カタールW杯欧州予選ポルトガル戦で決勝ゴール
サッカーの2022年FIFAワールドカップは11月20日からカタールで行われる。世界から予選を勝ち抜いた32カ国が集う4年に1度の「夢の祭典」。本大会の組み合わせ抽選は4月1日に行われ、決勝は12月18日(日本時間24時)に予定されている。
“ピクシー(妖精)”ことドラガン・ストイコビッチ監督に率いられたセルビア代表は、欧州予選最終節でポルトガルを撃破。土壇場で順位逆転に成功し、2大会連続3度目のW杯出場が決定した。
「東欧のブラジル」と謳われるチームの通算ゴール数ランキングは以下の通りとなっている(旧ユーゴスラビア代表およびセルビア・モンテネグロ代表歴をも含む)。
1位に輝いたのは現役代表のアレクサンダル・ミトロヴィッチの41得点だ。圧倒的な制空権を持つフィジカルモンスターは2013年6月7日、2014年ブラジルW杯欧州予選ベルギー戦でA代表デビュー。同年10月6日、クロアチア戦で代表初得点を挙げた。2018年ロシアW杯欧州予選では6得点を挙げ、同国のW杯出場に貢献した。
そして記憶に新しいのが、昨年2021年11月のカタールW杯欧州予選ポルトガル戦。試合終了間際にヘディングで勝ち越し得点を挙げた。それまで首位だったポルトガルを逆転し、同国の2大会連続出場の立役者となった。
2位はスティエパン・ボベクで、38得点を挙げている。1923年11月3日生まれのFW(もしくは攻撃的MF)はクロアチアU―21代表でプレーしていたが、第二次世界大戦が終わって間もない1946年5月9日に親善試合チェコスロバキア戦でユーゴスラビア代表デビュー。そして同年9月29日のチェコスロバキアとの再戦で初得点を決めた。
テクニックとアイデアで相手を翻弄。代表では2度の五輪銀メダルに輝き(1948年ロンドン、1952年ヘルシンキ)、W杯も2度出場した(1950年ブラジル大会、1954年スイス大会)。ブラジル大会では1次リーグ・メキシコ戦で1得点した。
3位はミラン・ガリッチとサヴォ・ミロシェヴィッチの37得点。ガリッチは1メートル73と小柄ながらヘディングで合わせることが得意であり、両足でのシュート精度も高かった。1959年5月31日・ブルガリア代表戦でデビュー。1960年のローマ五輪では決勝デンマーク戦を含む5試合7得点を挙げて優勝。同年の 欧州ネイションズカップ(現欧州選手権)では準優勝を果たした。
1962年チリW杯でも主力として5試合3得点。1930年ウルグアイW杯に並ぶ同国最高成績となる4位に導いた。インテリとしての顔も持ち、現役引退後は大学で法律を勉強。卒業後はユーゴスラビアサッカー協会の法律顧問を務めた。
ミロシェヴィッチは1メートル87の巨躯を活かしたプレーだけではなく足元の技術でも優れており、アストンヴィラ(イングランド)やサラゴサ(スペイン)で活躍。ユーゴスラビア代表としては1998 年フランスW杯、EURO2000に出場した。セルビア・モンテネグロ代表としては2006年ドイツW杯 出場。自身の代表ラストマッチとなった2008年11月19日のブルガリア戦はセルビア代表として出場した。
ハリルホジッチ監督の元チームメイト・バイェヴィッチは7位
5位はブラゴイェ・マリャノヴィッチの36得点がランクインした。第二次世界大戦前に活躍したストライカーで、同国初のプロサッカー選手。1926年6月28日の親善試合チェコスロバキア戦で代表デビューし、翌年1927年のブルガリア戦で初得点。1930年に開催された第1回W杯に出場し1次リーグ第2戦ボリビア戦で1得点。4位入りに貢献した。
6位はライコ・ミティッチで32得点。第二次世界大戦でユーゴスラビア人民解放軍の一員として戦い、その後は1945年に設立されたレッドスターベオグラードの初代主将に就任。卓越したリーダーシップを持つストライカーで、ユーゴスラビア代表としては2度の五輪に出場。1952年ヘルシンキ五輪では7得点を挙げて銀メダル獲得に貢献した。
W杯には1950年ブラジル大会、1954年スイス大会と2大会連続出場。またレッドスターとの絆は現役引退後も強く、2014年にはクラブの本拠地「スタディオン・ツルヴェナ・ズヴェズダ」が「スタディオン・ライコ・ミティッチ」に改名された。
7位に入ったのはドゥシャン・バイェヴィッチの29得点だ。1974年西ドイツW杯1次リーグ・ザイール戦でハットトリックを達成。2次リーグ進出に貢献した。ちなみに元日本代表監督のヴァヒド・ハリルホジッチ監督は、FKヴェレジュ・モスタルでプレーしていた時のチームメートでもあった。
日本でお馴染みのストイコビッチは15得点
8位のトドル・ヴェセリノヴィッチは1メートル71の小さなストライカーで28得点を記録している。W杯は1954年スイス大会、1958年スウェーデン大会に出場。58年大会は3得点を決めた。1956年メルボルン五輪で銀メダルを獲得している。
9位は「バルカンの速射砲」の異名を取ったプレドラグ・ミヤトヴィッチで国際Aマッチ73試合27得点を記録。足技とパワーが持ち味で、鋭い足の振りで得点を重ねた。代表としては1998年フランスW杯に出場し、クラブではバレンシアやレアル・マドリードで活躍した。
10位はボラ・コスティッチの26得点。左ウイングとセンターフォワードでプレーしたテクニシャンで、ガリッチとともに1960年ローマ五輪金メダリストに輝いた。1960年の欧州ネイションズカップで準優勝を果たし、大会ベスト11に選出されたのは大きな勲章だ。
戦前から活躍した選手が多く、名古屋で活躍したドラガン・ストイコビッチは国際Aマッチ通算84試合15得点となっている。また今冬フィオレンティーナから移籍金約100億円でユベントスに加入した22歳のFWドゥシャン・ブラホヴィッチは現在14試合7得点。次代のエース候補が今後どれだけ数字を積み重ねていくかも注目だ。
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