ソフトバンクの日本一に貢献したモイネロ
日本プロ野球界では世界各国の選手がプレーしてきた。その中でキューバ出身のベストピッチャーは誰だろうか。まずは主な投手を見ていこう。
ラウル・バルデスは2015年から中日でプレーした左腕だ。スライダー、チェンジアップ、ツーシームなどをコーナーに投げ分け、先発として活躍。1年目から5勝8敗、6勝7敗、6勝9敗と負けが先行したが、NPB3年間の通算防御率は3.49と悪くなかった。
ヨスラン・エレラは2015年にDeNA入団。主にセットアッパーとして起用され、5勝4敗22ホールドの成績を残した。翌2016年は右肩痛で1軍登板なしに終わり、同年オフに退団した。
育成枠から出世を遂げる選手が多いソフトバンクにおいて、リバン・モイネロもその一人だ。21歳だった2017年に育成契約でソフトバンク入りし、同年6月に支配下登録。左腕から繰り出すキレのいいストレートと変化球を駆使して、いきなり4勝3敗1セーブ15ホールドの活躍を見せ、リーグ優勝に貢献した。
2年目も5勝1敗13ホールド、3年目の2019年には3勝1敗4セーブ34ホールド、防御率1.52の好成績で日本一に貢献した。
来日1年目に13勝挙げたガルシア
ライデル・マルティネスは2017年に中日入りし、2018年に来日初勝利を挙げた。2019年には中継ぎやクローザーを務め、1勝4敗8セーブ14ホールドをマーク。2020年から新たに2年契約を結んでいる。
2018年に中日に入団したオネルキ・ガルシアは、190センチの長身から投げ下ろす速球とスライダー、チェンジアップなどの変化球を武器に、いきなり13勝9敗、防御率2.99という好成績をマーク。助っ人外国人が1年目から2桁勝利を挙げたのは2000年のバンチ以来だった。
オフの契約交渉が決裂し、阪神へ移籍。2019年は6勝8敗、防御率4.69と今ひとつだったが、2020年も阪神に残留となった。
アリエル・ミランダはマリナーズ時代にメジャー通算13勝を挙げ、2018年シーズン中にソフトバンク入りした。1年目は8試合に先発して6勝1敗、防御率1.89の好成績。クライマックスシリーズや日本シリーズでも好投し、日本一に貢献した。2年目の2019年は18試合で7勝5敗、防御率4.19の成績で退団。オフに台湾・中信兄弟と契約した。
モイネロのK/9は2019年でもトップの11.49
さて、野手に比べると小粒なイメージもあるキューバ出身投手だが、ベストピッチャーは誰だろう。6投手のNPB通算成績を比較してみた。
モイネロは防御率2.75、1イニングあたり何人の走者を出したかを示すWHIPは1.08、9イニングあたりの奪三振数を示すK/9は11.49で、いずれもトップ。9イニングあたりの被本塁打数を示すHR/9はエレラが0.35でトップだが、モイネロも0.70と悪くない。
仮に2019年の12球団トータルの成績に当てはめると、防御率は5位(2019年1位は山本由伸の1.95)、WHIPは4位(2019年1位は有原航平の0.92)、K/9は1位(2019年1位は千賀滉大の11.33)、HR/9は6位(2019年1位は山口俊の0.42)となる。
キューバ出身のベストピッチャーはモイネロで間違いなさそうだ。まだ24歳と若いだけに、今後のさらなる成長を楽しみに待とう。
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