NPBのみでは杉内俊哉と和田毅が142勝で並ぶ
西武の松坂大輔が引退を表明した。1998年の甲子園で春夏連覇、決勝でノーヒットノーランという実績を引っ提げて西武に入団し、日米で活躍して22年。一つの時代の終焉を感じさせる。
1980年度生まれの同世代選手のフラッグシップとしても知られた松坂。同期には甲子園で活躍した選手も多く、プロ入り後も成功を収めた選手もいた。彼らは「松坂世代」と呼ばれ、切磋琢磨して平成のプロ野球界を盛り上げた。
松坂世代でNPBの一軍公式戦に1試合でも出場した選手は外国人選手を除くと77人いる。そのうち投手43人の勝利数10傑と50セーブ、50ホールド以上、300登板以上をランキングにしたのが下の表だ。
現時点では杉内俊哉と「松坂世代」で唯一の現役選手である和田毅が142勝で並んでいる。和田は今季4勝を挙げて元僚友・杉内の記録に並んだ。後半戦には単独1位になる可能性が高い。
松坂は114勝で3位。フラッグシップでありながら、トップにはなれなかった。しかし、松坂はMLBで56勝43敗を挙げている。和田、藤川球児、多田野数人もMLBに挑戦しているが、MLBで和田は5勝5敗、藤川は1勝1敗、多田野も1勝1敗だった。日米通算では松坂が170勝108敗で1位、和田が147勝81敗で2位となっている。
救援投手では、藤川が243セーブ163ホールド、次いで永川勝浩が165セーブ79ホールド。ともに平成を代表するクローザーと言える。だが、残念なことに、名球会入りの基準である「200勝」「250セーブ」に到達した投手はいない。
松坂でも200勝には30勝足りなかった。MLBで2セーブを挙げている藤川も245セーブで、5セーブ足りない。最終年となった2020年に一時期復活した際、2セーブを挙げ大台到達かと思われたが、達成することなく引退を表明した。
他にも阪神で藤川と共に「勝利の方程式」を組んだ久保田智之や、ロッテ、阪神、DeNAで二桁勝利を挙げた久保康友ら目覚ましい活躍をした投手がいる。