好走ゾーンは1、4、7番人気
昨年までの名称は「アーリントンカップ」。シカゴのアーリントンパーク競馬場は2021年に閉場されてしまい、阪神競馬場の提携先はケンタッキー州チャーチルダウンズ競馬場に変わった。
チャーチルダウンズ競馬場と言えば、ご存じケンタッキーダービーの舞台だ。今年は5月3日に開催される。本馬場入場を祝福する「マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム」の合唱は競馬の様式美のひとつ。アーリントンパークがなくなるなど、競馬の世界も移ろいが激しい米国だが、残すべきものは頑として変わらない。日本の競馬はヨーロッパの競走体系に米国のエンタメ感を注いだもの。GⅠのお祭り感は米国に由来する。
チャーチルダウンズの名を配したこのレースはNHKマイルCへのトライアル。開催時期が4月に移り、がぜん好走馬を送るようになっただけに、レース名が変わってさらに前進があるだろうか。データは4月に移った2018年以降、過去7年分のアーリントンCのものを使用する。
1番人気は【5-0-0-2】勝率・複勝率71.4%と極端。強いか負けるかだが、どちらかというと期待に応えると考えていい。買うならアタマから。そんな傾向だ。
このほか4番人気【0-2-3-2】複勝率71.4%、7番人気【0-2-1-4】複勝率42.9%と不思議なことに1、4、7番人気にツボがある。ちょっと麻雀のスジっぽい。対照的に6、8、9番人気は全敗。理由は謎だが、こういった偏りはデータとしては気になるところだ。
1、2戦は【0-0-0-14】とさっぱり。さすがに4月のトライアルとなると、キャリアの浅さは経験不足につながる。
この時期で2戦以下ということは、ケガによる長期離脱があったか、仕上がりが遅れたか。3歳冬デビューとなると、戦ってきた相手のレベルにも疑問符がつく。主力がデビューする夏、秋を勝ち抜いた馬たちとは差があるのも仕方ない。
とはいえ、5戦に【4-1-2-18】勝率16.0%、複勝率28.0%と山があるのは注目だ。大抵のトライアルは3、4戦が理想だが、このレースは5戦とそれなりに間隔をつめて経験を積んだ馬たちがいい。4戦【2-3-2-14】勝率9.5%、複勝率33.3%もあわせ、順調に勝ち上がってくるというより、多少重賞やオープンの壁にはね返されるぐらいの経験値がいきてくる。