クローザーとして活躍したサンチェ
日本プロ野球界では世界各国の選手がプレーしてきた。その中でベネズエラ出身のベストピッチャーは誰だろうか。まずは主な投手から見ていこう。
ルイス・サンチェは1986年に巨人に入団し、クローザーとして活躍した右腕。重い速球を武器に、1年目は4勝1敗19セーブ、防御率2.32と好成績を残した。しかし、2年目は3敗9セーブと振るわず、1987年限りで退団。NPB通算成績は4勝4敗28セーブだった。
登録名は「ウィン」だったエドウィン・ハタドは1998年にオリックスに入団。1年目は先発、中継ぎ、抑えとフル回転し、8勝5敗7セーブの成績だった。翌1999年オフに退団するまでNPB通算12勝7敗11セーブの成績を残した。
ダーウィン・クビアンは2004年に阪神の秋季キャンプでテストを受けて入団し、「ダーウィン」で登録された。2005年はウエスタンリーグで9勝を挙げて最多勝。2年目は1軍で49試合に登板し、1勝2敗2セーブ12ホールドをマークするなど、NPB3年で通算3勝5敗2セーブ18ホールドの成績を残した。
17試合連続ホールドのバリオス
レビ・ロメロは2009年に育成契約で巨人に入団し、2011年に1軍で1勝3敗11セーブ8ホールドをマークした。2012年のシーズン中に久米勇紀、立岡宗一郎との2対2の交換トレードで、福元淳史とともにソフトバンク移籍。しかし、結果を残せず同年限りで退団し、2014、2015年はBCリーグの群馬でプレーした。
17試合連続ホールドの日本タイ記録を持つのがエディソン・バリオスだ。関西独立リーグの神戸サンズでプレーしていた2011年のシーズン中にソフトバンク入団。2015年の開幕2戦目から2カ月足らずで、阪神・藤川球児の持つ17試合連続ホールドに並んだ。
2016年オフにソフトバンクを退団後、翌2017年はBCリーグの富山でプレー。2018年からDeNAに加入し、2年間で17試合に登板した。NPB通算成績は5勝12敗1セーブ23ホールドだった。
エンジェルベルト・ソトは2011年、中日の春季キャンプに参加し、テスト入団。2年で計9勝を挙げた。2013年からはDeNAに移籍し、2014年には初セーブを挙げるなど1勝1敗1セーブ8ホールド。NPB通算4年で11勝6敗1セーブ12ホールドの成績を残した。
通算53ホールドのエスコバー
ギジェルモ・モスコーソは2014年にDeNA入りし、24試合に先発して9勝をマーク。NPB計3年で通算17勝22敗2ホールドだった。
エドウィン・エスコバーは力強いストレートと高速スライダーが武器の左腕。2017年に日本ハムに入団して5月に初勝利を挙げたが、外国人枠の兼ね合いもあり、同年7月に黒羽根利規捕手との交換トレードでDeNAに移籍した。新天地では中継ぎ、セットアッパーとして活躍し、2019年にはリーグ最多の74試合に登板。NPB計3年で通算11勝12敗2セーブ53ホールドの成績を残している。
ベネズエラ出身の野手に比べると小粒であることは否めないが、投手も個性派が揃う。では、ベストピッチャーは誰だろう。実績からサンチェ、ダーウィン、バリオス、ソト、エスコバーに絞り、5投手のNPB通算防御率、1イニングあたり何人の走者を出したかを示すWHIP、9イニングあたりの奪三振数を示すK/9、9イニングあたりの被本塁打数を示すHR/9を比較した。
K/9はエスコバーが9.48とずば抜けているが、残りの3項目はサンチェがトップ。被本塁打は2年でわずか2本だったことが示すように、抜群の球威で勝ち試合を締めくくったサンチェを、ベネズエラのベストピッチャーに推したい。
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