第1位:ジダンとフランス黄金期築いた点取り屋!ティエリ・アンリ(51得点・123試合)
サッカーW杯2度の優勝を誇り、記憶に残る時代の大選手を生み出すフランス代表。現在も多くの一流選手を抱え、カタールW杯でも優勝候補の一角に挙げられる。得点数でフランス代表に貢献した歴代トップ5の選手を紹介する(2022年4月1日現在)。
仏代表の歴史上、最も得点を挙げたのはアーセナルやバルセロナで活躍したティエリ・アンリだ。
1977年8月17日生まれのアンリは、プロ選手だった父親の保護のもと、めきめき頭角を現す。16歳でASモナコに入団し、アーセン・ベンゲルに実力を認められてトップチームでデビュー。その後イタリア・ユベントスを経て、ベンゲルが指揮する改革期のアーセナルに移籍する。
アンリは188センチの長身でフィジカルとスピードに優れ、華麗なボールテクニックでゴールとアシストを量産。裏抜けはもちろん、ドリブル突破で自らチャンスを創出できる上、ペナルティエリア内外からのミドル・ロングシュートでも得点できる。従来のウイングとストライカーの資質を兼ね備えたニュータイプのFWとして覚醒し、リーグ得点王に4度、リーグ年間最優秀選手に2度選ばれる大活躍を見せる。
その活躍は仏代表にも引き継がれる。1997年10月の南アフリカ共和国との一戦でフル代表デビュー後、本ランキング7位のジネディーヌ・ジダン(31得点・108試合)らと共演。123試合に出場して51得点をマーク(1試合平均0.443得点)し、1998年の仏W杯優勝、2006年のドイツW杯準優勝に貢献する。
アーセナルでも仏代表でも黄金期を生み出したアンリは、ジダンとともにサッカー界のレジェンドの一人として知られている。
第2位:フランス代表の新黄金期を支える長身FW!オリヴィエ・ジルー(48得点・112試合)
オリヴィエ・ジルーは1986年9月30日生まれのFWだ。2005-2006年シーズンにグルノーブルでキャリアをスタートし、仏国内のクラブでプレイ。2012年にアーセナルへ移籍し、プレミアリーグで活躍。チェルシー移籍後は2020-2021年シーズンにチャンピオンズリーグ優勝の立役者の一人となった。2021-2022年シーズンはイタリア・ACミランでプレイし、クラブの上位進出に貢献している。
味方からのコーナーキックやクロスに点で合わせる能力に長け、192センチの長身を活かしたヘディングシュートや、利き足の左足によるダイレクトシュートを多数決めている。ここしかないというタイミング・ポイントを捉える空間把握能力や、そこへいち早く走り込むスプリント力も秀逸だ。
代表では2010年11月のアメリカ戦でデビュー。2018年のロシアW杯ではグループリーグ含めて全試合に出場し、キリアン・エムバペやアントワーヌ・グリーズマンらと組んで強力な攻撃陣を形成し、優勝に貢献した。同大会で無得点だったため得点力がないイメージもあるが、代表では112試合に出場して48得点をマーク。1試合平均0.428得点という高い得点率を誇る。
ジルーは現役でプレイする代表選手であり、3月30日に実施された南アフリカ戦などにも出場しているが、カリム・ベンゼマが代表復帰して以降、ポジション争いが激化。代表でのキャリアも終盤に差しかかっており、アンリの記録を越せるか、瀬戸際の状況だ。
第3位:万能型のセカンドストライカー!アントワーヌ・グリーズマン(42得点・104試合)
近年、バルセロナからアトレティコ・マドリードに出戻り移籍を果たしたFWアントワーヌ・グリーズマン。1991年3月21日に仏マコンで生まれ、プロとしてのキャリアは、レアル・ソシエダでのデビュー以来、現在にいたるまでスペインで積んでいる。
グリーズマンは、センターフォワードの他にトップ下や左ウイングでもプレイできるユーティリティー性に優れ、アシストも多い。前線で守備のタスクもしっかりこなす現代的なFWであり、セカンドストライカーの役割を担うことが多い。
ただしフィニッシュは技術も精度も高く、ミドルレンジのシュートやドリブルシュート、ループシュート、時にはバイシクルやボレーなど高難度のシュートも決めている。176センチと小柄ながらヘディングでの得点も少なくない。フリーキックやPKのキッカーも任されている。
代表では現在104試合に出場して42得点をマーク(1試合平均0.403得点)。ロシアW杯でも4得点を記録し、母国を優勝に導く活躍を見せた。現代表のディディエ・デシャン監督の信頼も厚く、カタールW杯での躍進も期待される。先発すればPK・FKも含めて得点チャンスが多く、第2位のジルーより早く代表50得点に到達するかもしれない。
第4位:ジダンと並び立つフランスの将軍!ミシェル・プラティニ(41得点・72試合)
