早稲田実vs日大三【西東京】
高校野球で甲子園に出場するためには、地方大会でどうしても勝たなければいけない相手がいる。同一都道府県内でしのぎを削ってきた宿命のライバルを紹介していく。
強豪の多い西東京の中でも、ライバル的存在と言えば早稲田実と日大三だろう。ともに春夏ともに優勝経験のある名門中の名門だ。
1915年(大正4年)の第1回大会に出場している早稲田実は、1957年センバツでエース王貞治が力投して初優勝。1980年夏の甲子園では1年生の荒木大輔が「大ちゃんフィーバー」を巻き起こして準優勝し、以降5季連続出場した。
さらに2006年夏は斎藤佑樹(現日本ハム)が駒大苫小牧・田中将大(現ヤンキース)の延長15回引き分け再試合の投げ合いを制して、夏初めての優勝。清宮幸太郎(現日本ハム)が1年生だった2015年夏はベスト4進出するなど、多くのスター選手を擁して実績を挙げてきた。
一方の日大三も歴史は古い。甲子園初出場は日大三中時代の1938年センバツ(1回戦で滝川中に敗戦)。1971年センバツ決勝で大鉄(大阪)を破って初優勝し、2001年夏には決勝で近江(滋賀)を退けて全国制覇を果たした。さらに2011年夏にも高山俊(現阪神)らの活躍で頂点に立った。
両校が死力を振り絞った激闘が2017年春季東京大会決勝。神宮に2万人が詰めかけた一戦は、清宮が2本塁打を放つなど激しい打撃戦となり、延長12回、18-17で早実がサヨナラ勝ち。昼間に大学野球をしていたため午後6時に始まった試合は4時間ゲームとなり、終了は午後10時を回るという歴史的な一戦だった。
花巻東vs盛岡大付【岩手県】
近年、好投手を輩出している岩手県。昨年は大船渡・佐々木朗希(現ロッテ)が大きな話題になったが、県内の2大勢力は花巻東と盛岡大付だ。2011年以降、夏の岩手県代表は花巻東が5回、盛岡大付が4回と2校のみ。しかも出場するだけでなく、甲子園でも好成績を収めていることからレベルの高さがうかがえる。
花巻東は菊池雄星(現マリナーズ)がエースだった2009年センバツで準優勝。同年夏もベスト4に進出した。大谷翔平(現エンゼルス)が背番号1を背負った2012年は、センバツ1回戦で藤浪晋太郎(現阪神)のいた大阪桐蔭に敗戦。同年夏は岩手大会決勝で盛岡大付に敗れた。
盛岡大付にも「大谷級」と騒がれた好投手がいた。打者としても高校通算54本塁打をマークした松本裕樹は2014年夏の甲子園に出場。3回戦で敦賀気比に敗れたが、その年のドラフト1位でソフトバンクに入団した。
富山商vs高岡商【富山県】
富山県は富山商と高岡商が他校を圧倒している。富山商は夏の甲子園に16回出場しており、1973年にベスト8進出。準々決勝で川越工(埼玉)に敗れたのが過去最高成績だ。
高岡商は夏の甲子園に20回出場。こちらも1947年のベスト8が最高成績だが、2018年は3回戦で大阪桐蔭、2019年は同じく3回戦で履正社と、2年連続で優勝校に敗れており、くじ運に恵まれない面もあった。
明徳義塾vs高知商【高知県】
高知と言えば、明徳義塾が2010年から8年連続出場するなど長らく土佐の頂点に君臨していたが、2018年に高知商が12年ぶりに甲子園に出場したことで1強時代が崩れた。県内では両校に高知を加えた3強が有名だが、今回は明徳義塾と高知商を比較したい。
明徳義塾は春18回、夏20回の出場。馬淵史郎監督は甲子園で歴代4位タイの通算51勝を挙げている名将だ。1992年夏の星稜戦で松井秀喜に5打席連続敬遠を指示して議論を呼んだが、2002年夏に初の全国制覇を果たした。
高知商は1978年夏の決勝でPL学園に逆転サヨナラ負けして初の大旗を逃したが、1980年センバツで中西清起(元阪神)を擁して初優勝。1983年、1985年夏はいずれも準々決勝でPL学園に敗れている。
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