲子園。東海大会準決勝で県岐阜商に延長10回サヨナラ負けしたが、持ち前の粘り腰で大暴れを誓う。
北信越は秋季大会決勝を戦った星稜と日本航空石川が選出され、石川県勢のアベック出場となった。3年連続14回目の星稜は5季連続の甲子園。昨年はヤクルトに入団した超高校級右腕・奥川恭伸がいたが、今年も昨年のレギュラーが多数残り、チームの完成度は高い。
日本航空石川は昨秋の石川大会決勝で2-16、北信越大会決勝でも1-19と星稜に大敗したが、2年ぶり2回目の選抜となった。
近畿は奈良3位から履正社、大阪桐蔭を破って下剋上で頂点に立った天理が文句なしに選出され、5年ぶり24回目の甲子園。4試合で計38点を奪った攻撃力で1997年以来23年ぶりの優勝を狙う。
昨年は春夏ともに甲子園出場を逃した大阪桐蔭が2年ぶり11回目の出場となった。プロ注目の長距離砲・西野力矢らハイレベルの打者がズラリと並ぶ打線は迫力十分。復活した全国屈指の強豪が春夏合わせて9回目の全国制覇を狙う。
昨夏の甲子園で優勝した履正社は2年連続9回目の出場。昨年選抜は1回戦で奥川擁する星稜に完敗しただけに、今年は春から存在感を見せつけたい。2016年センバツで優勝した智弁学園(奈良)も2年ぶり13回目の出場が決まった。
近畿大会準々決勝で敗退した4校の中から選ばれたのは、3年連続14回目の智弁和歌山と2年連続3回目の明石商。智弁和歌山は名将・高嶋仁からバトンを受け継いだ中谷仁監督が指揮を執る。明石商は昨年春夏連続ベスト4進出の立役者となったエース・中森俊介を中心に4季連続の甲子園で頂点をうかがう。
中国は決勝進出した倉敷商(岡山)が8年ぶり4回目、鳥取城北が8年ぶり2回目の選抜。中国・四国で5枠のため、3校目が注目されたが、準決勝で倉敷商と延長11回の接戦の末に敗れた広島新庄が6年ぶり2回目の選抜切符をつかんだ。
4試合中2試合が延長となりながら中国大会初優勝を果たした倉敷商は、甲子園でも持ち前の粘り強さで一戦必勝を誓う。
鳥取城北は、2015年春の米子北から鳥取県勢が甲子園で7連敗中だけにまずは初戦突破を狙う。
四国は優勝した明徳義塾(高知)が2年ぶり19回目、準優勝の尽誠学園(香川)が18年ぶり7回目の選抜となった。馬淵史郎監督率いる明徳義塾は昨夏の甲子園メンバーが多く残っており、高知3位からの四国王者。夏の甲子園は明徳が2002年に制したが、選抜は1985年の伊野商以来、高知県勢の優勝はないだけに、久々の大旗強奪に期待がかかる。
尽誠学園は2001、2002年選抜で連続8強入りするなど、かつては甲子園でも上位進出の常連だった。18年ぶりの聖地で溜まりに溜まった鬱憤を晴らすか。
九州も昨秋ベスト4の4校が順当に選出された。大分商との大分対決を制して優勝した明豊は2連続4回目の出場。昨年センバツは準決勝で習志野に敗れたものの堂々のベスト4入りを果たし、当時のメンバーが多く残っているだけに「昨春以上」が期待される。
大分商は23年ぶり6回目。元巨人の岡崎郁や、2019年ドラフトで明大から広島にドラフト1位指名された剛腕・森下暢仁らを輩出している名門だけに注目度は高い。
2018年に春夏連続出場を果たした創成館(長崎)は2年ぶり4回目。春夏通じて初出場となった鹿児島城西は、プロ野球のダイエーなどで活躍した佐々木誠監督が指揮を執るだけに話題を呼びそうだ。
21世紀枠は9校の候補の中から初出場の帯広農(北海道)、46年ぶり3回目の磐城(福島)、初出場の平田(島根)が選ばれた。
磐城は1971年夏に準優勝した古豪。身長165センチで「小さな大投手」と呼ばれたエース田村隆寿の力投で勝ち進み、決勝で桐蔭学園(神奈川)に敗れたものの、炭鉱の閉山で沈んでいた地元を活気づかせた。オールドファンが多いだけに、今大会注目の1校となりそうだ。
甲子園常連校の多い顔ぶれとなった今大会。最多出場は31回目の中京大中京、続いて29回目の県岐阜商、3位が24回目の天理となっている。
センバツ通算勝利数も同じ順位となっており、トップは中京大中京の55勝。2位が48勝の県岐阜商、3位は27勝で天理と智弁和歌山が並んでいる。
歴代ランキングでは昨年度のセンバツで優勝した東邦が通算56勝まで伸ばして単独1位となっているが、中京大中京が今大会で2勝以上すれば再び単独トップとなる。
また県岐阜商も通算48勝でPL学園(大阪)と並んでおり、1勝すれば単独3位に浮上。さらに天理と智弁和歌山は日大三(東京)とともに10位タイのため、いずれかが抜け出す可能性もある。その下には26勝の大阪桐蔭が1勝差に迫っており、一気に逆転する可能性もある。
また、天理は春夏通算でも75勝で東邦と6位タイで並んでおり、1勝すれば単独6位となる。
都道府県別に見ると、センバツ通算203勝で1位の大阪に次いで、愛知と兵庫が171勝で2位に並んでおり、中京大中京と明石商の進撃に単独2位がかかっている。
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