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【福島牝馬S】過去10年で全勝の前走GⅢ組を重視 充実期迎えたフェアエールングに期待

2025 4/15 17:00貴シンジ
福島牝馬ステークス 前走GⅢ組の成績(過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は4月20日(日)に福島競馬場で行われる福島牝馬Sについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目に見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった19頭を検討対象とし、新潟開催だった2021年も含めた過去10年のデータを使用する。

重要データ:前走GⅢが圧倒的

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


福島牝馬Sの予想では前走クラス別成績が有効だ。好調なのは前走GⅢクラスを使っていた馬たちで、【10-6-6-63】と勝ち馬は全てここから出ている。単勝回収率159%、複勝回収率132%で回収率も優秀だ。

また、前走2勝クラスは【0-1-0-8】で複勝回収率56%、3勝クラスは【0-2-1-20】で複勝回収率75%と勝ち馬がおらず、OPやL競走を使っていた馬は【0-1-2-17】で複勝回収率65%と、前走3勝クラスの馬より回収率が低調となっている。

アドマイヤマツリは昨年の春まで未勝利クラスの馬だったが、一気に成長し、前走で3勝クラスを勝ってOP入り。おそらく今回も上位人気となりそうだが前走3勝クラスの割引データに該当する。

【前走GⅢの出走予定馬】
・アスコルティアーモ
・アリスヴェリテ
・エミュー
・ジューンオレンジ
・セキトバイースト
・フィールシンパシー
・フェアエールング
・ペイシャフラワー
・ホーエリート

前走内容:小倉牝馬Sのフェアエールング

フェアエールングの前走は小倉牝馬Sで、シンティレーションと同着優勝した。かなり前半が速いレースで前半5F通過が57.7、後半5Fが60.7で前傾3.0秒。隊列は縦長だったが先行勢が総崩れだったことからもわかる通り後方有利の展開だった。

フェアエールングは中団で競馬をしていたので、さらに後方で競馬をしていた同着シンティレーションよりは展開の恩恵を受けていない。着順は共に1着だったがフェアエールングの方を評価すべきレースだっただろう。

丹内祐次騎手が育ててきた馬で前々走も福島記念2着と斤量の恩恵は受けているとはいえ、牡馬相手にも通用している。今回のメンバー構成を考えても実績面では上位だ。

血統解説:フェアエールング

フェアエールングの血統表,ⒸSPAIA


・フェアエールング
日本での牝祖は11代母のフロリースカツプまで遡る日本で長く繋がれた牝系。フェアエールングの半姉マイネグレヴィル(父ブライアンズタイム)が札幌2歳SとフラワーC2着、半兄マイネルシュバリエ(父バトルプラン)が札幌2歳S2着、伯母マイネミモーゼがフローラS2着、従兄弟マイネルデュプレが共同通信杯勝ちと近いところでも重賞好走馬が多数出ていてファミリーとしての活力は高い。

パワーがあるがダートではなく芝で活躍する馬が多いことが特徴で、本馬も2走前や3走前のように時計のかかる馬場では強さを見せてきた。本馬は父にゴールドシップを迎えたが、器用なタイプに出ていて操縦性能が高い。前走では高速決着にも対応したように近親の中でも最も良質な遺伝子を両親から受け継いでいそうだ。

ゴールドシップ産駒ということもあるのでファミリーの他の馬と比べて成長曲線は遅め。5歳の今が充実期だろう。急坂は得意ではなくこれまで挙げた5勝は札幌が3勝、福島と小倉がそれぞれ1勝ずつ。今回は福島コースなので適性もあり、連続しての好走が期待できる。

Cアナライズはフェアエールングを推奨

今回のCアナライズではフェアエールングを推奨する。近走は1着、2着、1着という戦績から見てもわかる通りついに本格化したといった印象。丹内祐次騎手が育ててきた馬で今年は期待の一年となりそうだが、同騎手が皐月賞に回ることで乗れないのは痛手だ。

丸山元気騎手が予定されているようだが、決して乗り難しいタイプではないので、本馬の器用さを活かしてくれることに期待したい。上位人気にはなりそうだが、乗り替わりも影響してやや人気は落ちそうなので、馬を信じて狙ってみたい。

《ライタープロフィール》
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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