歴代1位の車範根は58得点のうち日本戦で6得点
サッカーの2022年FIFAワールドカップは11月20日からカタールで行われる。世界から予選を勝ち抜いた32カ国が集う4年に1度の「夢の祭典」。本大会の組み合わせ抽選は4月1日に行われ、決勝は12月18日（日本時間24時）に予定されている。
アジアではすでに韓国代表が10大会連続11度目の出場を決めている。日本代表の永遠のライバル「アジアの虎」の得点ランキングは以下の通りとなっている。
1位は“生きる伝説”車範根だ。高麗大1年の1972年5月7日、アジア杯イラク戦でA代表デビューを果たすと、1978年までの間の国際Aマッチ136試合で58得点。その後は韓国人初のブンデスリーガーとしてプレーしたため暫く代表から遠ざかったが、同国が86年メキシコW杯出場を決めると、要請に応じて代表へ復帰。メキシコW杯では3試合出場している。ちなみに日本戦では同国最多6得点。
爆発的なスピードと高い身体能力を活かしたプレースタイルは、当時欧州リーグをリードしたブンデスリーガでも圧倒的な存在感を示した。ブンデスリーガアジア人最多98得点を挙げ、UEFA欧州リーグで2回、DFBポカールで1度の優勝を手にしている。現在もドイツ国内ではレジェンドの1人として認知されている。代表監督としては1998年フランスW杯で2連敗。大会期間中に解任された。
2位は日本でもおなじみの黄善洪で50得点となっている。ポストプレーなど体を張ったプレーも上手かったが、何よりも浮き球に対する反応が抜群だった。1988年12月6日のアジア杯・日本戦でA代表デビューを果たし、いきなり先制点をマーク。代表に定着し、1990年イタリア大会から2002年日韓大会まで4大会連続でW杯に出場した。1994年アメリカ大会では1次リーグ第3戦ドイツ戦で1得点を決め、日韓大会でも1次リーグ初戦ポーランド戦で先制点を決めた。
クラブレベルでは1998年にセレッソ大阪に移籍。翌年シーズンは25試合で24ゴールを決め、J史上唯一の韓国人得点王に輝いた。
“天才”李同国は33得点で4位タイ
3位は1960年代後半から1975年前後まで活躍した朴利天の36得点だ。1969年にA代表デビューを果たすと、金在漢とのコンビでゴールを量産。優勝した1970年アジア大会、1972年アジア杯に出場した。日本戦にも強く計4得点を挙げている。
4位は朴利天とのコンビで韓国を支えた金在漢と“天才”李同国が33得点でランクインした。
金在漢は1メートル92の大型FWでポストプレーに長け、空中戦が得意。元々は野球選手になろうと思っていたが大邱高校の野球部が解散し、サッカーに本格的に取り組むようになったという。
李同国は1998年、高卒1年目にもかかわらずフランスW杯に出場。同い年でフランスW杯に出場した日本代表MF小野伸二（現札幌）とよく比較されるほど将来を嘱望されていた。
2002年の日韓W杯では直前に落選したが、その後に復調し、2010年南アフリカW杯に出場。アジア・チャンピオンズリーグでは歴代2位の36得点を挙げており、Kリーグでは通算547試合出場で歴代最多228得点をマークしている。
神戸でも活躍した金度勲ら4人が30得点で並ぶ
6位は4人が30得点で並んでいる。まず許丁茂は犬のようにしつこいプレーぶりから「珍島犬（チンドケ）」という愛称で、1986年メキシコW杯1次リーグ・アルゼンチン代表戦ではマラドーナをマンマーク。激しくぶつかり、マラドーナから「テコンドーで挑んできた」とコメントされた。
中盤ながら得点力も高く、同大会のイタリア戦では1得点を挙げている。代表監督としては2010年南アフリカW杯を指揮。ギリシャを下し、韓国人監督としては史上初のW杯勝利監督となった。
プロキャリアは11年間と短かったが崔淳鎬は“韓国サッカー史上最高の天才”とも呼ばれている。1986年メキシコ大会、1990年イタリア大会と2度のW杯に出場し、イタリア大会では同国主将を務めた。許丁茂と同じくメキシコ大会の1次リーグ・イタリア戦で奪った弾丸シュートは語り草となっている。
そしてヴィッセル神戸で活躍した“爆撃機”金度勲。巧さはないが、どんな厳しい態勢からでも強引にシュートが打てる強さを誇った。1998年フランスW杯出場。翌年1999年にはそれまで3戦全敗だったブラジル代表相手に決勝点を決め、初勝利に導いた。
現在の「アジア最高ストライカー」孫興慜もこの位置だ。小中学生時にはサッカー部に所属せず、元プロの父親から指導を受けた。2010年1月にドイツ1部ハンブルガーSVに入団。レヴァークーゼンを経て、現在はプレミアリーグ・トットナムでプレーする。
ゴール前に入る嗅覚、スピード、フィジカル、フリーランニングの質…全てが高次元で、アジア人では初めてプレミアリーグの年間ベストイレブンにも選出された。カタールW杯でもエースストライカーとして大きな期待がかかる。
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