「チチャリート」ハビエル・エルナンデスが52得点でトップ
サッカーの2022年FIFAワールドカップは11月20日からカタールで行われる。世界から予選を勝ち抜いた32カ国が集う4年に1度の「夢の祭典」。4月1日には本大会の組み合わせが決定した。決勝は12月18日(日本時間24時)に予定されている。
8大会連続出場を決めたメキシコ代表の得点ランキングは以下の通りとなっている。
1位に輝いたのはマンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリードでもプレーした経験があり、「チチャリート」の愛称で親しまれるハビエル・エルナンデスの52得点だ。
祖父のトーマス・バルカサルは1954年スイス大会、父のハビエル・エルナンデス・グティエレスも1986年メキシコ大会に出場しており、親子3代に渡ってW杯出場を果たしたサラブレッドだ。
圧倒的なスピードを武器に2009年9月30日のコロンビア戦でA代表デビュー。その試合でアシストをマークするとA代表に定着した。翌年の2010年南ア大会フランス戦で初得点。14年ブラジル大会ではクロアチア戦、18年ロシア大会では韓国戦で得点を挙げ、3大会連続ゴールを成し遂げた。
2019年9月のアルゼンチン戦を最後に代表招集されていないが、まだ33歳。現在はMLSロサンゼルスでプレーしている。
政治家転身のクアウテモク・ブランコは3位
2位には「ゴールデン・ヘッド」ハレド・ボルヘッティが46得点でランクインした。多くの日本人ファンの印象に残っているのは2002年日韓大会のイタリア戦だろう。クアウテモク・ブランコの左からのクロスにニアへ走り込み、体をひねりながら頭で逆サイドネットにねじ込んだ。
最終的に2位になったが、代表キャリアは順風満帆ではなかった。1997年のエクアドル戦で代表デビューを果たし、初得点もマーク。だが当時の豪華な攻撃陣に割って入ることはできず2000年まで代表から遠ざかった。
2002年日韓W杯北中米カリブ海予選トリニダード・トバゴ戦でハットトリックを記録して定着。その後はコンスタントに招集され、2008年まで代表でプレーした。
3位はクアウテモク・ブランコで39得点。母国の危機を何度も救った英雄だ。
2002年W杯日韓大会北中米カリブ海予選で苦戦していた際、元日本代表監督で当時メキシコ代表監督を務めていたアギーレ氏に呼び戻されて復帰し、W杯出場に貢献。2010年W杯南ア大会北中米カリブ海予選でも途中から復帰してチームを本大会へ導いた。
アイデア溢れるプレーが持ち味で、絶大なインパクトを残したのが1998年W杯フランス大会韓国戦。DF2人に囲まれながらボールを両足で挟んでジャンプしてかわす“蟹挟みドリブル”を披露した。2015年4月に現役引退。その後はモレロス州クエルナバカ市の市長やモレロス州知事を務めるなど政治家に転身した。
エルナンデスとエルモシージョが4位タイ
4位はルイス・エルナンデスとカルロス・エルモシージョの2人が35得点で並んでいる。
ルイス・エルナンデスはスピードのある突破力、並外れた闘争心、そして非凡な跳躍力を誇り「金髪の荒鷲」の異名を取った遅咲きのストライカーだ。メキシコ代表としては27歳だった1995年2月1日の親善試合ウルグアイ戦でデビュー。1998年W杯フランス大会に出場し、1次リーグ韓国戦、オランダ戦、決勝トーナメント1回戦のドイツ戦で計4得点。2002年日韓大会にも出場し、それを最後に代表引退した。
カルロス・エルモシージョは母国開催となった1986年W杯メキシコ大会と1994年アメリカ大会に出場。 ヘディングが強いストライカーだったが、母国開催ではベンチ入りするも出場機会なく、94年ではアイルランド戦とイタリア戦でのアシストのみ。得点を挙げることはできなかった。2006年12月にスポーツ委員会の委員長に就任した。
6位はエンリケ・ボルハが31得点で入った。1メートル68の小柄のストライカーで1960年代から70年代前半に活躍。1966年4月3日のグアダラハラ戦でデビューすると2得点。続く5月の国際親善試合チリ戦でも得点を挙げるとW杯イングランド大会の代表メンバーに選出された。1次リーグ初戦フランス戦で1得点を挙げた。
万能型ストライカー、ラウル・ヒメネスは30得点
7位はルイス・ホベルト・アウヴェスと現役代表のラウル・ヒメネスが30得点でランクイン。ルイス・ホベルト・アウヴェスは1メートル90の大型ストライカーでブラジル人の父とクロアチア人の母との間に生まれ、幼少期はブラジルで過ごした。
1993年のゴールド杯マルティニークで7得点(チームは9-0で勝利)を挙げるなど爆発力を持っていたが、W杯は1994年アメリカ大会の1回のみ出場。PK戦で敗れはしたものの決勝トーナメント1回戦ブルガリア戦では同点に追い付くPKを獲得した。
ラウル・ヒメネスは2013年1月にデンマーク戦でA代表デビューを果たし、2014年ブラジル大会と18年W杯ロシア大会に出場。空中戦の強さが光るが、典型的なナンバー9ではなく、動き出しや周囲を使うこともできる万能型ストライカーだ。2022年W杯カタール大会北中米カリブ海予選の最終節エルサルバドル戦で1得点を挙げ、8大会連続W杯出場に貢献した。
「メキシコ史上最高ストライカー」ウーゴ・サンチェスは29得点
9位にはウーゴ・サンチェス、ルイス・フローレス、ルイス・ガルシアの3人が29得点で並んでいる。
レアル・マドリードなどで活躍し、スペインリーグでは4年連続得点王の偉業を成し遂げたウーゴ・サンチェスは現在も「メキシコ史上最高ストライカー」と称される。W杯は1978年アルゼンチン大会、母国開催の1986年メキシコ大会、1994年アメリカ大会の3度出場。8試合1得点の成績を残している。
ルイス・フローレスもウーゴ・サンチェスと同時期に活躍した選手で1986年メキシコ大会に出場。パラグアイ戦で1得点を挙げるなど1次リーグでは全試合スタメン出場だったが、決勝トーナメントでは出番がなかった。
ルイス・ガルシアはウィンガーやセンターフォワードで活躍。1991年3月12日のアメリカ戦で代表デビューを果たし、94年W杯アメリカ大会1次リーグ・アイルランド戦で2得点。2度目の出場となった1998年フランス大会では出番がなかったが、1996年のアトランタ五輪ではオーバーエージ選手として出場した。
メキシコはカタールW杯ではアルゼンチン、サウジアラビア、ポーランドと同組。同国最高成績はともに母国開催となった1970年と1986年のベスト8。直近は7大会連続ベスト16となっている。カタールでは16強の壁を破れるか注目だ。
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