メジャー本塁打王のオグリビー
日本プロ野球界では世界各国の選手がプレーしてきた。その中でパナマ出身のベストプレーヤーは誰だろうか。まずは主な選手を見ていこう。
1960年代後半から1970年代前半にNPBでプレーしたデーブ・ロバーツはパナマ出身だった。同姓同名の現ドジャース監督とは別人。
1967にサンケイ・アトムズ(現ヤクルト)に入団し、左打ちの長距離砲として活躍した。1968年には40本塁打、94打点、翌1969年にも37本塁打、95打点をマーク。近鉄に移籍した1973年に退団するまで、NPB通算7年で183本塁打、492打点の成績を残した。
ベン・オグリビーは長くメジャーでプレーし、ブルワーズ時代の1980年に41本塁打でタイトルを獲得するなど、MLB通算235本塁打の実績を引っ提げ、1987年に鳴り物入りで近鉄に入団した。すでに38歳とピークは過ぎていたものの、1年目は24本塁打、74打点、2年目の1988年も22本塁打、65打点をマーク。同年は「伝説の10・19」と語り継がれるロッテとの最終戦に4番DHで出場しており、優勝を逃して無念の退団となった。
パ・リーグ3球団を渡り歩いたセギノール
シャーマン・オバンドーは1999年のシーズン途中に日本ハム入団、94試合に出場して20本塁打を放った。翌2000年には打率.332、30本塁打、101打点をマーク。タイトルには届かなかったが、ベストナインに選出された。
2002年オフに一度、退団したが、2004年にテストを経て日本ハムに復帰。翌2005年までプレーし、NPB通算6シーズンで102本塁打、314打点を挙げた。
パ・リーグ3球団を渡り歩いたフェルナンド・セギノールは左右両打ちのパワーヒッターだった。2002年にオリックス入りし、1試合左右両打席本塁打を3度もマークするなど23本塁打を放ったが、同年オフに退団。翌2003年はアメリカに戻ってヤンキース3Aでプレーし、2004 年に日本ハム入りして2年ぶりにNPB復帰した。同年は打率.305、44本塁打、108打点の好成績で本塁打王。2006年には26本塁打で優勝に貢献するなど、日本ハムの4年で122本塁打をマークした。
高年俸がネックとなり、2007年限りで退団。いったんアメリカに戻っていたが、翌2008年7月に楽天と契約。2シーズンで計27本塁打を放った。
2009年オフに再び退団してアメリカに戻ったが、翌2010年6月にオリックスと契約。古巣復帰となったが、わずか11試合の出場に終わり、同年限りで退団した。NPB通算8シーズンで172本塁打、483打点をマークしている。
「パナマウンガ―!」のズレータ
日本で最も有名なパナマ出身のプロ野球選手はフリオ・ズレータかも知れない。ヒーローインタビューなどで「パナマウンガ―!」と絶叫するパフォーマンスでファンに愛された強打者だ。
2003年シーズン途中にダイエーに入団すると、翌2004年は37本塁打、100打点、2005年は43本塁打、99打点の好成績。2007年から2年間はロッテでプレーし、NPB通算6シーズンで145本塁打、417打点をマークした。
パナマ出身の選手は個性的でファンに愛され、記憶にも記録にも残るスラッガーが多い。では、ベストプレーヤーは誰だろうか。5選手のNPB通算打率、出塁率と長打率を足したOPS、長打力を示すIsoP、本塁打を打つまでに要する打席数を示すAB/HR、選球眼を示すIsoDの5項目で比較してみた。
表の通り、各項目のトップを見事に5選手が分け合っている。打率は.306のオグリビー、OPSは.916のオバンドー、IsoPとAB/HRはズレータ、IsoDは.087のロバーツとセギノールがトップで並んだ。
いずれも大きな差はなく、誰を選んでも異論はあるだろうが、唯一2項目でトップだったズレータをベストプレーヤーに推したい。いずれにせよ、パナマ出身選手が日本球界に大きな足跡を残したことは間違いない。
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