仏サッカー界の歴史において、ジダンと並び語られる重要人物がミシェル・プラティニだ。
1955年6月21日に生まれたプラティニは1972年にASナンシーでプロのキャリアを開始。その後もサンテティエンヌ、イタリア・ユベントスでプレイし、各クラブで得点を量産した。ナンシー在籍時の1974-1975年シーズンからユベントス時代の1985-1986年シーズンまで二桁得点をマーク。各国リーグ戦のみならず、UEFA欧州選手権でも目覚ましい活躍を見せた。セリエA得点王やバロンドールに3度選ばれるなど個人タイトルも多数獲得している。
プラティニは、ディエゴ・マラドーナやロベルト・バッジオとも比較されるファンタジスタタイプの選手。トップ下やセカンドストライカーのポジションをこなすことが多く、相手の意表を突く、イマジネーション豊かなドリブル・パス・シュートで敵陣を切り裂いた。FKの名手としても知られる。
仏代表としては、1976年3月のチェコスロバキア戦でデビューを飾り、1987年まで約11年にわたってチームを牽引。“シャンパン・サッカー”と称される華麗なパス回しのサッカーを展開し、世界を魅了した。また1試合平均0.569得点という高い決定率を誇り、72試合で41得点をマークしている。
引退後もサッカー界への影響は強く、仏代表監督やUEFA会長など要職のポストを歴任している。
第5位:現レアル・マドリードの顔!カリム・ベンゼマ(36得点・94試合)
レアル・マドリードでの活躍が有名なカリム・ベンゼマは、1987年12月19日に生まれ、2004年にリヨンBでプロ選手としてキャリアをスタート。リヨンでの活躍が認められ、2009年からスペインの名門レアルでプレイしている。
ベンゼマは185センチの体躯を活かしたポストプレイやパワープレイはさることながら、繊細なドリブルやパスもできる万能FWだ。プレイの幅が広く、中央のみならずサイドに流れて自ら得点チャンスを創出する。アシスト数も多く、各シーンに応じて効果的なプレイを判断・選択できる。シュートはヘディング含めて技術・精度ともに申し分なく、どのエリアでも得点を狙うことができる。
クリスティアーノ・ロナウドがレアルでエースストライカーとして活躍していた時代は、2番手のストライカーの地位に甘んじていた。しかしロナウド退団以後はエースとして君臨。現在もレアルFWのファーストチョイスとして先発し、不仲が一時報じられたヴィニシウス・ジュニオールとの連携も良好。数々のゴールを生み出している。
代表でも2007年3月のオーストラリア戦以来、活躍を続けていたが2015年に恐喝容疑で逮捕される事件を起こし、代表選外となった。復帰したのは、無罪が確定した後に選ばれたEURO2020(2021年開催)。約6年代表から遠ざかっていたものの、94試合に出場して36得点を記録している(1試合平均0.382得点)。もし6年間の空白がなければ……と悔やまれる選手だ。
現フランスの絶対エース! キリアン・エムバペは12位(26得点・54試合)
ロシアW杯でベンゼマの代わりに大活躍を見せたのが、若くして10番を背負ったキリアン・エムバペだ。1998年12月20日生まれのエムバペは、16歳ながらモナコBでプロ生活をスタートし、2016年2月に初得点をマーク(17歳26日)。ティエリ・アンリが持っていたモナコの最年少得点記録を塗り替えた。
モナコのトップチームで快速FWとして存在感を高め、2017年に仏名門パリ・サンジェルマンへレンタル移籍。リーグやCLでの活躍を認められて翌シーズンには完全移籍。ネイマールやリオネル・メッシと並ぶ大選手として評価されている。
中央と左右のウイングでプレイできるエンバペは圧倒的なスピードを誇り、トップスピードに乗りながらボールを正確にトラップ・パス・シュートできる高い技術をあわせ持つ。また、止まった状態からでも急発進するドリブルやミドルレンジからのコントロールショット、アシストができる。ボールを持っていてもいなくても決定的な仕事に関与できる世界屈指のプレイヤーだ。
代表には、2017年3月のルクセンブルク戦で18歳にしてデビュー。2018年のロシアW杯では10番を背負い、鮮烈なパフォーマンスを披露。優勝に大きく貢献する。特にメッシ率いるアルゼンチンとの一戦では、快速を飛ばして1点目のPKをお膳立てするファウルをもらったのみならず、2得点を決めて世界に強烈なインパクトを残した。
現在代表では54試合に出場し、26得点をマーク。1試合平均得点率は0.481を誇り、本ランキングの上位勢に引けを取らない数字だ。今後も怪我せずパフォーマンスを維持すれば、フランス代表の歴代記録を塗り替える可能性も秘めている。
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