日大山形vs鶴岡東【山形県】
高校野球で甲子園に出場するためには、地方大会でどうしても勝たなければいけない相手がいる。同一都道府県でしのぎを削ってきた宿命のライバルを紹介していく。
長く山形高校球界の中心にいるのが日大山形。1963年夏に甲子園初出場して以降、春4回、夏17回の出場を果たしている。最高成績は2013年夏のベスト4。4番を務めた奥村展征(現ヤクルト)は同年ドラフト4位で巨人に入団した。
ここ5年で3度、夏の甲子園に出場しているのが鶴岡東だ。鶴商学園時代の1978年夏に初の甲子園出場を果たしたものの、東海大山形や酒田南に押された時期もあった。しかし、鶴岡東に校名変更後の2011年夏に30年ぶりに出場すると強さを取り戻し、2015年夏、2016年夏に連続出場。2019年夏は高松商、習志野を破って3回戦進出した。
智弁和歌山vs市和歌山【和歌山県】
第1回大会から出場している和歌山中(現桐蔭)や2度の全国制覇を誇る海草中(現向陽)、1979年春夏連覇の箕島など「野球王国・和歌山」の系譜を受け継ぐのが智弁和歌山だ。1994年春、1997年夏、2000年夏と3度の優勝を果たし、プロ野球にも多数の選手を輩出している。
甲子園最多勝の高嶋仁監督が勇退後も、1997年優勝時の主将だった中谷仁監督(元阪神など)が指揮を執っており、強豪としての地位は盤石だ。2017年夏から5季連続出場し、2018年春は準優勝だった。
智弁和歌山を追いかけるのが市和歌山。市和歌山商時代の1965年センバツ決勝で、平松政次(元大洋)擁する岡山東商に敗れたものの準優勝を果たしたのが最高成績。2019年夏はベスト8進出した。藤田平(元阪神)、正田耕三(元広島)、川端慎吾(現ヤクルト)、益田直也(現ロッテ)らは同校OB。
宇部鴻城vs下関国際【山口県】
近年、勢力地図が塗り替わってきたのが山口県。宇部商や下関商、岩国などに替わり、宇部鴻城と下関国際の新興勢力が台頭している。
宇部鴻城は2003年春に甲子園初出場。2012年夏、2019年夏は3回戦に進出した。
一方の下関国際は2017年夏に初出場。3季連続出場となった2018年夏はベスト8進出している。いずれにせよ、高川学園や南陽工なども含めた「戦国時代」は当面続きそうだ。