阪神・近本光司は3年連続100安打、リーグ1位タイの17盗塁
野球において1番打者の果たす役割は重要だ。打線のいいチームや優勝チームには、優秀なリードオフマンがいることが多い。
今季前半戦のセ・リーグ各球団で、最も多く1番として先発出場した選手を比較してみよう(成績は1番以外で出場した試合も含む)。
首位を走る阪神は近本光司が不動の1番だ。2年連続盗塁王の俊足と2019年にセ・リーグ新人最多記録となる159安打をマークした打撃は健在。今季も3年連続となる100安打をすでに達成しており、盗塁もリーグ1位タイの17個を記録している。三振も少なく、打率.292、出塁率.328は立派と言えるだろう。
今季は佐藤輝明という大物ルーキーが加入し、打線に厚みが増した。サンズやマルテら外国人も好調だけに、後半戦も近本が出塁してかき回せば優勝に近付くはずだ。
巨人・松原聖弥は復調期待、ヤクルト塩見泰隆は17盗塁
巨人はFAで加入した梶谷隆幸が1番で固定できず、トップバッターとして最も多く出場しているのは松原聖弥。昨季一軍初出場したばかりの育成出身5年目だが、今季も77試合に出場して打率.273、出塁率.325を記録している。
東京五輪期間中に行われているエキシビションマッチで不振に陥っているが、逆転優勝に向けて後半戦のカギを握る一人だろう。
JX-ENEOSから入団4年目のヤクルト・塩見泰隆は重要な役割を果たしている。シーズン序盤は山崎晃大朗が1番で起用されていたが、5月から塩見が切り込み隊長に定着。計80試合に出場してリーグ7位の打率.298、出塁率も同7位の.382、近本と並んでリーグトップタイの17盗塁をマークしている。
2番以降に青木宣親、山田哲人、村上宗隆と強打者が並ぶだけに後半戦も期待がかかる。
DeNA桑原将志リーグ3位の打率.318
中日は昨季まで2年連続最多安打のベテラン・大島洋平が今季もリードオフマンとして活躍。打率.297、出塁率.346をマークしており、盗塁も11個。11月で36歳になるが、得点力不足にあえぐチームにおいて、まだまだ存在価値は高い。
広島はリーグ3連覇した2018年までは田中広輔が切り込み隊長だったが、最近は西川龍馬や野間峻祥らが代役を務め、今季は菊池涼介が1番として最多出場している。シーズン序盤は打率トップを走っていたものの、前半戦終了時点では.288、出塁率.337。つなぎ役が多い2番から、慣れない1番に移った割には十分な成績だろう。
リーグ1位のチーム打率を誇るDeNAでリードオフマンを務めるのが桑原将志。昨季は打率1割台だったが、今季はリーグ3位の打率.318をマークしている。後ろに佐野恵太、オースティン、宮﨑敏郎の強力クリーンアップが控えており、リーグ3位の54得点とホームを踏む機会も多い。福知山成美高から入団10年目の今季は飛躍のシーズンとなりそうだ。
1番打者の比較としては、現段階では過去の実績も含めて、近本がわずかにリードしているだろうか。個性豊かな各球団のトップバッターが後半戦でどんな活躍を見せるか注目だ。
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