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巨人が山口俊ら3人獲得した2016年FA戦線の答え合わせ、移籍後の成績は?

2021 6/5 06:00SPAIA編集部
巨人時代の山口俊ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

計5人がFA移籍、岸孝之は地元・仙台の楽天入り

プロ野球のシーズンオフに入ると大きな話題になるフリーエージェント。一定の基準を満たせば取得できるFA権は選手にとって勲章でもあり、他球団の評価を聞いてみたいと思うのは当然だ。

移籍するにしろ、残留するにしろ、選手の決断は尊重されるべきだが、それが正解かどうかは誰にも分からない。

そこで「答え合わせ」をすべく、時計を巻き戻してみたい。2016年は国内FA宣言が日本ハム・陽岱鋼、ソフトバンク・森福允彦、オリックス・糸井嘉男、DeNA・山口俊の4人、海外FA宣言が西武・岸孝之と栗山巧の2人だった。FA権を行使した計6人のうち栗山は西武に残留し、5人が新天地に移籍した。

2016年にFA移籍した選手の移籍先での通算成績


岸孝之はプロ入り以来、在籍10年で7度の2桁勝利を挙げた西武からFA宣言。出身地の仙台をホームにする楽天移籍を決め、推定4年16億円の大型契約と報じられた。

移籍1年目の2017年は8勝10敗、翌18年は11勝4敗の成績を残したが、2019年はケガの影響もあって自己ワーストの3勝どまり。昨季はシーズン途中から一軍合流し、7勝を挙げた。今季の2勝(4敗)も含めて移籍5年目で計31勝(23敗)はやや物足りない。今年12月で37歳になるベテランだけに、今後は1年1年が勝負の年となりそうだ。

阪神移籍の糸井嘉男は3年目以降出場機会減少

オリックス時代の2014年に首位打者(打率.331)、2016年に盗塁王(53盗塁)に輝くなど高い身体能力で「超人」と呼ばれた糸井嘉男は、阪神移籍を決断。金本知憲監督のラブコールに応えてタテジマに袖を通し、人的補償で金田和之がオリックスに移籍した。

移籍1年目は打率.290、17本塁打、21盗塁、2年目は打率.308、16本塁打、22盗塁と高いレベルで安定していたが、3年目の2019年から徐々に成績が低下。昨季は86試合出場で打率.268、2本塁打、2盗塁にとどまった。

昨季で4年契約を終え、今季は推定年俸4億円から1億8500万円に大幅ダウン。昨季から王手をかけている通算300盗塁もいまだ達成していない。近畿大の後輩のルーキー・佐藤輝明が活躍しているだけに、先輩の意地を見せたい。

山口俊は3冠に輝き、巨人史上初のポスティングでメジャー移籍

2016年オフにFA宣言した5人のうち3人は巨人入りした。一気に3人獲得は史上初だったが、2017年の巨人は11年ぶりBクラスとなるセ・リーグ4位。大補強が必ずしもチーム成績に結びつく訳ではないことを、皮肉にも自ら立証する形となった。

DeNAでクローザーとして111セーブを挙げていた山口俊は、移籍1年目の2017年は飲酒トラブルを起こすなど1勝に終わったが、3年目の2019年には15勝4敗で最多勝、最高勝率、最多奪三振(188三振)の3冠に輝き、オフに球団史上初のポスティングシステムでMLBブルージェイズ入りした。

昨季は2勝を挙げたが、このほど自身のインスタグラムで「この度、山口俊は日本に帰国することを決断しました。夢を追ってメジャーに挑戦しましたが、力及ばずシーズン途中での帰国となります」と投稿しており、今後の動向が注目されている。

ちなみに山口の人的補償でDeNAに移籍した平良拳太郎は、巨人時代は未勝利だったが、移籍後に計15勝を挙げている。

森福允彦は3年で戦力外、陽岱鋼は二軍暮らし続く

ソフトバンクの貴重な左の中継ぎとして活躍していた森福允彦は、2011年から4年連続で50試合以上に登板し、2013年には第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表に選出されるなど実績十分だけに期待は高かった。しかし、巨人移籍後3年でわずか1勝9ホールド(3敗)。2019年に戦力外となり、ユニフォームを脱いだ。

日本ハム時代の2013年に盗塁王(47盗塁)に輝くなど主力として活躍した陽岱鋼は、2016年にFA宣言すると獲得に乗り出したオリックス、楽天、巨人の中から巨人入りを決めた。年俸は5年総額15億円と報じられ、入団会見には故郷の台湾から取材陣が訪れるほど注目度は高かった。

しかし、移籍後は4年間で322試合に出場し、221安打、7盗塁、打率.259にとどまっており、今季は二軍暮らしが続いている。5年契約の最終年だけに、プロ16年目の34歳にとって正念場と言えそうだ。

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