2試合連続3発放ったカリーム・ガルシア
日本プロ野球界では世界各国の選手がプレーしてきた。その中でメキシコ出身のベストプレーヤーは誰だろうか。まずは主な選手を見ていこう。
マリオ・バルデスは2004年シーズン中に近鉄に入団した左打者。7月から合流して36試合で27安打、そのうち9本がホームランだった。打率.213に比べて長打率は.496と高かったが、その年オフに近鉄がオリックスと球団合併したため退団した。
メジャー通算66発を誇る左のスラッガー、カリーム・ガルシアがオリックス入りしたのは2005年だった。8月10、11日の楽天戦で史上初の2試合連続1試合3発という離れ業を演じるなど、打率.307、21本塁打をマーク。翌2006年も期待されたが、13本塁打に終わり、この年限りで退団となった。
ルイス・ガルシアは2011年シーズン中に楽天入団。シーズン終盤には4番を務めるなど、8本塁打、34打点の成績を残した。2年目は77試合出場で7本塁打に終わり、同年限りで退団した。
「あまちゃん」と親しまれたアマダー
ルイス・クルーズは2013年オフにロッテと契約した右打ちの内野手。2014年、2015年とも16本塁打をマークした。守備でも内野をどこでもこなせる器用さを見せ、華麗なグラブさばきでたびたび投手を助けた。
契約交渉で折り合わず、2015年オフに巨人へ移籍したが、1年目はケガもあって81試合出場にとどまった。2年目のシーズン中に金銭トレードで楽天に移籍したものの、結局この年限りで退団。NPB通算4年で打率.244、43本塁打、176打点の成績を残した。
2016年から楽天に加入し、NHK連続テレビ小説に引っかけて「あまちゃん」の愛称で親しまれたのがジャフェット・アマダーだ。1年目は39試合の出場にとどまったが、2年目の2017年は23本塁打、65打点をマークし、クライマックスシリーズ進出に貢献した。
2018年シーズン中にドーピング検査で陽性反応を示したため出場停止。そのまま退団となった。NPB通算3シーズンで52本塁打、126打点の成績だった。
現役で唯一のメキシカンがクリスチャン・ビヤヌエバ。2019年は巨人でプレーし、73試合出場で8本塁打、24打点。同年オフに日本ハムと契約した。
では、メキシコ出身選手のベストプレーヤーは誰だろう。バルデスは出場試合数が少ないため対象外とし、残り5選手のNPB通算打率、出塁率と長打率を足したOPS、長打力を示すIsoP、本塁打を打つまでに要する打席数を示すAB/HR、選球眼を示すIsoDの5項目を比較してみた。
カリーム・ガルシアが打率.281、OPS.804で2項目トップ、アマダーがIsoPが.234、AB/HRが14.63で2項目トップとなっている。甲乙つけがたい両者だが、野球の華であるホームランをより多く打ったアマダーをメキシコ出身のベストプレーヤーに推したい。