9試合で7本塁打放った呂明賜
新型コロナウイルスの影響で日本のプロ野球はいまだ開幕していないが、台湾では世界に先駆けて4月12日に開幕した。楽天モンキーズが開幕7連勝の好スタートを切るなど、いつになく注目度の高い中で盛り上がっていることが日本でも報道されている。
これまで日本のプロ野球でも台湾出身選手が活躍した例は少なくない。果たしてベストプレーヤーは誰だろうか。まずは主な野手から見ていこう。
呉昌征は「KANO 1931海の向こうの甲子園」として映画化もされた台湾・嘉義農林の選手として甲子園に出場。卒業後の1937年に巨人に入団した。太平洋戦争を挟んで阪神、毎日と移籍し、首位打者やMVPにも輝くなど、通算20年で1326安打をマーク。戦後の混乱期には投手としても登板し、通算15勝を挙げている。
1988年に巨人・呂明賜が登場した時のインパクトは強烈だった。入団当初は2軍暮らしだったが、6月にクロマティの故障で突如巡ってきたチャンスを活かし、初打席初本塁打。そこから9試合で7本塁打を放つという離れ業を演じ、背番号97のユニフォームにいかつい風貌が大きな話題となった。
ただ、その後は他球団から研究され、外国人枠もあって出番に恵まれず、NPB通算4年で18本塁打、49打点に終わった。巨人を退団後は台湾の味全などでプレーした。
大豊泰昭は台湾出身選手最多の277本塁打
台湾出身選手で最多となる277本塁打を放ったのが大豊泰昭だ。高校卒業後に来日し、名古屋商科大に入学すると、愛知大学リーグ新記録の24本塁打をマーク。卒業後、日本人扱いにするために中日球団職員として1年間過ごし、1988年ドラフト2位で中日に入団した。
1994年には38本塁打、107打点で二冠王。1996年にもタイトルには届かなかったが38本塁打を放った。1997年オフに関川浩一、久慈照嘉との2対2の交換トレードで矢野輝弘とともに阪神へ移籍し、3年間で62本塁打。2001年から古巣・中日に復帰し、2002年限りで現役引退した。
林威助は中学卒業後に来日し、柳川(福岡)で高校通算47本塁打をマーク。近大では2度、ベストナインに選ばれ、2002年ドラフト7位で阪神に入団した。2006年から「ミスタータイガース」掛布雅之が着けていた背番号31を背負うなど大きな期待をかけられ、2007年にキャリアハイの15本塁打、58打点。2013年に阪神を退団後は、母国・台湾でプレーした。
FAで巨人入りした陽岱鋼
福岡第一高時代に39本塁打をマークし、俊足強打の外野手として注目された陽岱鋼は、2005年ドラフト1位で日本ハム入団。2013年に47盗塁でタイトルを獲得し、2014年には打率.293、25本塁打、85打点と好成績を残した。
2016年オフにFA宣言し、巨人に移籍。ただ、2017年からの3年間で計206安打、23本塁打、91打点、6盗塁と、期待に応えているとは言い難い成績だ。まだ33歳。老け込む年齢ではないので奮起に期待したい。
台湾プロ野球で「大王」と呼ばれ、2016年に台湾球界史上最高の打率.414をマークした王柏融。2018年オフに鳴り物入りで日本ハム入りしたが、NPB1年目の2019年は88試合出場で、打率.255、 3本塁打、35打点と物足りない成績に終わった。今後は日本野球への順応が課題だろう。
歴代の台湾出身選手で安打数は呉昌征がトップ、本塁打数は大豊泰昭がトップだが、総合的に見れば、陽岱鋼がベストプレーヤーと言えるのではないだろうか。巨人では本領発揮できていないが、日本ハム時代の実績は文句ないし、まだ現役のため今後も数字は積み上がっていく。走攻守3拍子揃ったプレーで、まだまだ日本のファンを魅了してほしいものだ。
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